就職・転職の面接では、時折「失敗談」について尋ねられることがあります。

誰しも、振り返ると穴に入りたくなるような失敗談を持っているもの。その失敗を思い出すと「他の人はこんな失敗はしないんじゃないか」と落ち込んでしまうこともあるかもしれませんが、その失敗談を就職や転職に有利に活かせるかもしれません。

本記事では、面接で失敗談について尋ねられたときの回答についてご紹介していきます。

  • 面接で失敗談を尋ねられる理由

    面接で尋ねられたときのために準備しておこう

面接で失敗談を尋ねられる理由

失敗談はできれば人には隠しておきたい恥ずかしい経験だと考える人も多いでしょう。企業がそんな失敗談をあえて面接で聞くのには理由があります。

企業は失敗談を聞くことで、応募者の3つの力を見極めることができるといわれてい ます。

1つ目が「問題解決能力」。仕事に限らず人生全般において、イレギュラーな出来事はつきものです。予想外の出来事が起きたときにも臨機応変に対応し、軌道修正する問題解決能力があるかどうかを失敗談から知ることができます。

2つ目が「分析力」です。問題が起こったとき、後にまた同じことを繰り返すようではビジネスマンとして一人前とはいえません。失敗を分析し次に改善できるように努める能力は仕事をこなしていく上で重要です。失敗談からはきちんと失敗を分析し、経験に変えられているかどうかが判断できます。

3つ目は「忍耐力」。ビジネスではプライベートでは経験できないような困難に出会うこともあるでしょう。困難にぶつかったとき、落ち込まずに立ち向かえるメンタルがあるかどうか、失敗してもすぐに立ち直り、再チャレンジする強い思いがあるかどうか。このような観点は一緒に仕事をしていく上でも重要なポイントとなるでしょう。

  •  面接で失敗談を尋ねられる理由

    面接で失敗談を聞く理由

失敗談には3種類ある

失敗談は大きく3つの種類に分けられます。それぞれについてご紹介します。

同じ過ちを繰り返す失敗

一度してしまったことを、何度も繰り返してしまう失敗です。何度も同じことを繰り返してしまうのは、失敗をした後にきちんと反省をして次の改善案を用意していないからでしょう。面接の場で披露するときには、「同じ失敗を繰り返したが、次は失敗しないように対策を練り失敗を防ぐことができた」という点をアピールするのが効果的です。

防げたはずの小さな失敗

2つ目は、注意していれば防げたはずの小さな失敗です。そうなることは予測できたのに準備を怠ったり油断したりしてために失敗してしまうパターン。注意力散漫な印象を与える失敗ですが、「この失敗から学び、事前準備を怠らないようになった」という視点で伝えるのがいいでしょう。

チャレンジした上での失敗

何事も新しいことを始めるとき、次のステップへ登っていくときには、誰もがはじめての体験となります。はじめての道を失敗せずに進めるほうが珍しいでしょう。自分のさらなる可能性を求めてチャレンジをして失敗したという話は、面接の場でも好印象を与えます。

  • 失敗談には3種類ある

    自分の失敗談はどのタイプに分けられるでしょうか

失敗談を選ぶときのコツ

面接ではどのような失敗談を経験として伝えるのがいいのでしょうか。

努力のプロセスが見える

何かしらの努力が伝わる、努力のプロセスが見える失敗談であることが重要です。企業は、失敗談を聞くことでその人の能力や判断力、人柄を知りたいと考えています。ただ失敗の事実を話すだけでは自分の能力や人柄を伝えることができません。

前向きな姿勢が伝わる

失敗を失敗と捉えて落ち込んでしまうのではなく、成長のチャンスと前向きに捉える姿勢があることをアピールすることが大切です。そのためにも、失敗談を選ぶときはただ事実だけを話すのではなく、その経験から何を得たのか、次回にどのように活かせたのか、といったストーリーを含めて伝えることが重要になるでしょう。

切り替えの早さをアピールできる

失敗してもすぐに次の行動に移すことのできる切り替えの早さは、仕事をしていく上でも長所としてアピールすることができます。仕事をする中で失敗していつまでもくよくよと悩んでいても、仕事ははかどりません。エピソードの選び方次第で失敗はすぐに清算し、次の行動に進める切り替えの早さをアピールすることができるでしょう。

  • 失敗談を選ぶときのコツ

    失敗談はアピールチャンス!

こんな失敗談はNG !

失敗談にもさまざまな種類がありますが、次のような失敗談は避けた方がいいでしょう。

ウケを狙った失敗談

笑いをとるような失敗談は、面接の場では効果的ではありません。面接官を笑わせるために面接をしているわけではありませんし、何の学びにもならない経験であることが大半だからです。

信頼性を損なう失敗談

何度も同じミスを繰り返したり、事前に準備していれば防げたはずの軽微なミスをしたりする……と伝えると、企業からの信用を失ってしまいます。「この経験によって何かが得られた・改善した」という、前向きなエピソードがなければ、うっかりミスで失敗を繰り返す信頼性に欠ける人材と思われてしまいます。

フォローしきれない失敗談

誰かを傷つけてしまったり、貴重・重要なものを壊してしまったりしたという取り返しのつかない失敗談は、信頼性を疑われてしまう要因となるでしょう。たとえそのような経験があったとしても、面接の場ではエピソードとして選ばない方が無難です。

  • こんな失敗談はNG !

    失敗談なら何を話してもいいわけではありません

失敗談回答例

失敗談の回答例をご紹介します。ご自身のエピソードを伝えるときに参考にしてみてください。

スケジューリングのミスから計画性を身につけた

自分のスケジュールミスにより、仕事全体が遅れてしまうという失敗があった。

しかしその経験から、綿密にあらかじめスケジューリングするようになった結果、「計画性がある」と会社からの評価も上がった。

先方の意図を見誤った経験から目的を明確にするクセがついた

クライアントの要望を聞かずに「こういうことが求められているだろう」とあたりをつけて仕事を進めた。

その結果、仕上がった成果物がクライアントの要望と異なり、作り直しになって余計な時間がかかってしまった。

それ以来、事前にクライアントの要望をきちんと聞いてから仕事を進めるようにしている。

  •  失敗談回答例

    面接官の反応は?

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面接で失敗談を尋ねられる理由から対策までをまとめました。失敗談は面接において、自分を知ってもらうための貴重なアピールポイントです。どのように自分の人間性をアピールできるか考えながら、面接で尋ねられたときの対応を準備しておきましょう。