「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学(本社:東京都品川区、代表取締役社長:安藤広大)は、2023年1月6日(金)~11日(水)「管理職に関する調査」を行いました。
その結果、管理職になりたいと回答したのはわずか8.0%と低く、中でも女性は4.0%という結果に。管理職になりたくない理由は「出世欲がないから」が50.9%と最も高く、「責任が伴うから」50.0%、「仕事量が増えるから」42.6%と続きました。また、現在の日本では女性管理職の数も少なく、管理職になりたいという女性も少ない中、女性管理職を増やすためには何が必要かを聞いたところ、「子育てや介護などの両立支援」が54.7%と最も高い結果となりました。
管理職になりたいと思わせるか否かは、企業側の体制が大きく関わっているのではないでしょうか。
■調査背景
昨今、出世を望まない人が増えていると言われています。働き方が多様化し、仕事と私生活を両立させる「ライフワークバランス」という言葉も出てきていることから、仕事をするうえで、高みを目指さない、目指す必要のないと思う人が増えているのかもしれません。そこで今回は、全国の会社員で、管理職ではない方と現在管理職である方の両者を対象に、管理職になりたいか?なぜ管理職になりたくないか?また、管理職での苦労とそのやりがいをうかがい、管理職・非管理職それぞれの実態を調査しました。
■調査概要
調査機関:株式会社識学
調査対象:全国の従業員数10名以上の企業に勤める20歳~59歳の男女の会社員
現在管理職の方、もしくは現在管理職ではない方
有効回答数:300サンプル(管理職:150名/非管理職:150名)
調査期間:2023年1月6日(金)~1月11日(水)
調査方法:インターネット調査
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「株式会社識学が実施した調査結果によると……」
■調査結果トピックス ・管理職になりたくない人72.0% ・管理職になりたくない理由…「出世欲がないから」50.9%とトップ ・管理職での苦労…「部下の指導や育成」、「責任が重い」、「部下とのコミュニケーション」 ・女性管理職を増やすために必要なこと…「子育てや介護などの両立支援」がトップ |
Q1.【管理職ではない方】あなたは管理職になりたいと思いますか。
(単数回答、n=150)
現在管理職ではない方に「管理職になりたいか」聞いたところ、「なりたいと思う」と回答したのは8.0%で、「条件(給与面等)によってはなりたいと思う」が20.0%、「なりたいとは思わない」が72.0%となりました。男女別にみると、男性で管理職に「なりたいと思う」と回答したのは12.0%だったのに対し、女性はわずか4.0%でした。
さらに「子どもの有無」での内訳を見ると、子どもがいる方が管理職に「なりたいと思う」と回答したのは10.0%だったのに対し、子どもがいない方は6.3%という結果に。子どもがいるから頑張りたいというモチベーションが明確にある方の方が管理職になりたい傾向にあるようです。
Q2. 【管理職ではない方】あなたが管理職になりたくないと思う理由をお答えください。
(複数回答、n=108)
Q3. 【管理職ではない方】管理職になりたくない理由を具体的にお答えください。
(自由回答、n=108)
ではどんな理由があって管理職になりたくないのでしょうか。前問で「管理職になりたくない」と回答した方に、その理由を聞くと、「出世欲がないから」が50.9%と最も高く、次に「責任が伴うから」50.0%、「仕事量が増えるから」42.6%と続きました。
また「給与が伴わないから」は23.1%と、給与面が大きな理由ではないようで、「現状に満足しているから」が9.3%、「今やりたい仕事ができなくなるから」が7.4%と比較的低いように、出世することで今の仕事が出来なくなる、現場にいられなくなるといった理由でもなく、根本的に“出世をしたくない”という方が多いようです。次の設問「管理職になりたくない具体的な理由」を見ても、管理職になる自信がないという声も多く見られました。
【管理職になりたくない具体的な理由】
●性格的に向いていない。(女性、職種:研究・開発)
●人の上に立つ様な人間ではないし今のままがいい。(女性、職種:その他)
●出世意欲が無いから。(男性、職種:営業)
●管理職になるより家事とか家のことを大切にしたい。(女性、職種:事務・総務)
●待遇はたいして変わらないのに責任だけ増えるから。(女性、職種:事務・総務)
●残業手当がなくなると生活していけない。役職手当が10000円しかもらえないのに、月々の残業が80時間超えるのは生活だけでなく、体もボロボロになるから。体調を崩している上司も多い。(男性、職種:カスタマーサポート)
Q4. 【管理職の方】あなたが管理職の立場で苦労していることは何ですか。(複数回答、n=150)
一方、現在管理職の方に、管理職をする上での苦労を聞いたところ、「部下の指導や育成」が49.3%と最も高く、「責任が重い」が39.3%、「部下とのコミュニケーション」が36.7%、「上司と部下との板挟み」が34.0%と続きました。現在、管理職ではない方で上位だった「責任の重さ」ももちろんあるようですが、実際には上司や部下との“人間関係”が最も苦労しているようです。
また「特に苦労はしていない」15.3%と、苦労していない方も少なくないようでした。
Q5. 【管理職の方】あなたが管理職の立場でやりがいに思うことは何ですか。(複数回答、n=150)
「管理職」=苦労に耐える、そんなイメージが少なからずありますが、では「管理職のやりがい」は一体何なのでしょうか。管理職の方へ、そのやりがいについて聞いてみると、「やりたいことができること」38.0%と最も高く、「自分が成長できる」36.7%と続きました。前問の「管理職の苦労」で挙げられたのは“人間関係”でしたが、やりがいはやはり自分の自己実現に感じるようです。しかし、3位の「チームで成果をあげること」が36.0%と高いように、 “人間関係”の苦労はもちろんありますが、チームとして成し遂げることも大きなやりがいになるようです。それらは「給与が上がる」の29.3%よりも高いことから、“お金では得られないもの”がやりがいに感じるようです。
Q6. 【管理職の方】あなたは管理職として、自分の役割を果たすために十分な権限(※)があると感じますか。 ※権限とは、部下に戦略遂行を指示する権限や、部署内のルールを作る権限などのことを指します。(単数回答、n=150)
では管理者の方は、スムーズに業務を遂行できるような、部下に戦略遂行を指示するための権限や、部署内のルールを作る権限を与えられているのでしょうか。自分の役割を果たすために十分な権限があると感じているかを聞いたところ、権限があると「感じる(やや感じるも含む)」と回答したのは54.7%でした。これは約半数近くの管理者は、“権限”が十分にあると感じておらず、スムーズに業務を遂行出来ていないと言い換えることもできるでしょう。そのことで、傍から見た「管理職になりたくない方」は、管理職に対してよりネガティブな印象を持つのかもしれません。
Q7. 【全員】女性管理職を増やす社会全体の動きについて、あなたはどう思いますか。
(単数回答、n=300)
Q8. 【全員】上記のように回答した理由をお答えください。
(自由回答、n=108)
日本は国際的に女性管理職の割合が低いという現状があり、国として「女性活躍」を目標に掲げ女性管理職を増やす社会全体の動きがあります。そこで、女性管理職を増やす社会全体の動きについて、その賛否を聞いたところ、「賛成(やや賛成も含む)」59.0%、「どちらとも言えない」34.3%、「反対(やや反対も含む)」6.7%という結果となりました。多様性が叫ばれる昨今で、賛成以外の割合が多いような印象もありますが、次の設問の賛否の理由を紐解くと、賛成以外の方には、そもそも性別で区別することの意味を問うている方や、女性を管理職へ登用してもシステムが追いついていないといった声があり、根本から否定的な方は多くありませんでした。
【賛成の理由】
●人材は多い方が良い。(男性、職種:営業)
●性別で能力が低いというような風潮が払しょくできて好ましい。(女性、職種:事務・総務)
●女性同士でしかわからない話もあるから相談しやすくなる。(女性、職種:事務・総務)
【どちらとも言えない/反対の理由】
●性別にとらわれずにみんなが活躍できる社会が良いと思うので。(男性、職種:財務・会計・経理)
●有能であれば 男女は関係ない。(女性、職種:事務・総務)
●管理職を増やす=女性活躍とは思わない。(男性、職種:研究・開発)
●子育てもしなさい、働きなさい、活躍しなさいという割には共働きで子育てしても結局は女性がワンオペになるので、女性管理職は無理。しかし、女性管理職がいないと妊娠と子育ての体の辛さや気持ちがわからない欠点もある。(女性、職種:情報システム)
Q9. 【全員】あなたは女性の管理職を増やすために、何が必要だと思いますか。
(複数回答、n=300)
Q1で女性の管理職になりたいという割合が男性よりも低かったことから、やはり女性にとって管理職になることのハードルは男性よりも高いようです。このことを踏まえ、女性の管理職を増やすためには何が必要かを聞いたところ、「子育てや介護などの両立支援」が54.7%と最も高く、「女性が不利にならないような人事評価の方法」50.0%、「育休や在宅勤務などの社内制度を設ける」43.3%と続きました。
【調査結果まとめ】
今回の調査で、改めて“管理職になりたくない人”が多く存在することが分かりました。
その理由としては、そもそも「出世欲がない」や「責任が伴う」といった、企業側でのコントロールが難しい理由が多く挙げられました。しかし、一定以上の規模の会社を運営していく上で、管理職の存在は必須です。管理職不在では、主に以下の2つのことが起きてしまうからです。
①会社の目的に対してメンバーそれぞれが別々の方向に進んでしまう
②メンバーの成長を管理できず、個々の能力が上がらない
ではどうしたら「管理職になりたい人」を増やせるのでしょうか。
“管理職になりたくない人”の理由として上位に挙げられた「出世欲がない」(1位)や「責任が伴う」(2位)といった、個人の気持ちの部分を動かすことは大変難しいですが、「仕事量が増える」(3位)や、「管理職に向いていないと思う」(4位)といった理由は、企業の体制でコントロールできる可能性が高いでしょう。なぜなら、そもそも「仕事量が増える」や「管理職に向いていないと思う」は、今もしくは過去の上司の姿を想像した上での回答だと考えられるからです。例えばそれは、「今の上司は仕事が多いから、自分も上司になったら仕事が増えるだろう」や、「前の上司はムードメーカータイプだったから、タイプが違う自分には向いていないだろう」といったことが挙げられます。ですが、それらのことは「今の環境は変えられない」という前提の考えであり、錯覚である場合が多いです。
そういった錯覚をさせない為に、企業は「管理職とは、自分のチームの環境を変える権限を持つ」という大前提を社員に知らせる必要があります。
企業は、管理職に対し権限の中身(例えば「部下には自由にルールを設定してよい」「人事評価の項目を自由に決めてよい」「採用する人を決めてよい」など)を明示し、その中で会社のルールの範囲内であれば、管理職の仕事の“やり方”に対して、企業は口出ししないこと(例えば、「同じ結果を出していれば、熱心に遅くまで残業しているA部長と、毎日ほぼ定時で帰宅するB部長を平等に評価する」など)も重要です。「もっと熱心に仕事をしなさい」や「仕事への取り組み方が良くない」など、やり方に口を出さず、あくまでも結果だけを管理するということです。
そうすることで管理職という立場が明確となり、理想とする“管理職になりたいと思わせる人”が多く生まれ、「仕事量が増える」や「管理職に向いていないと思う」といった管理職に対するネガティブな印象も軽減し、“管理職になりたい人”が増えていくのではないかと考えます。
■識学について
https://corp.shikigaku.jp/
【会社概要】
会社名:株式会社識学(SHIKIGAKU. Co., Ltd.)
https://corp.shikigaku.jp/
本社所在地:〒141-0032 東京都品川区大崎2-9-3 大崎ウエストシティビル1階
電話番号:03-6821-7560
事業内容:「識学」を使った経営、組織コンサルティング
「識学」を使った従業員向け研修
「識学」をベースとしたwebサービスの開発、提供
「識学」関連書籍の出版
設立:2015年3月
代表者:代表取締役社長 安藤 広大
従業員数:249名(役員・パートアルバイト除く) ※2022/11/30 時点
支店情報:■大崎分室
〒141-0032 東京都品川区大崎2-11-1 大崎ウィズタワー8階、19階
電話番号:03-6821-7560
■大阪支店
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記事引用:PR TIMES「【管理職に関する調査】出世欲がない…!? “管理職になりたくない人”7割超え!」