■ワークライフバランスとは?

読んで字の如く、ワークライフバランスはWORK(仕事)とLIFE(生活)のBALANCE(調和)を指す言葉です。

より具体的に言うと、従業員が仕事に面白さを感じつつ、同時に家庭・地域生活も充実した状態で、自分らしい生き方を模索していく取り組みを指します。

 

日本でワークライフバランスが注目されたのは、内閣府および自治体による『仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章』が制定された2007年12月のこと。

民間企業と政府が連携してワークライフバランス推進に動き始め、その後、2015年から厚生労働省による過労死等防止への取り組みのひとつとして、ワークライフバランスがさらに注目されるようになりました。

 

経済、社会、人々の価値観が移り変わる中で、ワークライフバランスはより重視されるようになり、企業が市場の変化に応じてビジネスモデルの刷新を行っていくのと同様に、ワークライフバランス支援の面でも柔軟な対応を行う必要が生じつつあります。

 

 

■ワークライフバランスを保つことで生じる企業側のメリット

「従業員一人ひとりの自分らしい生き方の実現に向けた取り組み」を主目的とするワークライフバランスの支援ですが、個人個人の仕事と生活に寄与する働きかけを行うことで、企業側もメリットを享受することができます。

 

【離職率の低下に伴う良質な人材の確保】

従業員の離職理由として、労働環境の劣悪さが挙げられることも多い今、ワークライフバランスを意識した働きやすい環境づくりは従業員の定着率アップに直結します。

長く働く従業員はその分豊富なスキルを身につけて活躍し、会社の成長に貢献してくれるでしょう。

「あの会社は労働環境が整っている」という評判が広まれば、他社から優れた人材を呼び寄せることも可能になります。

 

【生産効率の向上】

残業を抑え、休日を増やせば、作業効率が落ちると思われるかもしれません。

注意を怠ればそうしたことも起こりえますが、気を付ければむしろ、限られた就業時間内で如何に生産効率を上げるか考える意識づくりに繋がります。

業務の効率化が進み、従業員も心身の健康を維持して業務に取り組むことができれば、企業全体の雰囲気もより良いものになっていくでしょう。

 

 

■ワークライフバランスを保つことで生じる従業員側のメリット

従業員が得られるメリットは様々ですが、ここでは代表的なものをいくつか見ていきましょう。

 

【育児・介護との両立が可能になる】

家族と過ごす時間がとれず、離職を考える従業員は少なくありません。

育児休業制度や産休育休後の復職支援、介護休暇を利用すれば、文字通りWORKとLIFEのバランスをとりつつ、生き生きと働くことができます。

待機児童の問題や介護施設の不足が叫ばれる中、上記の支援を受けられるのは従業員にとって大きなメリットと言えるでしょう。

 

【仕事以外の場でリフレッシュ・スキルUPできる】

朝早くから夜遅くまで働き詰めでは、自分の時間を持つことは難しいでしょう。

終業後の余暇や休日が増えれば、プライベートに割ける時間が増え、趣味に打ち込む機会も多くなります。

成長意欲の高い人であれば、余暇を資格取得や勉強の時間にあて、さらなるスキルUPを図ることもできるようになるでしょう。

 

【体調管理ができる】

仕事にのめり込むと、体調管理が疎かになりがちです。

無理が祟って体調を崩してしまえば、結果的に生産効率は落ちてしまい、企業・個人双方に不利益を生じさせます。

健康で豊かな生活を送る上で、ワークライフバランスの充実は欠かせません。

 

 

■ワークライフバランス支援の事例・取り組み

ワークライフバランスへの取り組みとして、すでに多くの企業が独自の方法を模索しています。

 

【男性従業員の育児休暇取得推進】

社長自ら育児休暇を取得し、男性従業員の育児休暇取得を促した事例です。

休暇取得後、男女を問わない公正な制度が設けられていることを大々的にアピールした結果、女性だけでなく男性従業員も育児休暇が取りやすくなったといいます。

 

【有給休暇取得率を95%以上に義務化】

社長・管理職を含め、全従業員に有給を95%以上消化することを義務付けた取り組みです。

義務化の翌年、生産効率は向上し、結果的に企業の成長に繋がりました。

 

【残業削減のための作業見直し】

この取り組みを行った企業では、店舗で働くスタッフの一部が知識やノウハウを占有しているという状況がありました。

そうした状況を見直し、普及型のマニュアルを完備することで、従業員全員が仕事を均等に割り振れるようになり、一人あたりの残業時間が月6時間程度に抑えられました。

特に、専門知識を持つ従業員の負担と時間外労働が大幅に減るという効果が出ています。

 

 

■まとめ

従業員が心身の健康を保って生き生きと働くことができれば、働く本人だけでなく企業側にも大きなメリットが生まれます。

仕事以外の時間が増えた分、業務の効率化を図るための意識改革や具体的な取り組みが必要になってきますが、その分、得られるメリットは非常に大きなものです。

 

国を挙げて「働き方改革」が進められている今、ワークライフバランスの推進に向け、具体的な施策を考えてみては如何でしょうか。

その上で、これまでお伝えしてきた内容を参考にしていただければ、これほど嬉しいことはありません。