観光庁は、子育てや介護などで長く仕事から離れていた女性を対象に、人手不足が深刻なホテル業への再就職を支援する取り組みを今年秋から始める。就職希望者と東京都内のホテル業者を引き合わせるイベントなどを開き、早ければ年内の就業を実現したい考えだ。
主な対象として想定するのは、出産や介護を機に離職して10年以上がたち、働く意欲がある40代後半から50代の女性。20人程度を募集し、ホテル業で必要な専門知識や技能を習得する講座を受けてもらうほか、就職活動を後押しする助言や指導も行う。その後、都内のホテル業者も参加するイベントを開催し、個別の業者の面接や採用につなげてもらう。観光庁は就職後3カ月後をめどにホテル側と女性の双方から仕事の状況などの聞き取り調査を実施。旅館や旅行業といった他の観光分野での女性の再就職支援などに生かしたい考え。
外国人旅行者の増加の影響もあり、ホテルなど宿泊業の2018年の就業者は12年に比べ14.5%増加。一方で採用が追い付かず人手不足が慢性化している。