〜社員の副業で困ったのは「副業先に転職されてしまった」「顧客を個人へ持っていかれてしまう」など〜
日本で唯一の総務専門誌『月刊総務』を発行する株式会社月刊総務(所在地:東京都千代田区、代表取締役:豊田健一)は、全国の総務担当者を対象に「副業に関する調査」を実施し、144名から回答を得ました。
【調査結果 概要】
- 副業制度がある企業は2割以下
- 7割以上が副業先での社員の労働時間を「把握していない」
- 副業人材を活用している企業は約1割
- 副業人材活用のメリットは「自社にないスキルを活用できる」「即戦力になる」「必要なときだけ人材を確保できる」など
- 副業人材活用の懸念は、「労働時間・給与管理の問題」「会社のノウハウや機密情報の流出」「マネジメントの不安」など
- 約8割の総務が自身の副業に意欲的
【調査結果 詳細】
副業制度がある企業は2割以下
会社で副業が認められているか尋ねたところ、「制度があり認められている」は19.4%にとどまり、「認められていない」が61.8%という結果になりました(n=144/全体)。
制度があり認められている:19.4%
制度はないが黙認されている:9.7%
認められていない:61.8%
把握できていない:9.0%
副業のメリット「収入アップ」「キャリアの幅が広がる」「人脈が広がる」など
副業にはどんなメリットがあると思うか尋ねたところ、「収入がアップする」が72.9%で最も多く、「キャリア形成の幅が広がる」が58.3%、「人脈が広がる」が52.8%と続きました(n=144/全体)。
収入がアップする:72.9%
キャリア形成の幅が広がる:58.3%
人脈が広がる:52.8%
スキルが向上する:48.6%
ビジネスチャンスが生まれる:30.6%
社員満足度が向上する:29.2%
ワーク・ライフ・バランスが向上する:29.2%
イノベーションの創出につながる:25.0%
人の採用がしやすくなる:16.0%
エンゲージメントが向上する:11.8%
会社のイメージが良くなる:6.9%
生産性が向上する:5.6%
人件費が抑えられる:4.9%
メリットはない:1.4%
その他:1.4%
副業のデメリットは「過重労働になる」が最多
副業にはどんなデメリットがあると思うか尋ねたところ、「過重労働になる」が78.5%で最も多い回答を得ました(n=144/全体)。
過重労働になる:78.5%
社員の生産性が下がる:45.8%
会社のノウハウや機密情報が流出する:42.4%
社員が副業先に転職してしまう:42.4%
デメリットはない:4.9%
その他:6.3%
<その他/一部抜粋>
・労務管理が複雑になる
・本業がおろそかになる
<社員の副業で困ったエピソード/一部抜粋>
・副業先に転職されてしまった
・顧客をそのまま個人へ持っていかれてしまう
・副業先の就業時間が決まっているので、残業が出来ない
7割以上が副業先での社員の労働時間を「把握していない」
副業先での社員の労働時間を把握しているか尋ねたところ、「把握している」が28.6%、「把握していない」が71.4%という結果になりました(n=28/副業制度のある企業)。
副業人材を活用している企業は約1割
副業人材を活用しているか尋ねたところ、「活用している」が11.1%、「活用していない」が88.9%という結果になりました(n=144/全体)。
どんな職種で副業人材を活用しているか尋ねたところ、「経営管理」「営業」「マーケティング」「その他専門職」などの回答がありました。(n=16/副業人材を活用している企業)
今後、どんな職種で副業人材を活用してみたいか尋ねたところ、「IT・システム」が31.9%で最も多く、「マーケティング」が25.7%と続きました。「活用したくない」は20.1%という結果になりました(n=144/全体)。
副業人材活用メリットは「自社にないスキルを活用できる」「即戦力になる」「必要なときだけ人材を確保できる」など
副業人材を活用するメリットはなんだと思うか尋ねたところ、「自社にないスキルを活用できる」が63.9%で最も多く、「即戦力になる」が48.6%、「必要なときだけ人材を確保できる」が47.2%と続きました(n=144/全体)。
自社にないスキルを活用できる:63.9%
即戦力になる:48.6%
必要なときだけ人材を確保できる:47.2%
人件費を抑えられる:27.1%
イノベーションの創出につながる:25.0%
社員の負担を軽減できる:22.2%
生産性が上がる:20.8%
採用のミスマッチを軽減できる:17.4%
ビジネスチャンスが生まれる:17.4%
周りの社員のモチベーションが上がる:8.4%
会社のイメージが良くなる:3.5%
社員満足度が向上する:2.8%
メリットはない:10.4%
その他:2.8%
副業人材活用の懸念は、「労働時間・給与管理の問題」「会社のノウハウや機密情報の流出」「マネジメントの不安」など
副業人材を活用する懸念点はあるか尋ねたところ、「労働時間・給与管理の問題」が65.3%で最も多く、「会社のノウハウや機密情報の流出」が62.5%、「マネジメントの不安」が47.2%と続きました(n=144/全体)。
労働時間・給与管理の問題:65.3%
会社のノウハウや機密情報の流出:62.5%
マネジメントの不安:47.2%
活用のノウハウがない:38.2%
労災の問題:34.7%
費用対効果が不明:29.9%
社員以外の会社への立ち入りの影響:29.2%
会社の秩序が乱れる:27.8%
人材の見つけ方がわからない:20.8%
懸念点はない:0.0%
その他:1.4%
約8割の総務が自身の副業に意欲的
総務として働きながら副業をしたことがあるか尋ねたところ、「現在している」が8.5%、「過去にしたことがある」が4.9%、「したことはない」が86.6%という結果になりました(n=142/有効回答)。
<どんな副業をしているか/一部抜粋>
・中小企業診断士
・社会保険労務士
・FP業
・不動産投資
今後、副業をしてみたいと思うか尋ねたところ、「とてもしてみたい」が31.9%、「ややしたい」が47.9%、「全くしたくない」が20.1%という結果になりました(n=144/全体)。
<どんな副業をしてみたいか/一部抜粋>
・総務系コンサルティング
・地域等での社会貢献活動、カウンセラー業務
・マーケットリサーチ
・イベント企画
・データ入力、Webデザイン
総評
今回の調査では、副業制度のある企業は2割以下、副業人材を活用している企業は約1割と、副業の実施率はまだ低いといえることがわかりました。副業の容認及び副業人材の受け入れはこれから進んでいくと考えられますが、気になったのが「7割以上が副業先での社員の労働時間を把握していない」という調査結果です。労働基準法で労働時間の通算ルールが定められています。こういった副業にまつわる労務管理については、総務が把握することが求められます。
また、本業で総務として働く人自身も、副業をしたいという意欲が高いことがわかりました。本業のスキルを生かした業務の他、本業とは全く違う業種・職種を経験したいという声も多くありました。
働き方の多様化において、副業の注目はより高まっていくでしょう。『月刊総務』では、総務のキャリアの多様性も取材していきたいと考えています。ロールモデルとなる事例がございましたら、ぜひ編集部まで情報をお寄せください。
株式会社月刊総務 代表取締役社長 豊田 健一 プロフィール
株式会社月刊総務 代表取締役社長
戦略総務研究所 所長
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。現在は、戦略総務研究所所長、(一社)ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム(FOSC)の副代表理事として、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。著書に『経営を強くする戦略総務』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
※「働き方」「リモートワーク・テレワーク」「総務関連全般」等についても取材可能です。
【調査概要】
調査名称:副業に関する調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間: 2021年8月16日〜8月23日
有効回答数:144件
※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります
■調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。
例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など
■『月刊総務』について
創刊58年の日本で唯一の総務専門誌。「すべての総務パーソンの心に、火を。」をキャッチフレーズとし、総務部門で働く人を中心に、幅広くビジネスパーソンに読んで役に立つ記事を提供。上場企業、大手事業会社、中堅・中小企業と、幅広い規模の企業に定期購読していただいております。(創刊:1963年6月/印刷部数:1万2,000部/定価:1,100円)
■株式会社月刊総務 会社概要
社名:株式会社月刊総務
代表:代表取締役 豊田健一
住所:〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 305号室
設立:2018年8月
事業内容:
・日本で唯一の総務・人事部門専門誌『月刊総務』の発行
・バックオフィス業務の「困った」を解決する「月刊総務オンライン」の運営
・「総務セミナー」「総務サロン」の主催
・働き方改革関連コンサルティング 等
URL:https://www.g-soumu.com/
▼月刊総務 代表 豊田健一への講演依頼・取材依頼等はこちら
株式会社月刊総務 広報担当
pr@g-soumu.jp
記事引用:PR TIMES「副業制度がある企業は2割以下。うち7割以上が副業先での社員の労働時間を「把握していない」。約8割の総務が自身の副業に意欲的」