階層別研修は96.6%の企業が実施。テーマ別研修は59.5%で、うち2020年以降に「ハラスメント研修」を行ったのは81.8%
民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股 宏)では、企業における人材育成施策や教育研修の実施状況について調査しました。回答のあった271社の集計結果がまとまりましたので紹介します。
○本記事は、下記URLのPDFから一部抜粋して作成しています。詳細はPDFをご確認ください。
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000087583.pdf
○本調査の詳細は、当研究所編集の『労政時報』第4082号(24. 8.9/ 8.23)で紹介します。
【調査結果のポイント】
1.実施する研修の種類
「階層別研修」は96.6%と大多数の企業が実施している[図表1]。次いで、「職種別・部門別研修」と「テーマ別研修」がともに59.5%で並び、「選抜型研修」(52.6%)、「選択型研修」(42.2%)と続く。
[図表1]教育研修(Off-JT)として実施する研修の種類(複数回答)
2.階層別研修の実施状況
対象別に階層別研修の実施状況(複数回答)を見ると、「新入社員研修」(97.7%)が最も多く、「新任管理職研修」(89.7%)も約9割の企業が実施している[図表2]。「中堅・リーダー社員研修」(78.9%)、「フォローアップ研修」(78.4%)も実施率は8割近い。
※[図表3]実施する階層別研修の組み合わせ(上位5パターン)はPDFを参照
[図表2]対象別に見た階層別研修の実施状況(複数回答)
3.テーマ別研修の実施状況
階層別研修等とは別に、特定の分野にテーマを絞って行う「テーマ別研修」として、2020年以降に実施したテーマ(複数回答)は、[図表4]のとおり。
実施率が最も高いのは、改正労働施策総合推進法によって大企業で2020年6月、中小企業で2022年4月に対策が義務化されたパワーハラスメントを含む「ハラスメント」で81.8%。
[図表4]2020年以降におけるテーマ別研修の実施状況(複数回答)
4.経営幹部育成と管理職候補育成
経営幹部育成の実施率が38.5%、管理職候補育成が46.5%であり、規模別に見ると、いずれも1000人以上では6割超(60.3%)に上る[図表5~6](※PDF参照)。
また、経営幹部育成と管理職候補育成のための研修等において、どのような能力やスキル、知識を扱うかを尋ね、両者の結果を比較したところ、最も差が顕著なのは、「経営戦略・事業戦略」で、経営幹部育成(90.3%)が管理職候補の育成(45.1%)を45.2ポイント上回っている[図表7]。
[図表7]経営幹部育成と管理職候補育成のための研修等で扱う能力等の比較
【調査・集計要領】
1.調査名
人材育成・教育研修に関するアンケート
2.調査対象
『労政時報』定期購読者向けサイト「WEB労政時報」の登録者から抽出した人事労務担当者2万1291人
3.調査期間
2024年5月22日~6月4日
4.調査方法
WEBによるアンケート
5.集計対象
調査対象のうち、回答のあった271社(1社1人)
【一般財団法人 労務行政研究所の概要】
1.設立 1930年7月(2013年4月、一般財団法人に移行)
2.理事長 猪股 宏
3.事業内容 ①人事労務の専門情報誌『労政時報』ならびにWEBコンテンツの編集
②人事・労務、労働関係実務図書の編集
③人事・労務管理に関する調査
4.所在地 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-6-21 住友不動産西五反田ビル3階
5.URL https://www.rosei.or.jp/
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引用:PR TIMES「人材育成・教育研修の最新実態」