採用活動を行う際には、「事前準備」を整えておく必要があります。
これは採用を円滑に進め、求めている人材を採用するために欠かせないプロセスです。
ですが、実際のところ「どんな事前準備をすればいいのか」ということは意外と知られていません。
そのため、採用活動が動き出してからその場その場で対応していく、という企業が多く見受けられます。
では、採用活動を成功させるための「事前準備」とは具体的に何をすればいいのでしょうか。
「その採用は本当に必要?」採用の方針・目的を決める
採用活動で大切なことは、「採用の方針と目的」を決定すること。
自分たちがどこに向かうのかがわからなければ、求める人材には出会えません。
目的が曖昧なまま採用し、ただ人を増やしただけでは成功とは言えません。
そもそも、新たな人材は本当に必要なのでしょうか?それは、なぜ必要なのでしょうか?
考え始めると悩みは尽きませんが、この問いの答えが採用活動全体を支える軸になるのです。
たとえば欠員補充のときも、「新人が育ってきたので短期的に穴を埋めてくれればいい」「事業拡大を見据えて、将来中心となって活躍できそうな人材を獲得し、教育していきたい」などの目的によって、採用活動の方向性が変わってきます。
このとき、人事だけでなく経営層や採用部署とも認識を合わせることが大切です。経営層・採用部署・人事部との間で「採用方針と目的」の認識が一致していれば、迷うことなく採用活動を進めていけます。
自社に必要な人材を明らかにするためにも、一度立ち止まって方向性を定めましょう。
先を見越した人員計画を立てる
採用方針や目的を決めるにあたって、「人員計画」というベースを持っておかなければなりません。
中長期的な事業計画や職場の業務量に基づき、何人必要か(量)というだけでなく、どんな人材が必要か(質)という部分まで考慮して、採用活動の計画を立てていきます。
人員計画を策定しないまま採用活動を始めてしまうと、採用人数の過不足などを引き起こし、後になって様々な影響が出てきます。
近年では、人員計画を軌道修正出来なかったことで、企業の存続に関わるケースまで生じるほど、重要な課題となっているのです。
人員計画を作るためには、過去と現状を知るための調査から始めましょう。
これまでに職場で起こってきた退職や配置転換などをヒアリングし、職務の専門性についても把握しておきます。
また、今後の事業計画に沿って、どのような人材がどれくらい必要であるかを予測します。
これにより、計画性のないまま採用を進めるリスクをグンと減らすことができます。
企業活動全体に目を配り、採用目標と求める人材を明確にしておくことは、予算やスケジュール、採用手段を決定することにも役立ちます。
自社の強み・アピールポイントを探る
自社の強みやアピールポイントの分析をしておくことは非常に重要です。
企業の強み、各事業部の強み、仕事にどんなやりがいを感じられるのかなど、自社ならではのポイントを探ります。競合他社との違いをしっかり伝えられるようにしましょう。
そのとき、「なぜその強みがあるのか」を深く掘り下げることで、説得力が増していきます。
たとえば…
──────────────────────
経営基盤が安定している
↓↓
それは大手企業と多数取引を行っているから
↓↓
それは社員の能力の高さが信頼されているから
↓↓
それは教育に力を入れてきたから
──────────────────────
…と、強みの裏づけが見えてきます。
また、新卒や中途で採用した既存社員が、「どこに魅力を感じて入社を決めたのか」をヒアリングすることも有効な手段です。
企業の展望や、働く環境面の良さを重視する方も多く、必ずしも給与や企業ブランドに左右されません。
ヒアリングによって、支持を得ているポイントがわかるだけでなく、職種ごとに注目する点が違うということも発見できます。
自社の強みやアピールポイントを把握・分析しておき、求める人材に響くような魅力を伝えていくと、より効果的です。
まとめ
採用活動を成功させる第一歩として、まず「なぜ人材が必要なのか」をしっかり考えてみましょう。
準備を整えておくことで、採用活動も円滑に進んでいきますよ。