「就活サイトを利用するだけでは応募者が集まらない」「ミスマッチが発覚し、新卒採用者がすぐに退職してしまう」という問題を抱える採用担当は多いです。
そんな問題を解決する手段のひとつとして、インターンシップへの注目が高まっています。
インターンシップとは、就職前の学生に仕事を体験してもらう制度のことです。
インターンシップの実施は、企業の認知度向上や優秀人材との早期接触などを期待できることから、年々実施する企業が増えています。
この記事では、学生に人気のインターンシップサイトをご紹介します。インターンシップの効果や種類、実施時の注意点についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
インターンシップが注目される背景
インターンシップを実施する企業は年々増えていますが、なぜインターンシップが注目されているのでしょうか。
新卒の採用活動期間の短期化
インターンシップが注目される理由のひとつが、新卒採用における活動期間の短期化です。
新卒採用スケジュールは幾度となく変更されてきましたが、2016卒を境に広報活動解禁が大幅に後ろ倒しになりました。
2022年現在、政府主導による就職・採用活動に関する要請では、
広報活動解禁:大学3年生の3月1日~
選考活動解禁:大学年4年生の6月1日~
内定日:大学年4年生の10月1日~
と定められており、従来と比較すると数か月採用活動期間が短い状態です。
これにより、企業は優秀学生の獲得に向けた早期接触の必要性が高まったため、本選考解禁前に学生と接触できるインターンシップに注目する企業が増えました。
有効求人倍率の上昇
引用:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和4年5月分)について』
2022年5月に発表された有効求人倍率は1.24倍と、求職者より求人数が多い「売り手市場」の状態です。
1人の求職者を複数の企業で取り合っている状況のため、自社の魅力や優位性をアピールしないと、優秀な人材を獲得できません。
インターンシップは、社風や魅力を知ってもらえる貴重な機会のため、知名度の向上や企業理解を深める手段として有効です。
学生の働くイメージを構築
2021年10月に厚生労働省が公表した『新規学卒就職者の離職状況』によると、大卒就職者における3年以内の離職率は31.2%です。
若年層に多い離職理由のひとつに、就業前のイメージとのギャップが挙げられます。
実際の職場でインターンシップを実施すれば、実業務を通して業務内容や社風への理解を深められるため、学生の想像と現実とのギャップを埋められます。
ミスマッチを減らすためにも、インターンシップを活用しましょう。
インターンシップの種類
インターンシップには、大きく分けて短期インターンシップと長期インターンシップの2種類があります。
短期インターンシップ
短期インターンシップは、1日~2週間程度の就業体験を指し、学生の長期休暇に合わせて春・夏・冬に実施されることが多いです。
また、短期インターンシップの中にも、会社説明や社内見学を中心に行う「セミナー型」と、実際に社員も交えて課題に取り組む「ワークショップ型」の2種類があります。
気軽に参加できる短期インターンシップは学生を集めやすいため、多くの学生との接点を持つことも可能です。
大学や求人サイトへの露出も増えるので、認知度の向上も期待できるでしょう。
長期インターンシップ
長期インターンシップは、3か月以上~数年と長期にわたって行われる就業体験です。
社員の業務補佐や、習熟度によっては社員と同等の仕事を任せることもあるため、一般的に長期インターンシップは給料が発生します。
実際の業務に近いため、学生はビジネスマナーや業務遂行に必要な基礎的なスキルを習得できます。
また、学生も企業も互いに特性を把握できるため、ミスマッチの抑止にも効果を発揮するでしょう。
インターンシップ実施の注意点
インターンシップを実施する際、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
目的の明確化
「業務内容を知ってほしい」「学生に認知してほしい」など、目的によってどのようなインターンシップを実施するべきかが変わります。
たとえば、就活生への露出を増やしたいのに長期インターンシップを実施しても、少人数の学生にしか企業を知ってもらえず、本来の目的を果たせません。
ゴールを明確化していないと、想定した結果が得られないため、まずは目的を明確にすることが重要です。
賃金支払いの有無
賃金支払いの有無について取り決めた上で、有給の場合は最低賃金を下回らないよう注意しましょう。
また、長期インターンシップの場合、学生に労働基準法が適用されることもあります。
雇用契約が認められた場合、学生の状況によっては雇用保険加入の義務が発生する可能性もあるため、賃金支払いと合わせて注意が必要です。
情報漏洩
機密情報を学生が取り扱う場合、情報漏洩からトラブルに発展するケースもあります。
情報漏洩を防ぐには、機密情報に触れる業務をさせないなどの根本的な対策が望ましいですが、業務上こうした対策が難しい場合は、学生と誓約書を交わしましょう。
その上で、「機密情報にアクセスできないよう制限をかける」「電子機器の持ち込みを禁止する」といった情報管理体制を整えることが大切です。
また、学生の過失によって損害が発生する可能性もあるため、法律の専門家に相談して、事前に賠償請求の条件を決めておきましょう。
総合インターンシップサイト
次にインターンシップの募集を掲載できるインターンシップサイトを紹介します。
まず、短期インターンと長期インターンの双方を掲載しているサイトです。
マイナビ
マイナビは、東証プライム上場企業からベンチャー企業まで幅広く掲載しており、学生の利用数も多く認知度が高いです。
株式会社学生就業センターの行った『22卒ナビサイトコンテンツの利用状況 学生・企業双方向調査』では、97%と学生のほとんどがマイナビを利用していました。
マイナビに掲載すれば、より多くの学生に自社のインターンシップ情報をアピールできるため、母集団形成に役立ちます。
マイナビ(https://job.mynavi.jp/24/pc/toppage/displayTopPage/index)
リクナビ
リクナビは、マイナビに並ぶ知名度を持つ就活生向けサイトで、参画企業の約5割が従業員規模300名未満の中小企業です。
リクナビでは、合同Webセミナーを視聴した学生に、最短で翌々日でDM配信できるため、意欲の高まっている効果的なタイミングでメッセージを届けられます。
エントリーシートや日程調整もシステム上で管理できるため、採用担当者の工数削減にもつながります。
リクナビ(https://job.rikunabi.com/2024/)
キャリタス就活
学生とLINEでコミュニケーションを取れるのが大きな特徴です。
オンライン求人票システム「キャリタスUC」で、学校を絞り込んで求人情報を配信できるため、狙ったターゲットとのマッチングが期待できます。
就活軸の発見をサポートする適職診断などのコンテンツが就活生に人気です。
キャリタス就活(https://job.career-tasu.jp/2024/top/)
あさがくナビ
あさがくナビは、登録学生NO.1のダイレクトリクルーティングサイトです。
会員の8割が中堅、中小企業への就職希望をしており、イベント参加意欲の高い学生が多いため、効率的にアプローチできます。
大量の登録者の中から、マッチ度の高い学生をAIがレコメンドしてくれるため、採用担当者の負担軽減につながります。
あさがくナビ(https://www.gakujo.ne.jp/2024/)
ONECAREER
学生の企業に対する口コミ情報を確認できるのが、このサイトの特徴です。
月間150万人の学生が訪問している人気のサービスで、幅広い企業がインターン募集を掲載しています。
1案件であれば最大2か月間無料で掲載でき、通年採用にも対応しているため、いつでもインターンシップや説明会、本選考募集を行えます。
ONE CAREER(https://www.onecareer.jp/)
アクセス就活
スマホでのサイト閲覧に特化したデザインで、学生の視点で使いやすさを追求しています。
現役社員の魅力で自社をアピールする「ヒトから検索」という独自のシステムがあり、OB・OGの仕事内容など、インタビュー記事の絞り込み検索が可能です。
社員を通じて企業理解を促せるため、マッチ度の高い採用を期待できます。
アクセス就活(https://job.ac-lab.jp/2024/front/top/top.html)
ダイヤモンド就活ナビ
ダイヤモンド就活ナビは、総合職や営業職のインターン情報が多く掲載されており、エリアごとに地元に特化した情報会社と提携しているため、UIターンに強いです。
ダイヤモンドLIVEセミナーや各種就活イベントとの連動、学生の属性を指定したDM配信などで、学生にアプローチできます。
また、SPIやWebテストの模擬試験を受けられる点が学生に人気です。
ダイヤモンド就活ナビ(https://www.shukatsu.jp/2024)
長期インターンシップサイト
最後に長期インターンシップ掲載サイトを紹介します。
キャリアバイト
キャリアバイトは、エン・ジャパン運営のアルバイト・長期インターンシップの求人を集めた学生向けのサイトです。
性格・価値観診断やレジュメをもとにしたスカウト機能を搭載しているため、学生の人柄を把握しやすくなります。
キャリアバイト(https://careerbaito.com/)
JEEK(ジーク)
JEEKは、採用率50%のインターンシップ求人サイトです。
広告を利用せず、学生同士の口コミとSEOで集客しているため、活動意欲の高い学生が多数登録しています。
JEEKは完全成功報酬型の求人サイトとなっており、学生の閲覧数、応募数にかかわらず、採用するまで費用はかからないので、しっかりと学生を吟味できます。
JEEK(https://jeek.jp/)
Infra(インフラ)
Infraは、長期インターンシップ特化型の求人・スカウトサービスです。
毎月1,000名以上の学生が登録しており、登録学生の約8割が東大や早慶、MARCHといった上位大学の学生が占めています。
アカウント開設後、最短即日で募集開始でき、インターンの経歴やスキルなどの条件をもとにしたスカウトも可能です。
infra(https://www.in-fra.jp/long-internship)
ゼロワンインターン
ゼロワンインターンは、長期インターンに特化したインターンシップサイトで、7.6万人以上の学生が登録しています。
初期費用無料の「成果報酬プラン」と、何名採用しても追加料金がかからない「広告掲載プラン」の2種類が用意されているため、採用人数に合わせて最適なプランを選べます。
ゼロワンインターン(https://01intern.com/)
エンジニアインターン
エンジニアインターンはエンジニアに特化したインターンサイトで、学生の作ったソースコードを踏まえて選考できます。
成果報酬型の求人広告掲載サービスを展開しているので、掲載費用無料で利用可能です。
エンジニアインターン(https://engineer-intern.jp/)
インターンバイト
インターンバイトは、有給インターン専門の求人サイトで、関東圏・関西圏を中心とした、中小企業やベンチャー企業の掲載が多いです。
インターンバイト(https://www.internbaito.com/)
DR!VEインターン
DR!VEインターンは大学1、2年生に特化したインターンサイトです。
最低4か月、週2.5日以上勤務できる学生のみエントリー可能な仕組みとなっており、採用者の早期離脱を防げます。
学生への募集要項が他のインターンシップサイトと比べて厳しいので、多く意欲的な学生が登録しています。
DR!VEインターン(https://drive.media/intern)
Wantedly
ビジネス用SNSとして人気のWantedlyですが、ここからもインターン募集が可能です。
給与や待遇といった条件面の記載はできず、社風や方針といった企業の魅力でマッチングを行うため、ミスマッチの抑止につながります。
また、2021年に登録者数300万人(社会人含む)を突破しており、スカウト返信率は平均20%と高い水準です。
Wantedly (https://www.wantedly.com/)
インターンシップで優秀学生と早期接触を図る
インターンシップの導入は、早期に学生と接触できるなど、採用活動においてメリットが多いです。
インターンシップには様々な実施方法があるので、目的を明確にした上で期間やプログラムを構成しましょう。
また、インターンシップサイトによって特徴は異なるため、目的やターゲットに合わせて掲載するサイトを選ぶことが重要です。
インターンシップの実施で、優秀な学生の採用を目指しましょう。