日本のキャリア自信度は調査対象国の中で最も低く、大卒者はさらなる進学や資格取得を検討。キャリア計画の見直しでは社会的・環境への貢献を重視。

 

CFA協会(CFA Institute、本部: 米国バージニア州シャーロッツビル)は本日、日本の回答者1,000名を含む15の市場の18歳から25歳の現役大学生および新卒者15,000名以上を対象に実施した、キャリア展望に関する調査結果を発表しました。

 

日本の回答者中、キャリア見通しについて自信があると回答したのは43%と、調査対象となった世界の15の市場の中で最下位となりました。世界的に見ると、過半数の回答者(58%)は、新型コロナウイルスの影響を受けてもなお、将来のキャリアの見通しに自信を持っており、金融、医療、教育などの伝統的に安定した分野は、この不確実な時代を生き抜く大卒者にとって依然魅力的であると考えられています。

 

またコロナ禍でキャリアに対する認識や期待にも影響を与えています。日本の回答者の44%、世界の回答者の約半数(49%)が、新型コロナウイルスの流行以降、キャリアの見通し、希望、期待に関する認識が変わったと答えています。日本の回答者の多くは、新型コロナウイルスの世界的大流行が長期的なキャリアの見通しにマイナスの影響を与えた(42%)、あるいはキャリアに対する期待を見直すきっかけになった(40%)と答えています。

 

しかし、こうした全体的な懸念の一方で、日本の回答者の4分の3近く(72%)は、自分のキャリアの見通しは親の世代と同じかそれ以上に良くなっていると感じており、これは全世界の回答者(75%)と比べても遜色有りません。日本の回答者が将来のキャリアについて自信を持っている業界は、医療・科学(20%)、教育(20%)、販売・メディア・マーケティング(15%)、芸術・文化(15%)、IT・通信(13%)、金融(11%)などです。

 

CFA協会のアジア太平洋地域担当マネージング・ディレクター、ニック・ポラードは次のように述べています。「新型コロナウイルスが世界的に大流行する中で卒業してキャリアをスタートさせるには、即戦力となるための考え方の転換が必要です。新卒者の中には、現在の雇用市場に飛び込む準備や意思がない人もいますが、皮肉にも、ハイブリッドな職場、ビデオ会議、リモートでの変則勤務などのニューノーマルに適しているであろう人もいます。当分の間、雇用市場は多かれ少なかれ歪んだ状態が続くと思われますが、適応性と柔軟性があり、いつでも転換できるスキルセットを身につけることに価値があることは明らかです。

不安定な雇用市場ではさらなる教育が鍵に

回答者は、現在の複雑な雇用市場にアプローチする上で、さらなる教育に価値を見出しており、在学中や卒業後に仕事に関連するスキルを身につけることが最大の関心事となっています。日本の回答者の半数近く(46%)、世界の回答者の半数以上(57%)が、学位取得のために勉強したことでキャリアの見通しが良くなったと感じています。

 

日本の回答者の8割近く(79%)が、現在の雇用市場ではスキルアップや大学院での資格取得が重要であると感じており、半数近く(47%)が、大学院での資格や専門的な認定を受けることで、仕事を探す際に有利になったり、より高い収入を確保できたりする(46%)と考えています。さらに、半数以上(52%)が、専門的な資格を持つことは収入の見通しや仕事の充実度、機会に大きな影響を与えると考えています。

 

「より多くの学生や新卒者が進学を選択するようになると、コロナ禍によって、結果的により高度なスキルを持った労働力が生み出されることになるかもしれません。高等教育機関や資格認定機関は、この需要に応えるため、大卒者が専門的なスキルを高め、就職の可能性を高めることができるようなサービスを提供する必要があります」とポラードは述べています。

大卒者は社会へのポジティブな影響を志向

社会や環境に積極的に貢献する業界で働くことは、学生や新卒者にとって非常に重要なことであり、全世界の回答者の9割近く(87%)、日本の回答者の4分の3以上(78%)が、キャリア選択の重要な要素であると答えています。

 

日本の回答者が社会や環境にポジティブな貢献ができると考えているキャリアは、医師(24%)、看護師(19%)、教師(16%)、公務員(15%)、科学者(15%)など、医療や公共の分野です。懸念されるのは、環境や社会にポジティブな影響を与えることができる職業として、投資管理のキャリアを考えている回答者がわずか5%しかいないことです。この結果は、人材を確保するためには、投資業界でのキャリアがもたらすポジティブな影響について、学生に伝える努力が必要であることを示しています。

 

雇用主や働き方を評価する際、日本の回答者が雇用主に求める最も重要な福利厚生は、給料が良いこと(28%)、充実した休暇手当(27%)、充実した年金拠出(22%)、柔軟な労働時間(22%)、リモートワークの選択肢(20%)などです。勤務地の希望については、出社とリモートワークの選択を完全にフレキシブルにする(29%)、都市圏でのオフィス勤務に戻る(21%)、海外で働けるようにする(20%)、都市の主要オフィスから離れた場所に住めるようにする(19%)などの回答がありました。

<調査内容について>

本調査はCensuswide社によって実施され、学士号以上の学位を取得するために在学している学生、または過去3年以内に学士号以上の学位を取得して卒業した学生の計15,186名を対象にしています。

 

回答者の国籍は、英国、米国、日本、カナダ、インド、オーストラリア、シンガポール、香港特別行政区、アラブ首長国連邦、ドイツ、南アフリカ、スペイン、フランス、ブラジル、メキシコとなっています。

Graduate Outlook調査の全結果は、以下のリンクにてご覧いただけます。(英語)
https://www.cfainstitute.org/-/media/documents/survey/Graduate-Outlook-Survey-2021.ashx

 

<CFA協会について>

CFA協会(CFA Institute)は投資専門職の卓越性と資質の基準を設定する投資専門家の世界的な団体です。

 

当協会は投資市場における倫理的行動の推進者であり、世界の金融業界における知識の発信者として高く評価されています。私たちは、投資家の利益が最優先され、市場が最高の機能を発揮し、経済が成長する環境を作ることを目指しています。CFA協会は世界160を超える国と地域に175,000 人を超える会員を有し、世界9か所のオフィスに160のメンバーソサエティが所属しています。

 

詳しくはhttp://www.cfainstitute.org、またはLinkedInやTwitter(@CFAInstitute)をご覧ください。

 

<日本CFA協会について>

日本CFA協会は、日本におけるCFA資格者や受験者に対して、専門知識の向上と相互交流の場を提供する非営利組織です。

 

倫理規範および職業行為基準、資産運用や調査に関する専門能力の向上と普及をめざし、会員向けに金融市場、財務会計、経済動向などをテーマとした講演会、セミナー、勉強会などを開催しています。また会員相互間の交流会なども行なっています。

 

 

記事引用:PR TIMES「CFA協会、新型コロナウイルスによる日本の大学生、および新卒者のキャリアの選択肢見直し実態を明らかに

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