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イギリス・オランダ系日用品・食品大手のユニリーバ(Unilever)は、ニュージーランドの従業員81人全員に対し、週4日勤務(週休3日制)を提案している。給与の削減はない。
働く時間は通常の契約の80%になるが、給与は100%維持される。この新しい制度は、従業員のより柔軟な働き方 —— いつ、どのように効果的に働くかを自分で決める —— につながるだろうと、ユニリーバは12月1日(現地時間)、プレスリリースで述べた。
試験運用は12月7日に始まり、1年間続く。
ユニリーバは、アイスクリームのベン&ジェリーズ(Ben & Jerry's)やマグナム(Magnum)、ヴァセリン(Vaseline)といったブランドを所有している。
今回の動きは、従業員の精神的、身体的な健康を向上させるだろうと、同社のニュージーランドの担当責任者ニック・バングス(Nick Bangs)氏は言う。
会社の生産性アップにもつながるだろうと、バングス氏は付け加えた。
「わたしたちの目的は、パフォーマンスを時間ではなくアウトプットで計ることです。古い働き方は時代遅れで、もはや目的に合わないとわたしたちは考えています」
バングス氏はその上で、週4日勤務が広まりつつあるのは「一般的な労働慣行を一新させる上で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が触媒的な役割を果たしてきたことの表れ」だと指摘している。
ニュージーランドのアーダーン首相は週4日勤務のけん引役の1人で、週4日勤務は国内観光を促進するだけでなく、COVID-19からのニュージーランドの回復の助けにもなると話していた。
ユニリーバは、2018年に全スタッフ240人を対象に週4日勤務を導入したニュージーランドの不動産企画会社パーペチュアル・ガーディアン(Perpetual Guardian)からインスピレーションを得た。
ユニリーバは今回の試験運用の結果をニュージーランドの他の企業とシェアする予定で、それぞれの働き方に生かしてもらいたいと同社は考えている。
今回の試験運用はニュージーランドの従業員のみを対象としているが、ユニリーバはこのトライアルが全世界の従業員15万人を対象にこの制度の導入を検討するかどうかの判断材料になるだろうと述べている。
(翻訳、編集:山口佳美)