■ペルソナ設定が重要な理由

ペルソナは元々ラテン語で、「役者が被る仮面」という意味があり、現在は「人格」や「登場人物」といった意味合いで使われます。

求人市場においては主に「人物像」を表す言葉として使います。

 

では、採用においてペルソナ設定がなぜ重要なのか。

ペルソナを定めるメリットは大きく分けて2つあります。

 

<採用するターゲットの絞り込み>

自社HP、Webの求人メディア、ハローワークなどの媒体を問わず、求人を出すということは「広告を出し、集客を図ること」と同義です。

ほとんどの場合、広告を出す際に「どんな人に広告を見て、商品を買ってほしいのか」ということを想像するでしょう。

求人広告も同じように、ターゲット層を絞り込んで求人の効果を高めるにはペルソナの設定が不可欠なのです。

 

<自社内の方向性を定める>

例えば、現場は即戦力となる人材を求めているのに、経営層は数年後を見据えた若手しか採用しなかったなど、現場と経営層で求める人物像のイメージが食い違うことはよくあります。

社内における意見の違いを解消し、意思統一を図る上でペルソナ設定は大切な役割を果たします。

 

 

■ペルソナ設定の流れ

【STEP1:自社の経営計画などと照らし合わせ、人物像を洗い出す】

「将来の管理職者を育成したい」「企業の若返りを図る」といった経営計画や採用戦略を踏まえて、採用したい方の性格や現場で必要なスキルなどを洗い出します。

 

【STEP2:会社のビジョンと実際の働き方の整理】

企業一社一社に理念や事業を通じて果たすべきミッションがあると思います。

これらの内容を確認し、自社のビジョンにマッチする人材の志向はどんなものなのか考え、さらに人物像を絞り込みます。

 

【STEP3:現場のニーズを把握する】

採用する従業員が実際に配属される部署の方からも意見を吸い上げ、現場でのミスマッチが起こらないようにすることも大切です。

ただし、理想だけを言ってくることも少なくないため、あくまで【STEP1・2】で定めた人物像を土台として、本当に必要な要件だけをすくい上げるようにしましょう。

 

【STEP4:短期・長期で任せる業務内容を検討する】

特に新卒社員の場合は、入社後すぐにどの部署に配属し、どんな仕事を任せるのか明確にしておく必要があります。

直近の業務内容はもちろん、将来どんなポジション任せたいのかといったイメージを固めることで、さらに追加すべき要件が見えてきます。

 

 

■人物像の構成要素を整理する

ある業務や役割を果たす際、高いパフォーマンスを発揮する行動特性を「コンピテンシー」と呼びます。

自社の仕事で活躍できるコンピテンシーとは何なのかを明確にできれば、採用の基準も統一され、現場での活躍が見込める従業員を採用しやすくなります。

コンピテンシーとなり得る要素は次の6つに分けられ、そこから細かく枝分かれしています。

 

1)能力…学力、思考力、コミュニケーション能力

2)スキル…専門性、技能知識、保有資格

3)経験…対人折衝、企画、研究、留学経験

4)属性…性別、年齢、地域

5)社会適合性…志向、価値観、性格、社風との合致

6)勤務条件…給与、勤務時間、勤務地

 

コンピテンシーを定める際は、現在社内で活躍している従業員のスキルや志向と照らし合わせるとスムーズです。

ただし、あまり厳密に絞り込んでしまうと応募のハードルが上がり、採用が難しくなってしまいます。

どうしても譲れない条件と、あれば尚良いという条件を仕分けし、ある程度幅を持たせた条件設定を行うことが採用成功への近道です。

 

 

■スペックと人柄――ふたつの軸から考える

ペルソナの設定に迷ったときはペルソナをシンプルに「スペック」と「人柄」の二つに分けてみると、採用対象者を絞り込みやすくなります。

 

【スペック】

ここで言うスペックとは、年齢や職種・業界の経験の有無など、採用における要件を指します。

業界や職種にもよりますが、ターゲットとなる年齢層で、且つ職種・業界経験の要件を満たしている方は決して多くありません。

スペックを定める際は完璧を求めず、「年齢は理想とずれてもいいが、業界経験は必須」といった形で優先順位を決めるようにしましょう。

 

【人柄】

「完全な実力主義の会社に安定志向の方が応募してきた」という場合は、スペックが基準を満たしていても採用まで至らないことが多いでしょう。

この例に則って「実力主義の環境で稼ぎたい方」を募集するなら、「インセンティブで稼げる」「基本給○○万円以上」というように、求人広告に収入を求める方が注目しそうな内容を記載すると効果的です。

スペックをあまり求めない未経験者を募集する際は人柄を重視したアプローチが特に重要です。

 

このように、スペックと人柄を組み合わせることで募集の間口を広げたり、ターゲットを絞り込んだりすることができます。

 

 

■まとめ

土台が脆いビルに倒壊の危険があるように、明確な人物像の設定が為されていない採用活動は失敗に終わるケースが多いです。

たとえ採用できたとしても、企業風土とのミスマッチや現場で求めるスペックを満たしていないといったトラブルで、従業員が早期退職してしまうケースも少なくありません。

従業員の長期的な活躍を望むのであれば、採用活動を本格的にスタートさせる前に、求める人物像の策定を現場も交えて行うようにしましょう。

ここでご紹介したノウハウが貴社の採用成功の一助となれば、これほど嬉しいことはありません。