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人種的公平を真剣に実現しようと考えているならば、既存のダイバーシティの取り組みでは不十分であり、リーダー層に白人男性が集中する現状を変えることはできない。過小評価されているグループから昇進させたり、業務を拡大したりするには、人事に影響力を発揮できるスポンサーからのサポートが不可欠だ。ただし、やり方を間違えると逆効果になりかねない。本稿では、スポンサーシップの成果を高める方法を紹介する。


 人種的公平に対する企業の関心があらためて高まり、ダイバーシティの取り組みが、特に黒人従業員には効果がないことは、最近の研究で相次いで指摘されている。そこで多くの企業が、人材登用のパイプラインを多様化するための新たなアプローチに注目している。すなわち、スポンサーシップだ。

 幹部クラスのジェンダーの多様性の促進に関する最近の論文で筆者(イバーラ)が説明した通り、スポンサーシップとは「上位職の有力者が自身の個人的な影響力を使って、下位の庇護対象者を周囲に売り込み、推薦して重要な役割に就かせる、という支援関係」である。