パワハラ相談後、約8割は改善したと回答したものの…?
 
株式会社マイシェルパ(本社所在地:大阪府大阪市、代表取締役:松本 良平)は、企業の経営者と人事担当者を対象に、「パワハラ防止法適用後の課題」に関する調査を実施しました。
中小企業にも「改正労働施策総合推進法(以下、パワハラ防止法)」が義務化されて数ヶ月が経ちました。
既に多くの企業で相談窓口の設置や社員研修といった「パワハラ防止対策」が講じられていることでしょう。
 
パワハラ防止法には、現実に生じている場合だけでなく、発生のおそれがある場合やパワハラに該当するか否か微妙な場合でも広く相談に対応すること、という記述があります。
相談窓口の担当者についても、相談を受けた場合の対応について研修を受けたうえ、マニュアルに基づいた対応や相談内容や状況に応じて人事部との連携を図る仕組みを作るように求められています。
(参考:厚生労働省pdf.ファイル「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!」 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000611025.pdf
 
しかし、実際はどうなっているのでしょう?
相談窓口を設置したもののパワハラの改善ができていないという企業や、中にはまだ社内に相談窓口を設置していない企業もあるかもしれません。
 
社内に相談窓口を設置後、職場にどのような変化があったのでしょうか。
改善しなかった場合、どのような理由があったのでしょうか。
 
そこで今回、精神科医がつくるオンラインカウンセリング『マイシェルパ』(https://my-sherpa.jp/)を運営する株式会社マイシェルパは、企業の経営者と人事担当者を対象に、「パワハラ防止法適用後の課題」に関する調査を実施しました。
 
前回調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000073210.html)と比較してどのような違いが生じているのでしょうか。
 

パワハラの相談窓口を設置している企業の割合は?

今回の調査対象者の内訳は、下記の通りとなりました。

 

『サービス(17.6%)』『不動産・建設・設備(11.8%)』『メーカー(素材・食品・医薬品他)(11.2%)』『IT・通信・インターネット(11.0%)』『メーカー(機械・電気・電子)(10.5%)』『運輸・交通・物流・倉庫(6.8%)』『流通・小売(6.1%)』

 

『25名~50名(24.0%)』『51名~100名(25.8%)』『101名~150名(9.5%)』『151名~200名(5.6%)』『201名~300名(6.1%)』『301名~500名(5.2%)』『501名~1,000名(7.3%)』『1,001名以上(16.5%)』

 

それまで、中小企業に対しては努力義務であったパワハラ防止法ですが、2022年4月からは大企業と同じく、ハラスメントの防止・対策を行うことが義務化されました。

 

前回調査によると、52.0%が「パワハラの相談窓口を設けていない」と回答しましたが、今回どのように変化したのでしょうか。
また、各企業の従業員規模とパワハラ対策(相談窓口の設置状況)には、どのような関連性があるのでしょうか。

そこで、「パワハラの相談窓口を設けていますか?※2022年4月から中小企業にもパワハラ防止法が適用」と質問したところ、従業員の規模別の結果は下記の通りとなりました。

 

従業員規模25名~100名社内に設けている(47.4%)』『社外に設けている(19.2%)』『設けていない(33.4%)
従業員規模101名以上社内に設けている(77.8%)』『社外に設けている(11.3%)』『設けていない(10.9%)

 

従業員の規模が101名を超える企業では、約8割が社内にパワハラ相談窓口を設けているのに対して、100名以下の企業では5割を下回りました。
また、相談窓口を設けていないと回答した割合についても、前回調査と比較すると減少したものの、従業員の規模が101名を超える企業では1割程度でしたが、100名以下の企業では3割以上が設置していないことが明らかになりました。

 

社内に相談窓口を設置することの難しさ、社外に相談窓口を設置することのメリットは?

全ての企業にパワハラ防止法が適用となって数ヶ月。
社内に相談窓口を設けている企業と、社外に相談窓口を設けている企業があるようです。
では、パワハラ防止法が適用となる前と後とで、それぞれ課題感や実際に導入して感じているメリット部分はどのように変化したのでしょうか。

 

そこで、前の質問で『社内にパワハラ相談窓口を設けている』と回答した方に、「社内にパワハラ相談窓口を設置してみて、どのような課題感を感じていますか?(複数回答可)※キーマン=影響力のある人材や、社内で期待されている人材のこと」と質問したところ、『相談者の情報が社内に漏れる(34.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『行為者が役職者・年長者・キーマンで、指導が難しい(30.6%)』『担当者の負担が増える(28.3%)』『相談者が不利益になる(28.1%)』『行為者の情報が社内に漏れる(19.7%)』と続きました。

 

前回調査では、「相談者の情報が社内に漏れる」と回答したのは43.6%と最多でした。
数値は減少したものの、やはり社内に情報が漏れてしまうことに課題を感じているようです。
一方、前回調査では、「相談者が不利益になる」と回答したのは37.5%と2番目に多くみられましたが、今回の調査では、「行為者が役職者・年長者・キーマンで、指導が難しい」「担当者の負担が増える」がそれを上回りました。

 

では、社内窓口を設置した企業も含めて、“社外に”パワハラ相談窓口を設置することに対する考え方は、どのように変化したのでしょうか。

 

続いて、「社外にパワハラ相談窓口を導入することで、どのようなメリットがあると思いますか?(上位3つ迄)」と質問したところ、『専門のカウンセラーに任せられる(42.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『第三者機関なので相談しやすい(41.6%)』『役職者・年長者・キーマンにも指導してくれる(33.7%)』『担当者の負担が大幅に軽減される(25.5%)』『外部機関なのでプライバシーが遵守される(22.8%)』と続きました。

 

前回調査の回答結果に比べると、その内容にあまり変化はありませんでしたが、「役職者や年長者、キーマンにも指導してくれる」が「担当者の負担が大幅に軽減される」を抜いて3番目に多い回答結果となりました。

 

パワハラを確認したらどうすべき?解決しないケースは?

社外に相談窓口を設けることでメリットは多くありそうですが、実際には、従業員規模が25~100名の企業では19.2%、従業員規模が101名以上の企業では11.3%と、社外に設けている企業は多いとはいえないようです。

 

では、社内に設けられた相談窓口は、パワハラに対してどのくらい機能しているのでしょうか。
ここからは、社内のパワハラ相談窓口にスポットを当てて調査を進めました。

 

「調査の結果パワハラの事実が確認された後、どのような動き(行為者への措置や被害者への援助)をとりましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『行為者の始末書提出、口頭注意など(38.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『行為者の配置転換・異動(32.3%)』『行為者の減給や降格(24.1%)』『被害者のメンタルヘルスケア(21.1%)』『弁護士や社会保険労務士への相談(19.2%)』『行為者の出勤停止・諭旨解雇・懲戒解雇(18.8%)』『行為者と被害者の話し合いの場を設ける(11.8%)』『個別労働紛争解決制度の斡旋手続きや労働審判の活用(8.8%)』『まだパワハラの事実が確認された事例がない(21.5%)』と続きました。

 

パワハラの事実が確認された後は、「行為者の始末書提出、口頭注意など」「行為者の配置転換・異動」「行為者の減給や降格」などを行っている企業が比較的多いことが分かりました。

こうした対処方法によって、どのくらいパワハラが解決したのでしょうか。

 

続いて、前の質問で『まだパワハラの事実が確認された事例がない』と回答した方以外に、「行動(被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助や措置)したことで、問題は解決しましたか?」と質問したところ、『はい(79.8%)』『いいえ(20.2%)』という回答結果になりました。

 

多くの企業で解決しているようですが、約2割は解決していないということも分かりました。
では、どのような理由があって解決しなかったのでしょうか。

 

そこで、前の質問で『いいえ』と回答した方に、「解決しなかった理由として近いものを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『行為者がパワハラをしている自覚がない(53.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『調査の結果、パワハラの事実はないと判定されたが、被害者がパワハラを感じている(28.9%)』『行為者が重要ポストにあるため異動などの措置ができなかった(21.4%)』『その後の被害者へのサポート(業務相談など)が不十分だった(19.5%)』『被害者を配置転換したが不服や不満があった(17.0%)』と続きました。

 

行為者がパワハラをしている自覚がない、被害者がパワハラではないのにパワハラだと感じているなどのケースは、専門家ではない社員が解決することは難しいかもしれません。
また、パワハラが認められた度に重要なポストにある社員を異動していては、業務が成り立たなくなる恐れがあることを懸念している様子も窺えます。

 

パワハラ相談窓口の課題点とは?被害者にはどんな援助をすべき?

ここまでの調査を振り返ってみて、当の相談窓口の担当者は、どのように感じているのでしょうか。
実際に相談を受けてみて、どのようなことに対して困難だと感じたのでしょうか。

そこで、先程の質問で『まだパワハラの事実が確認された事例がない』と回答した方以外に、「実際にパワハラの相談を受けてみて、どのようなことを困難だと感じましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『パワハラに該当するかの判断(42.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『機密の保持(36.0%)』『相談窓口を利用しやすい環境整備(29.3%)』『行為者の自覚・更生(27.5%)』『相談内容の確認(事実確認)(27.0%)』『役職者・年長者・キーマンである行為者への指導(27.0%)』と続きました。

 

パワハラ相談窓口の担当者は、相談を受けたケースがパワハラに該当するかの判断や相談者の機密保持、相談窓口を利用しやすい環境を整備することに負担を感じているようです。
社外にパワハラ相談窓口を設けることができれば、こうした担当者の負担は解消できそうですが、コスト面などの問題で難しい企業もあるかもしれません。

 

では最後に、今回の調査でご協力をいただいた方全員に、メンタルヘルスケアについて以下のような質問をしてみました。

 

「パワハラ加害者・被害者のメンタル面へのサポートのために、メンタルヘルスケアの専門家によるカウンセリングが効果的であることをご存じですか?」と質問したところ、『知っていた(60.1%)』『知らなかった(39.9%)』という回答結果になりました。

 

行為者が役職者や年長者など、社員だけで指導を行うことが難しい場合や、被害者の心のケアが必要になった場合は、こういったメンタルヘルスの専門家を頼ってみるのも良いのではないでしょうか。

 

【まとめ】社内相談窓口の課題は「役職者・年長者・キーマンの指導の難しさ」

今回の調査で、パワハラ防止法が適用される前と後で、中小企業の職場がどのように変化したのか明らかになりました。

 

パワハラ相談窓口を設置したことによって、約8割の企業がパワハラを解消することができた一方、「加害者がパワハラをしているという自覚がない」「パワハラと認定されなかったが被害者がパワハラを感じている」といった、社内相談窓口だけでは対応が困難なケースもあることが分かりました。
​被害者がパワハラを訴えることが難しいような場合でも、プロのカウンセリングを受けることでメンタル不調に陥っていくことを予防できる可能性は高いでしょう。

 

また、前回調査と比較すると「役職者や年長者、キーマンへの指導の難しさ」といった大きな課題があるということも分かりました。
重要ポストにある役員の異動や配置転換は、業務に差し障ることが多いため、パワハラの加害者となっても対処が難しいのが現状のようです。
あるいは、パワハラの加害者はメンタル面での課題を抱えている場合も少なくないため、カウンセリングを受けることで未然にパワハラを防ぐことができるかもしれません。

 

社内窓口で難しいというケースは多くはないようですが、パワハラに対応した外部機関も考えておくと、どのようなケースであろうが適切な対処ができるのではないでしょうか。

 

オンラインでできるカウンセリングサービス『マイシェルパ』

 

■オンラインカウンセリングサービス「マイシェルパ」について
「マイシェルパ」は、悩み・不安をお持ちの方、身体やメンタルの不調でお悩みの方たちにオンラインのカウンセリングをお届けするプラットフォームです。
確かな経験を持つ精神科専門医の監督のもと、全ての所属カウンセラーが臨床心理士あるいは公認心理師といった専門資格・知識を有しており、すべての人たちにプロフェッショナルによる信頼できるカウンセリングを届けることを信条としております。

 

URL: https://my-sherpa.jp/
カウンセリングの予約はコチラ!:https://my-sherpa.jp/#counselo

 

法人のお客様向けには、従業員の方々がご相談し放題の定額プランでご提供しており、カウンセリング費用が原因となって十分な回数のカウンセリングが受けられなくなる事態を避けられるためご好評をいただいております。
その結果、個人のお客様に加えて、SDGs・健康経営に対する意識が強く従業員の健康を重要視している多くの法人のお客様にもご活用いただいており、ご導入企業数はこの1年間で約25倍と急成長しております。

 

マイシェルパ法人プラン:https://kokoronokenko.jp/corporate-plan/

 

■株式会社マイシェルパ 代表者メッセージ
メンタルヘルスこそヘルスケアにおける最重要領域です。
なぜならば、先進国では疾患による損失コストの主要因がメンタルヘルスに由来するからです。
企業においても、メンタルヘルスは避けては通れない経営課題であることは、様々な経営指標からも明らかにされてきています。
一方で働く人々が仕事でストレスを感じても25%超が誰にも相談をしないまま過ごしています(令和2年厚労省調査)。
高まるニーズに対して、医療リソースは既に枯渇しており、またストレスチェックのサーベイも本質的解決には至りません。
マイシェルパは真に良質なカウンセリングを、あらゆるステージ・サイズの企業に届けることで、そこに働く人々のウェルビーイングの実現に寄与していきます。
将来的には、悩みを抱える全ての人々が気軽に専門家に相談できる世界を実現できるようなプラットフォームを目指します。

 

代表取締役 松本良平
(医学博士、精神科専門医、日本医師会認定産業医、京都府立医科大学客員講師)
2001年 京都府立医科大学卒業、同大学附属病院精神科にて研鑽を積む。
2007年 同大学大学院卒業。精神疾患の脳科学研究、認知行動療法に従事。精神科病院の院長、医療法人理事長等を歴任。
2016年 メンタルヘルス支援分野での起業を決意し、現在に至る。

 

■株式会社マイシェルパ:https://kokoronokenko.jp/
■TEL:06-6125-5317
■お問い合わせ:https://kokoronokenko.jp/contact/

調査概要:「パワハラ防止法適用後の課題」に関する調査

【調査期間】2022年7月6日(水)~2022年7月11日(月)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,005人(従業員規模①25名~100名の企業経営者250人、人事担当者250人 ②101名以上の企業経営者250人、人事担当者255人)
【調査対象】従業員規模25名以上の企業経営者と人事担当者
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
 

記事引用:PR TIMES「【社内相談窓口では難しい課題も?】約3割がパワハラに対する「役職者・年長者・影響力のある人材への指導が難しい」と回答

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