秋田県内で女性活用の事例が相次いでいる。秋田海上保安部では、東北6県でも初となる女性船長が4月に誕生。JR東日本秋田支社では同支社発足後、初の女性駅長が7月、角館駅に着任した。日本銀行秋田支店によると、1〜3月の県内の現金給与額は前年同期比5・3%増。人手不足もあり、吉浜久悦支店長は「女性の労働参加が進んでいる結果」と分析する。(藤沢志穂子)
秋田海上保安部に所属する3等海上保安正の白沢智美さん(33)は、巡視艇「すぎかぜ」(25トン、乗組員5人)の船長に任命された。東北6県を管轄する第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)では初の女性船長で、女性船長は全国でも5人しかいないという。
「制服を着る仕事に憧れた」と笑う白沢さんは盛岡市出身で、海上保安学校を卒業後、青森や宮城の各海保と第2管区海上保安本部に勤務した経験を持つ。「すぎかぜ」ではパトロールや海難救助、密漁・密入国者の警戒に当たっている。
角館駅長の井上勝子さん(44)はJR大曲駅や横手駅で勤務、旅客や運輸など幅広い経験を積んでいる。東北では盛岡支社管内の新花巻駅の駅長が女性だ。角館駅は観光の拠点で、女性ならではの「おもてなし」の感性を生かしてもらおうとの狙いもあり「今後も同様に女性を積極登用していきたい」(菊地正秋田支社長)という。