大卒採用、増やす企業13・8% 売り手市場続く

 リクルートホールディングスの研究機関であるリクルートワークス研究所(東京)は19日、平成32年春の新卒採用調査を発表した。大学生・大学院生の採用が「増える」と回答した企業は、13・8%となった。比較可能な23年からでは最も高い比率だった31年春新卒調査に比べると、2ポイント減少しているが、過去2番目だった。同研究所では、依然高水準を維持しており、学生有利の売り手市場が続くとみている。

 全業種で採用を増やす方向だ。中でも「小売業」が21・1%、「飲食店・宿泊業」が17・7%と、人手不足が深刻になっている業種ほど採用意欲が強い。一方、人工知能(AI)の導入など業務の効率化を進める「金融・保険業」は10・1%にとどまった。

 また、初任給の引き上げに「既に取り組んでいる」企業が26・3%、「今後取り組む予定」の企業が23・6%。約半数の企業が人材確保のため、引き上げで対応するもようだ。

 さらに、外国籍学生採用については「既に取り組んでいる」と「今後取り組む予定」を合わせると24・3%で、31年春の20・9%を上回り、外国籍学生の採用意欲も高まっている。特に外国語対応が求められる飲食店・宿泊業が37・7%と他業種を大きく上回った。

 調査を担当した古屋星斗(しょうと)研究員は「企業の景気の先行きには不透明感があるが、採用意欲は高水準で、当面、この状況が続く」と予測した。

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