調査結果詳細
アルバイト・パート職希望者のほうが、社員職希望者よりも苦戦している傾向。
●コロナ禍が仕事探しに及ぼした影響は、アルバイト・パート職希望者、社員職希望者で異なる傾向。
◦ネガティブな影響を受けたのは全体の73.9%。影響を受けた内容として、アルバイト・パート職希望者は「応募条件や選考が厳しくなり、仕事が決まりにくくなった」(19.4%)が最多。社員職希望者は「業界の先行きが不安になり、憂鬱な気持ちで仕事探しをすることになった」(28.3%)が最多。
◦ポジティブな影響を受けたのは全体の62.2%。影響を受けた内容として、アルバイト・パート職希望者は「在宅時間で自分のキャリアと向き合えた」(22.7%)が最多。社員職希望者は「面接等のオンライン化により時間が節約され、複数の企業に応募しやすくなった」(23.9%)が最多。
それでは、コロナ禍は仕事探しにどのような影響を及ぼしたのでしょうか。ネガティブな影響、ポジティブな影響をそれぞれ尋ねました。その結果、何かしらネガティブな影響を受けたと回答した人は全体の73.9%に、ポジティブな影響を受けたと回答した人は全体の62.2%にのぼりました。また、特にネガティブな影響についてアルバイト・パート職希望者と、社員職希望者では受けた影響に異なる傾向があることがわかりました。
ネガティブな影響をみると、アルバイト・パート職希望者の1位は「特にない」36.3%、2位「企業・団体側の応募条件や選考が厳しくなり、仕事が決まりにくくなった」19.4%、3位「ニューノーマル時代において、どんな仕事に就くと良いのか分からなくなってきた」18.8%という結果でした。
一方で社員職希望者では、1位「業界の先行きが不安になり、憂鬱な気持ちで仕事探しをすることになった」28.3%、2位「企業・団体側の応募条件や選考が厳しくなり、仕事が決まりにくくなった」27.8%、3位「仕事探しそのものが急務となり、ゆっくり仕事を選んでいられない状況になった」22.2%という結果でした。コロナ禍によって、仕事探しに対する心理的なストレスが大きくなっている様子が見受けられます。
一方、ポジティブな影響をみると、アルバイト・パート職希望者・社員職希望者ともに1位は「特にない」でそれぞれ45.2%、34.0%でした。
2位以降の結果を見ると、アルバイト・パート職希望者は、「在宅時間が増え、自分の今後のキャリアについてじっくり考えることができた」22.7%、「オンラインによる採用説明会や面接が増えたことで、遠方からでも参加・応募できる企業・団体が増えた」14.3%と続きます。
一方で、社員職希望者では、「オンラインによる採用説明会や面接が増え、その分時間の節約になり、複数の企業・団体へ応募しやすくなった」23.9%、「在宅時間が増え、自分の今後のキャリアについてじっくり考えることができた」22.9%と続きます。
アルバイト・パート・社員などの雇用形態に関わらず、採用のオンライン化の浸透によるポジティブな側面があることがわかりました。
●就職・転職活動の過程で、オンライン面接を経験した人は50.5%にのぼる。社員職希望者のほうがアルバイト・パート職希望者よりもオンライン面接経験者が多く、社員職の採用でよりオンライン面接ツールの導入が進んでいる様子。
それでは、就職・転職活動におけるオンライン化はどの程度進んでいるのでしょうか。採用面接がオンラインと対面のどちらで実施されたかを尋ねました。その結果、最終面接以外の面接でオンライン面接を経験した人は50.5%、最終面接でオンライン面接を経験した人は35.1%という結果でした。求職者の半数以上がオンライン面接を経験していることがわかりました。
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応募した企業から連絡が来るまでの待ち時間が非常に長い場合にも、74.9%の求職者がストレスに。
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●アルバイト・パート職希望者の43.5%が、手書きのほうが企業に与える印象が良くなると感じている。
それでは、なぜアルバイト・パート職希望者は履歴書・職務経歴書など応募書類を手書きで作成する人が多いのでしょうか。アルバイト・パート職希望者では、「手書きのほうが企業に与える印象が良くなる」と感じている人が43.5%と、社員職希望者の28.1%と比べ非常に高いことがわかりました。
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一方で、Indeedが行った、「採用担当者の業務実態」に関する調査※1では、アルバイト・パート採用において手書きのほうが印象が良いと回答した採用担当者は27.9%にとどまっており(PC作成のほうが印象が良いと回答した採用担当者は31.4%、手書きとPC作成のどちらでも印象が変わらない人が40.7%)、求職者と採用担当者との考えにギャップがあることが明らかとなりました。
調査結果に対する有識者コメント:株式会社人材研究所 曽和 利光氏
今回の調査であらためてコロナ禍によって求職者が心理的な不安を持っていることがわかりました。この心理的な不安は就職や転職、アルバイト・パート探しにおいて応募する社数を増やすことにつながります。企業側からみれば応募者の増加になるわけですが、最終的に応募者は1社にしか入社をしないため、何も工夫しなければ辞退率も同時に増加することにもなりかねません。
採用に取り組む企業側は、これを避けるために、せっかく応募していただいた候補者が負荷やストレスを感じないように、採用プロセスを再設計する必要があるでしょう。
まず、調査にもあるように、応募した後に企業からの返信が遅いとストレスを感じて辞退にもつながるため、書類選考や日程調整などをスピーディに遂行できるように、ITを用いた仕組み化が有効です。また、オンライン採用もかなり浸透しているということなので、希望者には対面だけでなくオンラインでの対応ができるようにし、交通費や移動時間などの負荷をなくすとよいでしょう。
また、履歴書などの応募書類において、アルバイト・パート職希望者と社員職希望者で結果が分かれたことは興味深く、検討すべき結果です。現時点では社員に比べ、アルバイト・パート希望者のほうが多く「手書き」で作成しているとの結果です。かつ「手書き」の印象がよいと考えている求職者が多いという結果が出ていますが、採用側はそれほど「手書き」が印象がよいということはありません。
私はこの結果を、アルバイト・パート採用をする側の体制がまだ完全には整っていないことが影響だと考えます。基本的にデジタル化した方が応募者側も楽なはずですし、実際、書類を提出するのが面倒で辞退をするというような調査結果もあります。企業・応募者双方の観点からみて応募書類のデジタル化はさらに促進すべきでしょう。もしくは、応募書類自体を簡素化したり、持参不要で面接時に記述してもらったりするなどの工夫も有効であると思います。
一方で求職者側は、「手書き」を意識するあまり逆に面倒になって応募しそこねるのではなく、デジタルデータでも、PCで作った履歴書でもあまり問題ないことを理解した上で、たくさんの応募を行なって自分のチャンスを増やしていくことを意識すると良いでしょう。
【有識者プロフィール】
曽和 利光(そわ としみつ)
株式会社 人材研究所代表取締役社長
愛知県豊田市生まれ、関西育ち。灘高等学校、京都大学教育学部教育心理学科。リクルート、ライフネット生命などで採用や人事の責任者を務める。その後、人事コンサルティング会社人材研究所を設立。日系大手企業から外資系企業、メガベンチャー、老舗企業、中小・スタートアップ、官公庁等、多くの組織に向けて人事や採用についてのコンサルティングや研修、講演、執筆活動を行っている。著書に「人事と採用のセオリー」「人と組織のマネジメントバイアス」「できる人事とダメ人事の習慣」「コミュ障のための面接マニュアル」「悪人の作った会社はなぜ伸びるのか?」他。
■調査概要
<就職・転職活動のストレスや課題に関する調査>
・調査主体:Indeed Japan株式会社
・調査対象:現在積極的に仕事探しを行っている16~69歳の男女1,240名
・割付方法:性年代と仕事探し(社員職希望/パート・アルバイト職希望)をそれぞれ掛け合わせてアンケートを回収。人口構成比およびスクリーニングの出現率に基づいてウエイトバック集計を実施。
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2021年10月22日~11月2日
Indeed について
Indeed Japan Press Room:https://jp.indeed.com/press/releases/20211221_1
記事引用:PR TIMES「Indeedが「就職・転職活動のストレスや課題」に関する調査を実施 求職者の3人に1人以上が、応募企業から連絡が来なかった経験あり コロナ禍が就職・転職活動にポジ・ネガ両面で及ぼした影響も明らかに」