コロナ禍を経てリモートワークが浸透してきた昨今、注目が集まっている「インフォーマル組織」という言葉をご存じでしょうか?

この記事ではインフォーマル組織がどんな意味を持つグループで、組織作りにおいてどんなメリットとデメリットがあるのか解説していきます。

 

実際の活用事例も紹介しているので、インフォーマル組織の仕組みを取り入れようと考えている方はご覧ください。

 

1.インフォーマル組織の意味と特徴

インフォーマル組織とは、フォーマル組織との対比として使われる言葉です。

コロナ禍前にはよくあった社内での飲み会や、業務内でのカジュアルな雑談、趣味のクラブ活動をするような緩い人間関係のグループが例としてあげられるでしょう。

 

このようなグループは会社の制度上の上下関係とは別で、自然発生的に形成されます。

 

 1.1.フォーマル組織との違い

フォーマル組織とは、社長の次に部長、課長の次に係長など、明確に役割が定められた会社内の組織図のようなグループのことを言います。

政府機関や軍隊などが例としてあげられます。

明確な階層があるため、上層部によって社内の決定事項が決められます。

 

フォーマル組織の目的は効率的に目標を達成する事にあるので、企業と従業員はあくまでもビジネスの関係性が多いです。

反対にインフォーマル組織とは、個人としての属性や、友人関係としてのコミュニケーションから自然発生する非公式な関係性のグループの事を言います。

 

例えば、社内のクラブ活動やランチタイムを共にするような仲間、社内での飲み会で仲良くなった別部署の社員などです。そのためプライベートな関係性で築かれやすいグループとも言えます。

 

2.インフォーマル組織のメリット

インフォーマル組織が形成されることは、会社にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

コロナ禍以降リモートワーク化が進み、オフィスにて対面で行われていたフォーマルなコミュニケーションが少なくなったため、企業と社員・社員同士のつながりが弱くなっている事が問題視されています。

 

インフォーマルコミュニケーションは普段の業務と無関係の話題でも良いとされるため、会社非公式のコミュニケーションではありますが、企業と社員双方に好影響をもたらすとして注目されています。

 

ここではインフォーマル組織のメリットを5つあげていきます。

 

 2.1. 新しい人間関係の構築

インフォーマル組織は、フォーマル組織内での仕事ではつながらないような人間関係を構築することができます。

異なる部署でも、社内のクラブ活動や飲み会などで出会って意気投合し、仕事の話で盛り上がることもあるでしょう。

 

そのきっかけから共同勉強会の開催に結びつき、一緒に課題を解決する事で、普段では思いつかないようなアイデアが生まれることもあります。

 

2.2. 社内活性化

インフォーマル組織では、気軽に上司や同僚との雑談を交えた仕事の話ができるため、日々の円滑なコミュニケーションにつながります。

 

共に仕事をする仲間の人間性をより深く知る事ができ、小さなトラブルが起きた時にも報告・連絡・相談がしやすくなるので、後々大きなトラブルになる事を未然に防ぐことができます。

 

2.3.業務効率の向上

普段からコミュニケーションが取れていると、仕事に対する姿勢や意識が共有されるため組織の一体感が生まれます。

 

インフォーマル組織では、仕事の生産性向上のために社員同士が切磋琢磨するようになるので、業務効率の向上につながります。

 

2.4.従業員の悩みごとの改善

仕事に対してストレスを感じる人は多く、その原因の大半は職場の人間関係に対しての悩みとも言われています。

フラットな人間関係を構築しやすいインフォーマル組織では、仕事以外の話ができる環境のため、社員の悩みごとを解消できます。

 

モチベーションが向上し、社内エンゲージメントを高める効果もあるので、結果的に社員の退職率の低下にも影響があるでしょう。

 

2.5. 新しいアイデアの創出 

緊張した状態では、新しいアイデアや解決策が浮かびにくいと言われています。

インフォーマル組織では、リラックスした環境を作りやすいので社員が発言しやすくなります。

 

そうすることで、普段の会議でも発言が活発に飛び交うようになり、新しいアイデアの創出につながるでしょう。

 

3.インフォーマル組織のデメリット

インフォーマル組織では、従業員同士のコミュニケーションが活性化することによって上記の5つのメリットがあることがわかりました。

その反面、組織の関係性によってはデメリットが生じることもあります。

インフォーマル組織の中でも生まれる上下関係は逆に業務の妨げになることもあるのです。

 

ここでは、想定される3つのデメリットについて説明していきます。

 

3.1. 仕事への集中力の低下

インフォーマル組織のデメリットとして、リラックスしすぎる環境でもあります。

そのため、従業員同士の仲が良すぎるがゆえに、仕事の相談ではなく愚痴の吐き出し先になりやすい点もあるでしょう。

 

モチベーションを下げる発言や、個人を攻撃するような発言が出てきてしまうと、グループのモラル低下により、業務効率が低下する傾向があります。

良いアドバイスがもらえるような、相談がしやすい環境が作られると、インフォーマルコミュニケーションがうまく機能するようになるでしょう。

 

3.2. 上下関係の激化

グループができると、その中でリーダー格となる従業員が出てきます。例えば社内サークル活動の代表のような存在です。

リーダーが生まれる事自体は自然な現象なので、悪い事ではないのですが、リーダーの人格によっては上下関係が激化する可能性があります。

 

リーダーとなった従業員が、サークル活動以外の通常業務でも他の従業員を無理やり従わせるような態度を取るようになると、インフォーマル組織内でのバランスが崩れ、逆に業務効率が悪くなるリスクがあるため注意が必要です。

 

3.3. 個人の意見が尊重されにくい

インフォーマル組織では、グループ内での絆が強すぎるあまり、同調圧力が生まれやすくなるというリスクもあります。

リラックスできる環境では、新しいアイデアが生まれやすいというメリットがある反面、グループ思考に陥ってしまうと個人の意見が尊重されにくくなる可能性があります。

 

多様性を受け入れ、定期的に外部の意見を取り入れる事で未然に防ぐことができるでしょう。

 

4.インフォーマル組織の例

会社においてインフォーマル組織とは、どのような活動やグループがあるのでしょうか?

社内のインフォーマル組織を上手に利用することで、社員の満足度やエンゲージメント向上につながります。

 

組織としての結束力を高めるためには組織内の共通の価値観や、目標を明確にすることが大前提です。

その前段階として、企業と社員の信頼関係を築くための具体的な例を3つあげていきます。

 

4.1.雑談

社内で何気なく交わされる雑談は自発的に形成されるもので、インフォーマル組織の代表的なコミュニケーション手段です。

 

しかし、同じ部署のメンバーとのやり取りになりがちでもあるので、フリーアドレス(個人占有のデスクがなく、社員が日ごとに作業場所を決められる仕組み)を取り入れたり、雑談用のスペースを用意することで普段関わらない社内メンバーとの交流する事ができます。

 

 4.2. 社内クラブ活動

社内クラブ活動はインフォーマル組織のひとつで、多様性を持った組織になりやすいという特徴があります。

趣味を軸に社員達が自発的に集まる組織ですが、日々の業務では、自然発生的に形成されるのが難しい場合もあります。

 

例えば、社内に野球サークルやゴルフサークルなどがあります。会社として社内クラブ活動を奨励する際には、社内のポータルサイトで紹介したり、活動の費用補助をするなどの施策を実施している会社もあります。

 

このように、社内クラブ活動を奨励することで、普段関わることのない部署と関われたりと、役職の垣根を超えた関係性を築くこともできます。     

         

4.3. 飲み会・食事会

飲み会・食事会も昔から存在するインフォーマル組織です。気の合う上司や同僚と、お酒が伴う“飲みニケーション”をしていた事がある方も多いのではないでしょうか。

 

このような飲み会・食事会は社員の本音が出やすく、仕事の悩みを引き出しやすい場でもあります。

 

ただ、業務時間外で行われることでプライベートな時間を大切にしたい人や、アルコールが苦手な人、酒癖が悪い社員がいる場合は敬遠される事もあるので、社員全員が楽しく参加できる飲み会・食事会を計画するようにしましょう。

 

また、ランチ会なども参加を強制してしまうと、業務の反中外となってしまい、別途休憩時間を取得させる必要性が出てくるため注意が必要です。

部署の活性化のためにはこのような会の開催は効果的とされていますので、会社として頻度と金額を決めて費用を援助したり、ランチ会であれば会社負担でお弁当を用意したりする形式が一般的です。

 

 5.インフォーマル組織を成功へと導くポイント

インフォーマル組織を導入するとメリットもありますが、それと同時にデメリットが生じる可能性もあります。

より良い効果を発揮するためにどうしたらよいのでしょうか?企業から社員の多種多様な意見の収集や、柔軟な意思決定が問題解決のカギとなる場合もあります。

 

その中でも運営していく上でのポイントを状況と環境の両側面から2つ挙げていきます。

 

5.1.状況によって使い分ける

最初にフォーマル組織について説明しましたが、業務を監督する管理職は業務上の“命令”に関するやり取りが多くなりがちです。

インフォーマルなコミュニケーションは、部下が仕事で困っていることや悩みをキャッチする機会でもあります。

 

上司が部下の話を真摯に聞く姿勢は、信頼関係が築けるカギとなります。

そういったコミュニケーションが取れていない社員がいないか定期的に振り返ってみましょう。

状況によってフォーマルとインフォーマルをメリハリをつけて使い分ける事が大事です。

 

5.2. オフィスの配置を工夫する

オフィスの配置を工夫することで、社員のインフォーマルコミュニケーションを促進することができます。

リモートワークの浸透で出社する社員が減ったため、オフィスの縮小や移転を余儀なくされた企業も多かったと思います。

 

出社のタイミングもまちまちで、社員同士が顔を合わせる機会も以前よりも減ってしまったという事もあるでしょう。

まずは会話の量を増やす環境作りが大切です。オフィス自体が、「仕事をするための場所」から「アイデアを生み出すための基地」としての存在意義を求められています。

 

雑談の項目でも触れたフリーアドレス、雑談用のスペースを用意するなどの仕組みを作ることで自然発生的な社員同士のコミュニケーションが生まれるきっかけとなります。

 

 6.まとめ

リモートワークが浸透する今、インフォーマル組織に注目が集まっています。

 

面と向かってコミュニケーションを取ることが少なくなった今だからこそ、意識的にインフォーマルなコミュニケーションをとる事が求められています。

インフォーマル組織は新しい人間関係の構築や、社内活性化により社員同士のコミュニケーションが活性化すると、意見を出しやすくなり新しいアイデアの創出からビジネスチャンスや業務効率の向上が望める事がわかりました。

 

また、従業員の悩みごとを改善することで、社内エンゲージメントが高まるため、結果的に離職率低下につながるというメリットがあります。

しかし、柔軟性があるゆえのデメリットも理解しておきましょう。

 

適切ではないインフォーマル組織が形成されると、仕事への集中力低下や上下関係の激化、個人の意見が尊重されにくいという面もあります。

インフォーマルコミュニケーションを活性化させ、同時にフォーマルとインフォーマルを状況によって使い分けることで、社員の成長と企業の成長につなげることができるでしょう。

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