新入社員意識調査(働く価値観編)

 

累計20,000社470万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り🄬」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所🄬は、2026年3月24日~5月6日の期間で、2026年度入社の新入社員3,849人を対象に意識調査を行いました。本リリースでは、「働く価値観」をテーマに調査・分析した結果を公表いたします。

背景

2026年度入社の新入社員は、コロナ禍やAIの急速な普及など大きな環境変化の中、学生時代を過ごしてきました。彼らは、対面コミュニケーションの機会の減少や、生活・学習スタイルの変化に加え、テクノロジーの進展により生活習慣そのものが変わっていく、「当たり前が覆る」状況を目の当たりにしてきた世代です。こうした経験から、不確実な未来を前提とした現実的な価値観が形成されている可能性があります。このような背景を踏まえ、本調査では、新入社員が「働くこと」に対してどのような価値観を持っているかを明らかにすべく、調査を実施しました。

調査結果の概要

  • 入社式後の気持ち「不安」がトップで約3割が回答。約2割は「緊張」で、4年間で過去最大の割合

  • 不安に感じること、「仕事についていけるか(仕事の難易度)」が6割超、4年連続1位

  • やりたい仕事「楽しくてやりがいのある仕事」66.8%と突出。2位の「自身の成長につながる仕事」は2020年度から約20ポイント減少、過去最低

  • 仕事で成し遂げたいこと、「安定した生活を送りたい」63.7%で1位。2位の「自分を成長させたい」は、2020年度から17.2ポイント減少し、過去最低

  • 労働時間、「定時に帰りたい」43.3%で1位、2024年度の48.4%を境に減少傾向

  • 20代の時間の使い方、「プライベート優先」が増加傾向、過去最大の19.1%

  • 頼まれごとをされたとき「断れない」「しばしば断れない」約7割が回答、2023年度から高止まり

  • 考察「成長意欲が低い新入社員をどう育成すべきか」

調査結果の詳細

1. 入社式後の気持ち「不安」がトップで約3割が回答。約2割は「緊張」で、4年間で過去最大の割合

初めに、2026年度の新入社員に対し、入社式を迎えた後の気持ちを聞きました。

結果、30.8%の新入社員が「不安」と回答し、最大の割合となりました。次に、「緊張」(22.7%)、「期待」(15.6%)と続きました(図1)。

次に、入社式後の気持ちを、過去3年間の新入社員の回答と比較したところ、全体を通じて大きな変化は見受けられず、「不安」の気持ちが4年間連続トップを維持する結果となりました。「緊張」の回答割合は昨年より微増し、4年間で最大の割合となりました(図2)。

2. 不安に感じること、「仕事についていけるか(仕事の難易度)」が6割超、4年連続1位

現時点で不安に感じることを質問したところ、「仕事についていけるか(仕事の難易度)」と回答した割合が60.6%で、最大の割合となりました。次に、「生活リズムや社会人としての考え方の習得」(48.5%)、「社会人の基礎的なマナーの習得」(39.3%)と続きました(図3)。

過去3年間の新入社員の回答を比較したところ、「仕事についていけるか(仕事の難易度)」が4年連続トップを維持する結果となりました。2位の「生活リズムや社会人としての考え方の習得」は、4年間で微増傾向にありました(図4)。

3. やりたい仕事「楽しくてやりがいのある仕事」66.8%と突出。2位の「自身の成長につながる仕事」は2020年度から約20ポイント減少、過去最低

今後どのような仕事をしていきたいかという質問では、「楽しくてやりがいのある仕事」が66.8%と突出する結果となりました(図5)。

2019年度からの新入社員の回答と比較したところ、「楽しくてやりがいのある仕事」が8年連続トップを維持。多少の増減はあるものの、全体的には横ばい傾向となりました。

              
一方で、「自身の成長につながる仕事」「人脈が広げられる仕事」「成果次第で給与が上がる仕事」は減少傾向にあり、特に「自身の成長につながる仕事」は、2020年度の57.7%をピークに20.1ポイント低下しました(図6)。

4. 仕事で成し遂げたいこと、「安定した生活を送りたい」63.7%で1位。2位の「自分を成長させたい」は、2020年度から17.2ポイント減少し、過去最低

仕事を通して成し遂げたいことは何かを質問したところ、「安定した生活を送りたい」が63.7%で1位となりました。この割合は、2019年度の54.3%から毎年増加傾向にありましたが、今年度は昨年度より1.9ポイント低下しました。

 

2位の「自分を成長させたい」(46.9%)は、2020年度の64.1%のピークを境に減少が続き、10年間で過去最低の割合となりました。

 

3位の「家族に恩返しをしたい」(43.7%)は2017年度には半数以上が回答したものの、2018年度から半数を割り、微減傾向にあります。

              
4位の「社会に貢献したい」(28.7%)は、2020年度に急伸し、30%前後の割合を維持しています(図7)。

5. 労働時間、「定時に帰りたい」43.3%で1位、2024年度の48.4%を境に減少傾向

今後3年間の労働時間に対する考えについて質問しました。結果、「定時に帰りたい」が43.3%で最大の割合となりました。しかし、その割合は、2024年度の48.4%をピークに減少傾向にあります。

 

一方で、「週に2~3回の残業まで」と回答した割合は2024年度から増加し、4割が回答しました(図8)。

6. 20代の時間の使い方、「プライベート優先」が増加傾向、過去最大の19.1%

20代の時間の使い方に対する質問では、「仕事とプライベート優先」が27.9%でトップとなりました。また、「プライベート優先」の割合は調査開始の2014年度以降、増加傾向にあり、過去最大の割合(19.1%)となりました。

              
一方で、「仕事とプライベートと自己投資をバランス良く」は減少傾向にあり、過去最少の割合(17.3%)となりました(図9)。

7. 頼まれごとをされたとき「断れない」「しばしば断れない」約7割が回答、2023年度から高止まり

最後に、人に頼まれたら断れるかどうか、対人行動に関する質問しました。

              
結果、「人に頼まれると断ることができない」(24.6%)、「断ろうと思っても断れないことがしばしばある」(49.5%)が、どちらも2023年度から高止まりする結果となりました(図10)。 

まとめ

本調査からは、2026年度入社の新入社員は不安を抱えながら社会人としての一歩を踏み出す中で、その価値観は従来とは少しずつ変化していることが明らかとなりました。

 

まず特徴的なのは、不安の中身です。新入社員の6割以上が「仕事についていけるか(仕事の難易度)」に不安を感じており、自分のスキルが企業から求められる水準に達しているかという、能力面に対する不安を抱く人が多くなりました。

 

また、仕事に求める価値観が徐々に変化している結果が見られました。やりたい仕事は「楽しくてやりがいのある仕事」が最多となる一方、「自身の成長につながる仕事」の割合は2020年度をピークに減少し、過去最低の割合となりました。仕事を通して成し遂げたいこととして「安定した生活」を重視する傾向は年々強まる一方、「自分を成長させたい」という回答割合は2020年度以降大幅に低下し続けています。これらの結果から、自己成長への追求よりも、安定性・やりがいを通じ、無理のない持続可能な働き方を重視する価値観へシフトしている様子が読み取れました。

 

働き方に対する価値観では、「定時に帰りたい」という志向が依然として高いものの2024年度をピークに減少。20代の時間の使い方として、「プライベート優先」が過去最高となった点が特徴的です。さらに、「仕事・プライベート・自己投資をバランス良く」という回答が減少していることから、自己研鑽への時間配分の優先度が後退している可能性も示唆されました。加えて、頼まれごとをされたときの対人行動に関する質問では、約7割が頼まれると断りづらいと感じており、役割や業務量が不明確な環境では仕事を抱え込みやすいリスクも内包していることが示唆されます。

考察 「成長意欲が低い新入社員をどう育成すべきか」

本調査より、今年の新入社員の6割以上が「仕事の難易度」に対して不安を抱えていることがわかりました。また、過去の新入社員と経年比較すると、仕事を通じた自己成長を重視する割合が年々低下していることが明らかになりました。近年はAIの進展により、誰でも一定レベルの成果物を生み出せる環境になったことから、成長意欲が高まりにくい状況が生まれているのも自然な流れといえるでしょう。加えて、売り手市場の中、今年の新入社員は就職活動が比較的順調に進んだ人が多い傾向もあり、成長に対する切迫感や貪欲さは相対的に弱まっている可能性があります。

 

一方、仕事を通じて成し遂げたいことに「社会に貢献したい」という意識を持った人は約3割おり、やりたい仕事では「やりがいのある仕事」を6割以上が求めていることがわかりました。

 

こうした点から、新入社員の間では「自分に負担をかけすぎず、社会とつながり、やりがいのある仕事に取り組みたい」という価値観が広がっていると推察されます。このような価値観を持つ新入社員に対して、企業が取り組むべき支援を2つの観点からご紹介します。

●「スキルの可視化」で自己成長を自分ごと化

AI時代、定型業務が減少する中、新入社員は成長の土台となる経験を積みにくくなっています。一方で、「判断」「決断」「実行」「協創」といった人間にしか担えない領域の重要性は増しており、企業はこれらの知識・スキルを分解したうえで、新入社員がどのタイミングでどの水準まで身につけるべきかを明確にし、段階的な成長ロードマップを提示することが必要でしょう。これにより、新入社員は将来の見通しを持ち、成長を「自分ごと」として捉えやすくなります。AIに代替できないスキルを身につける努力を続けることで、今後どのような時代の変化が到来したとしても、成長・活躍できる人材になれるでしょう。

●「上司の関わり方の“質”強化」で、成長の道筋を

成長を導くための上司の関わり方の「質」を強化することも重要です。新入社員の「仕事についていけるか(仕事の難易度)」という不安は「何をどこまで求められているのかがわからない」という不透明さから生じている可能性があります。そのため、上司から「何のための仕事か」「どのような影響をもたらすか」「どのような成長につながるか」といった意味づけを行ったり、期待や役割、評価基準を具体的に言語化して伝えたりすることで、新入社員も進むべき道が明確になるでしょう。

 

また、ピグマリオン効果*に基づき、適切な期待を伝えることも有効です。上司からの高い期待の伝達や肯定的なフィードバックは、新入社員の自己効力感を高め、主体的な行動や挑戦を促進するでしょう。そのためには、フィードバックは事実ベースで具体的に行い、評価においては目標水準を本人がイメージできるまで具体化することが求められます。

*ピグマリオン効果…アメリカの心理学者ローゼンタールが提唱。周囲(上司や教師)から期待されることで対象者(部下や生徒)の成績やパフォーマンスが向上する心理的現象。

 

このように、新入社員の価値観の変化を前提に、「身につけるべきスキルの可視化」と「上司の関わり方の質の強化」を意図的・計画的・継続的に行うことで、新入社員は成長を自分ごととして捉えられるようになり、主体性を高められるでしょう。

ALL DIFFERENT株式会社
事業開発推進本部 コンテンツマネジメント部 ユニットリーダー
宮澤 光輝(みやざわ・こうき)

東京大学卒業後、ALL DIFFERENT (旧トーマツ イノベーション/ラーニングエージェンシー)に入社。コンサルタントと研修講師を兼務し、サービスの企画・開発、研修講師育成、中堅~大企業に対して研修の企画・提案および実施などをはじめとした人材育成支援に従事。複数の全社プロジェクトでプロジェクトリーダーを担当。現在はサービスの企画・開発チームのリーダーとして、対面研修、オンライン研修などの新サービスの企画・開発、研修講師育成を担う。研修講師としては公開講座や企業内研修等で、OJT指導者向け、管理職向けの研修を中心に年間100回以上実施。

調査概要

調査対象者

当社が提供する新入社員研修に参加した 2026年度入社の新入社員

調査時期

2026年3月24日~5月6日

調査方法

Web・マークシート記入式、または自記式でのアンケート調査

サンプル数

3,849人

属性

(1)業種

農業,林業 24人(0.6%)

漁業 7人(0.2%)

鉱業,採石業,砂利採取業 5人(0.1%)

建設業 286人(7.4%)

製造業 652人(16.9%)

電気・ガス・熱供給・水道業 55人(1.4%)

情報通信業 808人(21.0%)

運輸業,郵便業 53人(1.4%)

卸売業,小売業 222人(5.8%)

金融業,保険業 140人(3.6%)

不動産業,物品賃貸業 101人(2.6%)

学術研究,専門・技術サービス業 287人(7.5%)

宿泊業,飲食サービス業 35人(0.9%)

生活関連サービス業,娯楽業 139人(3.6%)

教育,学習支援業 21人(0.5%)

医療,福祉 75人(1.9%)

複合サービス事業 126人(3.3%)

サービス業(他に分類されないもの)  284人(7.4%)

公務 14人(0.4%)

その他 437人(11.4%)

わからない 78人(2.0%)

 

(2)企業規模

~50人 211人(5.5%)

51人~100人 528人(13.7%)

101人~300人 1,417人(36.8%)

301人~1,000人 578人(15.0%)

1,001人~5,000人 689人(17.9%)

5,001人以上 228人(5.9%)

わからない 198人(5.1%)

*本調査を引用される際は【ラーニングイノベーション総合研究所「新入社員意識調査(働く価値観編)」】と明記ください

*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています

*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます

 

ラーニングイノベーション総合研究所

「人と組織の未来創り®」に関する様々な調査・研究活動を行っている当社研究機関。データに基づいた組織開発に関する解決策を提供。

ALL DIFFERENT株式会社

ALL DIFFERENT株式会社

組織開発・人材育成支援を手掛けるコンサルティング企業。
人材育成から、人事制度の構築、経営計画の策定、人材採用までの組織開発・人材育成の全領域を一貫して支援。

《沿革》
2006年 トーマツイノベーション株式会社として人材育成事業を開始し、業界初や特許取得のサービスを多数開発・提供
2019年 株式会社ラーニングエージェンシーとして、デロイトトーマツグループから独立
2024年 ALL DIFFERENT株式会社へ社名変更

■代表取締役社長 眞﨑 大輔
■本社所在地   
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-7-1
有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F
■支社      中部支社、関西支社
■人員数     333人(2026年4月1日時点)
■事業      
組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施
■サービス    
定額制集合研修「Biz CAMPUS Basic」/ライブオンライン研修「Biz CAMPUS Live」/ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」/ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」/IT技術習得支援サービス「IT CAMPUS」/デジタルスキル習得支援サービス「DX CAMPUS」/管理職アセスメント「Discover HR」「Competency Survey for Managers」/人事制度構築支援サービス「Empower HR」/経営計画策定支援サービス「Empower COMPASS」/転職支援・人材紹介サービス「Biz JOURNEY」/採用支援・人材紹介サービス「Biz TALENT Bridge」ほか
■URL       https://www.all-different.co.jp/corporate

\ALL DIFFERENT株式会社では事業拡大に伴い、採用活動にも力を入れています。/
新卒採用 https://newgraduates.all-different.co.jp/
中途採用 https://career.all-different.co.jp/

 

記事引用:PR TIMES「【26年卒 新入社員 約3,800人】仕事で成し遂げたいこと1位「生活の安定」63.7%。「自身の成長」は6年連続減少、過去最低。

 

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