様々な職種、業種が存在する中で、ただ求人広告を掲載するだけでは上手く応募に結び付かないケースもあるのが、採用活動の難しいところです。
求人広告にある制約の中で、オプション機能などを有効活用し、効果的な利用方法を追求していく必要があります。
応募促進の手段1:求人広告ごとのサービスを利用する
大手求人サイトを例に取ってみても、実に様々な機能やサービスがあり、その時々に応じていろいろなキャンペーンが実施されているのをご存知でしょうか。
よく利用されるサービスのひとつが「スカウトメール」です。
人事担当の方や人材紹介会社を介して、応募条件に見合った経歴やスキルを持つ求職者に直接スカウトのメールを送れるという仕組みです。
より安価で大量に情報を発信出来るダイレクトメールを送れるサービスもあります。
求人サイトのキャンペーンとして代表的なのは、各業種や特定の層へのアピールポイントを持つ企業の求人をまとめた特集ページです。
休日120日以上の求人をまとめたもの、医療・福祉関連職種をまとめたものや、面接が1回のみでスピード転職出来る企業を集めたものなど、特集の内容は実に多岐に渡ります。
サービスを有効活用する方法・コツ
スカウトメール
スカウトメールについては、メールの文面に「前職給与保証」「一次面接免除」といった、求職者にとってメリットとなる情報を盛り込むこともでき、本当に欲しい人材に対して強くアプローチをかけられます。
ただ、求職者には求人サイトを介して数多くのスカウトメールやダイレクトメールが送られてくるため、ポストに投函されるチラシと同様、読まれずに廃棄されてしまう可能性もあります。
そうした状況に陥らないために、自社がターゲットとしている求職者が知りたい情報は何なのかを考えて文章を作る必要があります。
求職者の応募データを踏まえて、一人ひとりに手紙を書く気持ちでメールを作成すると、時間はかかるものの丁寧な内容のメールを送ることが出来るでしょう。
キャンペーン
中には特別価格で掲載出来るキャンペーンもあり、コストを抑えて広告を打つことも可能です。
様々なサイトを横断して情報を収集し、自社の採用ターゲットや予算にマッチしたキャンペーンを見つけましょう。
お得なキャンペーン情報などは、多くの媒体を扱う求人広告代理店に問い合わせるのもひとつの手です。
幅広い媒体のお得な情報を一気に集めることができるので、有効活用しましょう。
もちろんキャンペーン以前に重視すべきなのは求人サイトの特徴と自社が求める人物像のマッチングですので、まずはそちらを見極めが肝心です。
(キャンペーン情報とあわせて求人広告代理店に聞いてしまうのも良いかもしれません)
応募促進の手段2:求人原稿にアピールポイントを明記する
求人原稿の内容も、応募数を左右する要因のひとつです。
「そんなことはわかっている」と思った方も、改めて求職者に立場に立って、効果的なアピールポイントについて考えてみてください。
まずは他社が掲載している求人広告も調べ、自社が属している業界で使われるアピールポイントを把握すると、他社との違いを打ち出した魅力的なアピールポイントを明記することが出来ます。
業界全体を俯瞰して、給与面が弱いと感じられる場合は給与以外のアピールポイントを探す必要があります。
例えばアルバイトなら、「シフトは柔軟に対応する」「週2日からの勤務でOK」といった求職者の働きやすさに訴えるような魅力を探し、求人原稿に加えます。
ただ、応募のハードルを下げる目的で事実と異なる内容を載せると、「求人の内容と条件が違う」というトラブルを招くため注意が必要です。
職業安定法でも、労働条件については平易な表現で事実に即した表示をするよう求めています。
アピールポイントを記載する上での注意点
働きやすさを強調する方法も効果的ですが、長時間勤務やインセンティブなどでしっかり稼ぎたいという求職者がいることも忘れてはいけません。
中途採用の求人であれば、「明確な評価制度の下で、実績の分だけインセンティブが支給される」といった待遇面の充実を打ち出すのも手段のひとつです。
働きやすさ、待遇、社内の雰囲気……いずれの魅力を打ち出す場合も、自社の魅力がどこにあるのかを今一度考え、求人に掲載していくことが求められます。
常に注意しておきたいのが、「やる気」や「成長」を求め過ぎる内容になっていないかどうかです。
特にアルバイト・パートの求人では、スキルアップよりも「自分の都合のつく時間で働きたい」というニーズは大きく、成長を求める情報は求職者とのミスマッチを招くケースが多いです。
無理なシフトや個人の事情を考慮しない職場環境を連想される可能性があるため、キャッチコピーで企業の特徴をアピールする際は、事実に基づく内容を心がけつつ、表現に気を配りましょう。
まとめ
どんな形で広告を有効活用する場合でも、求職者が職場に求めるものと自社の特徴を知ることが肝心です。
自社の特徴を踏まえ、求める経験や志向を持つ求職者に響くアピールポイントを打ち出し、上手く求人サイトの機能を利用できれば、採用活動において求人広告をより効果的に活用することができます。
もう一点重要なのは、掲載する情報の正確さに気を配ることです。
雇用者は合意の上で求職者と労働契約を結び、労働条件を求職者に書面で明示しなくてはなりません。このとき、求人広告の記載と実際の労働条件が食い違うと、早期の退職という最悪の事態を招きかねないため注意してください。