労組と協議せずに賃金カット、「部長辞めろ」 不当労働行為を認定
新谷千布美
労働組合と協議せずに賃金カットを決めるなど複数の不当労働行為が認定されたとして、大阪府労働委員会は30日、大阪市の南港市場で競りを取り仕切る卸売会社「大阪市食肉市場」(住之江区)に救済措置をとるよう命令した。
命令書によると、同社は2020年8~11月、組合側との協定に反し、必要性を明かさないまま従業員12人を雇用した。当時部長の組合員が抗議すると、社長は「部長辞めろ」などと発言。また、会社側の弁護士の聴取に誠意ある回答をしなかったとして、組合の執行委員長を7日間出勤停止の懲戒処分にしたほか、組合と協議せずに全従業員(約50人)の賃金を16~30%減額すると通知した。
組合側は21年4月に救済を申し立てた。府労委は、労働組合法が禁じる支配介入や、組合活動を理由とした不利益な取り扱いにあたると判断。会社側へ処分の撤回や組合との協議を命じた。