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厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンの職域接種について、使用している米モデルナ製ワクチンを瓶(1瓶=10回分)単位で廃棄した場合、企業名などを公表することを決めた。廃棄量を最小限に抑える狙いがある。他の企業などの参考となるよう、廃棄の経緯や原因、再発防止策についても示す。
ワクチンを保管する冷凍庫の故障や有効期限切れなどにより、ワクチンを瓶ごと廃棄せざるを得なくなった場合に公表する。瓶に異物が混入していたような場合は対象外とする。今後、同省のウェブサイトの職域接種のページで公表する。
大学を含めた職域接種は6月21日に本格的に始まった。7月18日時点で2090会場(うち大学は143か所)で計465万6445回の接種が行われている。
こうした中、関西大(大阪府吹田市)は、教職員や学生用のワクチンを医療用冷蔵庫に入れていたが、保存に必要な温度を上回り、2510回分を廃棄した。冷蔵庫の初期不良が原因だったという。
また、新潟県では、県職員分の職域接種会場である県立加茂病院(加茂市)で保管用冷凍庫の電源コードの接続部が緩み、1000回分を廃棄することにした。中外製薬(東京都中央区)でも同様に電源コードがつながっておらず、1600回分の廃棄を決めた。同社は定期的に温度を確認するなどの再発防止策を図るとしている。
同省は今月1日に改訂した職域接種の手引で、瓶単位で廃棄が生じた場合は速やかに報告するよう求めている。