こんにちは。「5分会議」®で人と組織を育成する専門家の沖本るり子です。
参加者としての立場で会議を成功へ導く協力をしたことがありますか?
ほとんどの人が、無駄な会議は、主催者や司会者のせいだと思っています。参加者として自分のせいだと思っている人は皆無かもしれません。
たしかに、主催者や司会者が有意義な会議を開催していればストレスなく、無駄な時間を過ごさなくてすみます。
主催者や司会者がダメだから無駄な会議だと思うのなら、その人たちに期待をしても無理な話。それこそ、無駄な期待と無駄な時間になってしまいます。
自分の時間を有意義にするために自ら会議の時間の過ごし方を変えてみましょう。
そこで、会議を成功へ導くためにあなたがするべき6つの心構えをお伝えしましょう。
沖本るり子(おきもと るりこ)

株式会社CHEERFUL 代表。1分トークコンサルタント。「5分会議」®で、人と組織を育てる専門家。江崎グリコなどを経て、聞き手が「内容をつかみやすい」「行動に移しやすい」伝え方を研究。現在、企業向けコンサルタントや研修講師を務めている。明治大学履修証明プログラムでも登壇中。著書に『会議の鉄則』(マガジンハウス)、『生産性アップ!短時間で成果が上がる「ミーティング」と「会議」』(明日香出版社)、『期待以上に人を動かす伝え方』(かんき出版)などがある。
1. 自分の参加目的と目標を明確にする

あの会議は何だったのだろうか? 何のために自分が呼ばれたのかわからない。
などと会議が無駄だと愚痴っていませんか?
主催者も司会者も自分では有意義な会議だと思っている人達なので、このままでは改善されることはありません。
本来は、会議が開催される前に、会議案内状「アジェンダ」が配られるのです。
アジェンダが会議の1週間前まで(会議の規模や頻度にもよるが事前配布が基本)に配布されないことが、会議が無駄だといわれる原因の1つです。さらにこの「アジェンダ」に会議の開催目的と目標を明確にされていないから、あの会議はなんだったんだろう? という残念な会議だったということになるのです。
アジェンダが配布されなければ、自らが主催者にアジェンダの催促をしましょう。
毎回催促することで、催促されなくても配布するように主催者・司会者を育成しましょう。あなたが、できない人達を育てることで会議を成功へと導けるのです。
さらに、アジェンダに会議の「目的」と「目標」が明確に書いていなければ、確認が必要です。
会議参加者として自分なりにも、「何のために会議に参加するのか?」という「目的」と「会議が終わったとき、どうなっているのか?」という「目標」を明確にすることです。
そうすれば、会議が無駄な時間にはなりません。
主催者側だけではなく、自分が会議に参加する「目的」と「目標」を明確にしましょう。
2. 開始時間の5分前には席につく

会議の主催者や司会者が遅刻してはいけませんよね? でも、現実では遅れてくることも多いもの。
さらに参加者は、主催者じゃないから、ギリギリの時間で会場に着いてもいいという発想が、会議の開催時間を遅らせてしまうのです。
開始が遅れると、次の会議は「遅刻しても平気」「どうせ開催が遅いから」とさらに遅れる人が増えます。そんなことを続けていると会議でなくとも遅刻常習者になっているはずです。
特に仕事のできない地位役職が上の人ほど、遅刻をしがちというのも問題です。
もしかしたら遅れることで権威を示したいのかもしれません。遅刻をしても許されるほどの人物だと本人だけが思い込んでいるのかもしれません…。
他の人はどうであれ、主催者が会議の開催時間を遅らせないようにするためにも、会議開催の5分前には率先して会場に到着しておきましょう。
3. 賛否をすぐに決めずに多面的に観察する

物事をすぐに賛否だけで決めてしまうのであれば、会議の必要がありません。
最初に賛成反対を決めてしまって、判断を誤ってしまうのです。
例えば、高額なものを購入するときいろんな面を見て考えませんか?
家を購入するとき、予算やローンのこと。立地条件や通勤通学での視点。さらに、建設業者や販売店、家の向き、間取りなど、いろいろな視点で考えて決めるはず。
会議でも同じこと。誰かの意見を、賛否で決める前に、しっかり多面的な視点で考えてから、賛成か反対を決めましょう。
司会者から、提案された意見について賛否を聞かれたら、全員でプラス面、マイナス面、その策を参加者から聞く提案をすることをオススメします。
司会者が会議をうまく活用できていないなら、参加者として会議を成功へと導く協力が必要なのです。
4. 発言するときは、ポイントを3つに絞る

個々の発言を改善することで、会議の質も高くなります。
人の話には、話が長く、何が言いたいの?と思うのに、自分のことには気づいていない人が多いのも現実。まずは、自分から改善をしましょう。
いつ話が終わるのだろうと思うほど、一人演説をしてしまう人も多い無駄な会議。
制限時間を超えて、一人演説をする人は、話がまとまらないから長くなり、時間管理もできない人と思ってください。
こういう厄介な人をなんとかしたくても、司会者がどうにも仕切れなければ、自分が周囲にお手本をみせるしかないのです。
たくさん話したくても、発言は3つに絞りましょう。
聞き手が聞ける限界、記憶に残る限界は3つまで。もちろん少なければ少ないほどよいのです。当然のことながら、結論から最初に話すのです。この最初しか、聞けない人もいますから。
話の短さを強調して周囲を巻き込むことが重要です。
5. 発言は自信をもって言い切る

自信のない人の“思い”より、自信のある人の“意見”に人は動きます。
会議中このように、自分の思いをつらつらと語る人がほとんど。
「私は、サイトのリニューアルを提案したいと思います。
サイトをリニューアルするプラス面は、お客様により使いやすい会員ページを提供できるようになると思うからです。
今のサイトは画像処理に時間がかかり、ページが開きにくいというお声がとても多いように思います」
自信のある人は、意見を言い切ります。
「私は、サイトのリニューアルを提案します。サイトをリニューアルするプラス面は、お客様により使いやすい会員ページを提供できるようになるからです。今のサイトは画像処理に時間がかかり、ページが開きにくいというお声がとても多いのです」
言葉には、その人の本質が隠されています。自信のなさ“思います”は、無責任な気持ちから出てくる言葉であり、相手の心を動かしにくいのです。
では、なぜ“思います”を使うのか? それは、何か問題が起こったとき「私は自分の思いを話しただけです」と言い訳ができるからなのでしょう。
会議は、責任のある意見を言う場であって、無責任な思いを語る場ではないのです。
“思い”を語るのは飲み会でどうぞ。
6. 会議を通じて脳の活性化をする

会議の時間を有意義にするか無駄にするかは、あなた次第。
心構えの1で「自分の参加目的と目標を明確に!」と語ったように、会議を自分なりの能力開発の場にすればよいのです。
- 目的・目標の設定力を高める
- 話のまとめ方・話し方を磨く
- 周囲から自分の望む情報を聞きだす力を磨く
- 時間管理をする力を磨く など
相手に合わせて、話し方や速度を工夫したり、質問された時の答え方、人の意見の分析をしたり。
実は、会議はいくらでも脳を活性化させ自分を磨ける場なのです。
あなたの能力が磨かれたら、それをお手本に周囲も一緒に成長していくはず。
会議が無駄と感じるのは、自分が会議の時間を有効にしていないだけなのです。会議が成功するかどうかには、参加者としていくらでも協力できるものと覚えておいてください。
ぜひ、会議の成功を!
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