外国人留学生の就職の現状

日本では、少子高齢化やグローバル化などの影響により、外国人労働者を目にする機会も増えてきました。

 

では、どれくらいの外国人留学生が日本企業に就職しているのでしょう。

 

入国管理局の調査した「平成30年における留学生の日本企業等への就職状況について」によると、日本企業への就職を目的として在留資格変更許可を申請した留学生は、

 

2017年:27,926人(許可数:22,419人)

2018年:30,924人(許可数:25,942人)

 

です。

 

前年と比較すると、申請者は10.7%増加、申請許可数は15.7%も増加しています。

 

許可人数トップの地域は中国

許可人数トップの地域は中国_外国人留学生の採用のメリットと注意点

引用:入国管理局「平成30年における留学生の日本企業等への就職状況について

 

申請許可人数を地域別に見てみると、

 

中国:42.0%

ベトナム:20.2%

ネパール:11.3%

韓国:6.1%

台湾:4.1%

 

という結果が出ています。

 

上位5ヶ国がアジア圏であり、中でも中国人留学生が圧倒的に多いことが判明しました。

 

許可人数の多い職務は「翻訳・通訳」

同調査では、留学生の約9割が「技術・人文知識・国際業務」への在留資格に変更していることが明らかになっています。

許可人数の多い職務は「翻訳・通訳」外国人留学生の採用のメリットと注意点

引用:入国管理局「平成30年における留学生の日本企業等への就職状況について

 

具体的な職務内容を見てみると、

 

翻訳・通訳:23.6%

販売・営業:13.4%

海外業務:9.0%

技術開発(情報処理分野):6.5%

 

となっており、語学力を活かせる仕事が上位を占めていることが分かります。

 

外国人留学生を採用するメリット

先述の通り、日本で就労する外国人留学生は増加していますが、雇用するとどのようなメリットがあるのでしょう。

 

若くて優秀な労働力を確保できる

若くて優秀な労働力を確保できる

引用:総務省「我が国の労働力人口における課題

 

少子高齢化の進む日本では、生産年齢人口(15歳~64歳)が減り続けており、2060年には4,418万人にまで減少すると予測されています。

 

今後、日本人労働者の母数は減少し続けるため、企業間の人材獲得競争は激化していくでしょう。

 

こうした状況の中、外国人留学生を採用すれば、若くて優秀な労働力を確保できるため、企業の人材不足を解消することができます。

 

職場が活性化する

言葉も文化も異なる国での生活はハードルが高いです。

 

しかし、その障壁を乗り越えてでも「日本で就職したい」と考える外国人留学生は、学習や労働の意欲が高い傾向にあります。

 

日本総研の「人手不足と外国人採用に関するアンケート調査」結果では「期待以上の活躍をしている(12.7%)」「ほぼ期待通りの活躍(64.4%)」と、外国人労働者に高い満足度を感じていることが分かります。

 

また、外国人ならではの観点から出されるアイディアや意見に触れることで、日本人社員にも刺激を与えられるでしょう。

 

したがって、外国人留学生を採用すると職場の活性化が期待できるのです。

 

海外進出時の戦力として期待できる

人口減少の影響で、日本のマーケットは縮小傾向にあるため、海外進出を目指す企業が増えてきています。

 

進出国出身の留学生を採用することができれば、母国と日本それぞれの言葉や文化を理解しているため、双方の橋渡し役として活躍してくれるでしょう。

 

また、現地人とのコミュニケーションもスムーズに行えるため、市場調査や現地スタッフのマネジメントにも期待できます。

 

外国人留学生を採用するデメリット

外国人留学生を採用すると、様々なメリットがあることが分かりました。

 

では、どのようなデメリットがあるのでしょう。

 

就労ビザを取得しなくてはならない

外国人が日本に滞在するには、在留資格が必要です。

 

在留資格の種類は「留学」「技術・人文知識・国際業務」など複数存在し、種類ごとに活動して良い範囲が決まっています。

 

そのため、留学生を新卒として採用する際は、従事させる予定の職種・職務内容に合致した就労ビザへ変更しなくてはなりません。

 

必要書類を揃えて、入国管理局に「在留資格変更許可申請」を行うことになりますが、審査の結果、不許可になることもあります。

 

受け入れ体制を整える必要がある

日本語力の高い外国人留学生も多いですが、ビジネスの場面ではより高いレベルを求められます。

 

言葉や文化の違いにより、意思疎通が上手くいかないこともあるため、

  1. 日本語学校の手配や日本語の研修
  2. マナー研修
  3. 定期的な面談

などを実施し、受け入れ体制を整える必要があります。

 

また「空気を読んで行動して」「察して」のような、日本独特の感覚は通用しません。

 

このような曖昧な指示は混乱やトラブルの原因になるため、指示は明確に出しましょう。

 

外国人留学生を採用するときの注意点

ここでは、外国人留学生を採用する際の注意点についてご紹介します。

 

報酬は日本人と同等額以上に設定する

入管法では「技術・人文知識・国際業務」「技能」「経営管理」といった、在留資格の取得条件の一つに「日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること」と定められているため、この条件をクリアしないと許可が下りません。

 

そもそも、労働基準法第3条では、国籍などによる賃金を含めた労働条件の差別的取り扱いを禁じていますし、最低賃金法も適用されます。

 

したがって、外国人労働者を採用する際は、日本人を採用した場合の賃金を参考に、それと同等額以上に設定する必要があるのです。

 

これに反して雇用を行った場合、法令違反となり懲役または、罰金を科せられることがあるため、注意しましょう。

 

外国人雇用状況の届出

外国人労働者を雇用する場合、

  1. 労働者の氏名
  2. 在留資格
  3. 在留期間
  4. 在留カード番号

などをハローワークに届け出なくてはなりません。

 

「外国人雇用状況の届出」は、全ての事業主に義務付けられており、届出を怠ると30万円以下の罰金が科されることもあります。

※外国人雇用状況の届出は離職時にも必要です。

 

また、当該留学生には、入国管理局へ「所属(契約)機関に関する届出」を行うよう、アナウンスして下さい。

 

届出を怠った場合、次回ビザ更新時の審査でマイナス評価されてしまいます。

 

参考:厚生労働省「外国人雇用状況の届出

参考:法務省「所属(契約)機関に関する届出

 

採用時の確認事項

外国人留学生を採用する場合、在留資格の変更を行わなくてはならないため、事前に当該留学生の状況を確認しておく必要があります。

 

確認が不十分な状態で採用を決めると、後々トラブルになる可能性があるため、注意しましょう。

 

在留カードを確認する

出入国在留管理庁「在留カードとは?」表 出入国在留管理庁「在留カードとは?」裏

引用:出入国在留管理庁「在留カードとは?

 

在留カードは、日本に長期滞在する外国人に交付される顔写真付きのカードで、氏名や生年月日といった基本情報や、在留資格、在留期限が記載されています。

 

在留期限が過ぎている場合は「不法滞在」となるため、採用しても就労ビザを取得できない可能性が高いです。

 

そして、

  1. 就労ビザを取得できないまま働かせた
  2. 不法滞在者を働かせた
  3. 在留資格で認められた範囲を超えて働かせた

場合は「不法就労」に当たるため、事業主に罰則が科せられることもあります。

 

学歴と専攻科目を確認する

外国人留学生を採用する場合、就労ビザに変更しなくてはなりませんが、種類ごとに取得条件が細かく定められています。

 

外国人留学生の9割が変更する「技術・人文知識・国際業務」の場合、大学or専門学校での専攻科目と従事する職務との関連性が問われます。

 

例えば、デザイナーとして採用するなら「服飾の専門学校でデザインを専攻した留学生を採用する」など、職務内容と関連している必要があります。

 

上記のような経歴を持つ外国人留学生を「語学学校の講師として採用する」など、関連性が薄い場合は、不許可となる可能性が高いです。

 

したがって、外国人留学生を新卒採用する場合は、事前に「学歴」と「専攻科目」を確認しましょう。

 

 

外国人留学生の積極採用で労働力不足を解消!

少子高齢化によって、若い働き手の採用難易度は年々高まっています。

 

コミュニケーションなどの問題もあり、あまり積極的でない企業も多いと思いますが、日本人採用にこだわり続けていてはいずれ労働力を確保できなくなるでしょう。

 

グローバル化の進む今後は、さらに外国人労働者の需要も増えてくると考えられるため、この機会に外国人留学生の採用を検討してみてはいかがでしょうか。

ノウハウ記事は毎週【火・木】更新!

無料会員登録をすると、新着記事をまとめたメルマガを受け取ることが可能。
その他、さまざまな会員限定コンテンツをご利用いただけます。

無料会員登録する

最新記事

ログインまたは新規会員登録してからご利用ください。

新規会員登録

無料会員登録をすると、さまざまな会員限定コンテンツをご利用いただけます。

無料会員登録する

人事バンクについて

この企業をフォローしました。
フォローした企業の一覧はマイページからご確認いただけます。

この企業のフォローを解除しました。

このメールアドレスは、現在仮登録状態です。
本会員登録のご案内メールをご確認いただき、本会員登録を行ってください。

本会員登録のご案内は、下記メールをお送りしております。

▼メール件名
【人事バンク】本会員登録のご案内

送信が完了しました。
コメントをお寄せいただき、誠にありがとうございました。
サイト上に反映されるまで少しお時間をいただいております。
今しばらくお待ちいただけますと幸いです。