■コツその1 ~叱ること自体は悪いことではない~

部下や後輩を指導する立場にいる方々の中には、「指導」や「注意」といった行為にマイナスイメージを抱く方もいると思います。

 

誰しも叱られて気持ちいいとは思わないし、落ち込む気持ちもわかるから、叱ることにわずらさしさや抵抗を感じてしまうのは自然なことです。ですが、叱らなければならない状況で後輩の機嫌をうかがい、自分の感情を押し殺してしまうと、「この先輩は何をしても叱らない」と思われかねません。さらに、あなたは言いたいことを言えず、ストレスを抱えてしまいます。

 

叱ること自体は決して悪いことではありません。問題は具体的な理由を述べず、感情に任せて頭ごなしに叱ることです。

いきなり「ちょっと来て」と呼ばれて、何の説明もなく感情のまま叱られたら、「いきなりなんだよ!」と思いますよね。だからこそ指摘をする前には、「なぜ叱る必要があるのか」「自分の個人的な感情だけで叱ろうとしていないか」など、一度自分の行動を見つめ直すことを心がけるといいでしょう。

自分を客観視することで、感情に任せて叱ることを避けられるだけでなく、優しい言葉をかけやすくなるというメリットも生まれます。

 

コツその2 ~「優しい言葉」に「注意したい内容」をはさむ~

突然ですが、心理学の分野には「初頭効果」と「親近効果」という言葉があります。

わかりやすく言うと、前者が「最初の印象が大事」ということで、後者が「一番最後が最も大事」ということ。これらの言葉をまとめると、「人の記憶に残りやすいのは物事の最初か最後」だと言うことができます。

 

後輩の指導にもこの考え方は応用できます。印象に残りやすい最初と最後に「ここは頑張ってるよね」や「期待してるよ」という褒める言葉、優しい言葉を持ってくることで、「自分を想ってくれている」と感じてもらいやすくなります。

 

その間に注意したい話題をはさみこむのがベストですが、「もっと〇〇をこうしてよ」と言うよりも、「ここをもっとこうしたら完璧だね」というように、肯定につながる内容にすると、より素直に受け入れてもらえるでしょう。

 

相手のことを想って叱ることができれば、後輩はもちろん、同僚や上司の信頼を得ることにつながります。後輩もあなたからの指摘を素直に受け入れることができるようになるので、双方にとって大きなメリットがあります。

 

■コツその3 ~ミスを繰り返してしまう後輩の指導~

丁寧な指導を心がけても、なかなか仕事内容が身につかず、ミスを繰り返してしまう後輩に「何度同じことをすれば気が済むんだ」とイライラしてしまうことはありませんか? 時間をかけて教えていく必要はあるかもしれませんが、やはりここでも指摘の仕方を工夫する必要があるでしょう。

 

はじめに実践すべきなのは、「ミスの原因を探ること」です。

ミスが発生する箇所に至るまでの流れを最初から振り返り、何を考え、どう行動した結果、ミスが起きたのかを検証していきましょう。検証ができたら、今後ミスをしないようにするにはどうすればいいかを一緒に考えてあげてください。

 

一緒に考えることで、後輩はあなたが自分に関心を持って接してくれていると感じることができ、ミスを改善しようというモチベーションを持ちやすくなります。そして、改善できたらしっかり褒める。褒められると伸びる人は多く、ミスの指摘と絡めて褒めるとより効果的です。

 

■コツその4 ~「わからなかった昔」を思い返してみる~

今は様々な仕事をこなし、後輩を指導する立場にいるあなたも、新入社員だった頃があったと思います。

「自分は最初から完璧にできた!」という方も、ぜひ入社したての自分を思い返してみてください。わからなかったこと、ミスをしたことが思い出され、仕事で失敗してしまう後輩の気持ちに近づけたのではないでしょうか。

 

指導する上で大切なのは失敗する後輩の視点で考え、親身になること。

「自分もこういうミスするよ」と後輩の失敗に寄り添えば、改善点を指摘しつつ後輩との距離を縮めることも可能になります。

 

後輩にとってあなたは指導を行う立場の人間であり、成長する上で重要なモデルでもあるのです。

あなたがどんなところでつまづき、改善していったかを示してあげることで、後輩から尊敬される立場の人間として、あなた自身も成長することができるはずです。

 

■まとめ

多くの先輩方が後輩の指導に悩みながらも、様々な叱り方を模索し、後輩に成長への近道を示していることと思います。

後輩の性格や志向は十人十色。接し方も人によって変えていく必要はありますが、どんなときでも余裕を持って、懐の広さを見せられる先輩でありたいですね。

 

せっかく後輩のことを想って注意をしても、反発されては元も子もありません。ぜひこの機会に上手な叱り方を身につけて、後輩に親しまれる先輩・上司を目指していただければと思います。この特集があなたと後輩のより良い関係づくりの一助となれば幸いです。