【2026年最新】社会保険料とは?計算方法と基礎知識をわかりやすく解説


毎月の給与明細を見て「社会保険料が意外と高い」と感じたことはありませんか?

実は、社会保険料はひとつの項目ではなく、健康保険や厚生年金など、私たちの将来や生活を守る5つの保険の総称です。

 

本記事では、社会保険料の種類や具体的な計算方法、会社と折半する負担割合の仕組みを初心者にも分かりやすく解説します。

40歳からの変化や手取り額に直結する注意点を知ることで、納得感を持って給与管理ができるようになります。

 【1】社会保険料とは

給与明細の「控除」欄で大きな存在感を放つ社会保険料。

多くの方がその存在を知っていますが、「何のための制度か」「なぜこれほどの金額が引かれるのか」を正確に把握している方は意外と少ないものです。

 

社会保険料は単なるコストではなく、病気や老後といった人生のリスクに対する「公的なセーフティネット」の参加費です。

この仕組みを知ることは、将来の安心を再確認することにつながります。

 

 1-1. 社会保険制度の仕組みと受給方法

社会保険は、一定の条件を満たす人が必ず加入する「強制加入」の制度です。

民間保険が個人の判断で入るのに対し、社会全体でリスクを分散し、お互いを支え合うのが特徴です。

 

基本的なサイクルは、「保険料を納める」→「もしもの事態(保険事故)が起きる」→「給付を受ける」の3ステップです。

 

具体的にどのようなシーンで助けになるのか、以下の表にまとめました。

保険の種類

もしも(保険事故)の例

受け取れるメリット・給付金

健康保険

病気・ケガ・出産

医療費3割負担、傷病手当金、出産育児一時金

厚生年金

老後・障害・死亡

老齢年金、障害年金、遺族年金

雇用保険

失業・育児休業

基本手当(失業保険)、育児休業給付金

 

 1-2. 社会保険料の徴収方法・タイミング

社会保険料は、原則として会社が従業員の給与から天引き(控除)し、会社の負担分と合わせて国(年金事務所や健康保険組合など)にまとめて納付しています。

この仕組みを「特別徴収」と呼び、従業員自身が個別に金融機関などで支払い手続きをする手間を省いています。

 

徴収のタイミングは一般的に多くの企業で「翌月徴収」が採用されています。

これは、たとえば5月に支払われる給与から引かれている社会保険料が、4月分の保険料にあたるというものです。

 

入社した月の社会保険料は給与から控除され、退職する月の社会保険料は退職月の前月分までが控除の対象となるのが通常です。

 

 【2】社会保険料の種類と負担割合

給与明細の「社会保険料」という項目は、実はひとつの保険ではなく、私たちの生活を守る5つの公的保険の総称です。

これらは、病気やケガ、失業、老後といった人生のさまざまなリスクに備えるための「セーフティネット」としての役割を担っています。

 

自分が支払っているお金が、将来どのような安心に変わるのか、その内訳を詳しく見ていきましょう。

 

 2-1. 社会保険料の種類

会社員が加入する社会保険は、主に以下の5種類で構成されています。

保険の種類

対象者

主な役割・メリット

健康保険

全従業員

医療費の自己負担が原則3割になる。病気で休業した際の「傷病手当金」など。

厚生年金保険

全従業員

老後の年金。障害を負った際の「障害年金」や、死亡時の「遺族年金」も含む。

介護保険

40歳以上

介護が必要になった際、少ない負担で介護サービスを受けられる。

雇用保険

全従業員

失業時の給付(失業保険)や、育児・介護休業中の手当など。

労災保険

全従業員

仕事中や通勤中のケガ・病気に対する治療費や休業補償。

 

「介護保険料」は40歳から支払い義務が生じます。

そのため、40歳を境に給与の天引き額が増えるのが一般的です。

 

 2-2. 社会保険料の種類ごとの負担割合と保険料率

各保険料は、給与額に一定の「保険料率」を掛けて算出されます。

この料率は、保険の種類によって「労使折半(半分ずつ)」のものと、そうでないものに分かれます。

 

保険料負担の一覧表

保険の種類

従業員負担

会社負担

概要

健康保険

50%

50%

都道府県や加入する組合により料率が異なります。

厚生年金保険

50%

50%

全国一律で 18.3%(労使各 9.15%)です。

介護保険

50%

50%

40歳以上が対象。健康保険料と併せて徴収されます。

雇用保険

一部

一部

業種によりますが、会社側の負担が少し大きいです。

労災保険

0%

100%

従業員の負担は一切ありません。

 

 【3】社会保険料の計算方法

社会保険料の計算は一見複雑ですが、仕組みさえ分かれば誰でも自分の負担額を把握できます。

基本となるのは、実際の給与額をキリの良い幅で区切った「標準報酬月額」という独自の数値です。

 

これに各保険の「料率」を掛け合わせ、多くの場合は会社と半分ずつ負担します。

自分のお金がどう計算され、いくら会社にサポートされているのか、具体的な計算ステップを見ていきましょう。

 

 3-1. 社会保険料の計算は標準報酬月額を用いておこなう

社会保険料(健康・厚生年金・介護)の計算には、月々の給与そのものではなく、区切りの良い等級に当てはめた「標準報酬月額」を使用します。

 

これにより、残業代などで毎月の給与が数円単位で変動しても、保険料が頻繁に変わるのを防ぎ、事務処理を効率化しています。

 

標準報酬月額が決まるタイミング

タイミング

内容

影響する期間

①資格取得時決定

入社時の給与見込み額で決定。

初回の給与から適用。

②定時決定

毎年4月〜6月の給与平均で算出。

その年の9月〜翌年8月まで適用。

③随時改定

昇給等で給与が大幅に変わった際。

継続して3ヶ月変動があった場合に見直し。

 

 3-2. 健康保険料の計算方法

これら3つの保険料は、共通の「標準報酬月額」をベースに計算されます。

最大の特徴は、会社が保険料の半分を負担する「労使折半(ろうしせっぱん)」という仕組みです。

 

保険の種類

本人負担額の計算式

保険料率の目安

特徴

健康保険

(標準報酬月額 × 料率) ÷ 2

約10%前後

加入する健保組合や都道府県により異なる。

厚生年金

(標準報酬月額 × 18.3%) ÷ 2

一律 18.3%

全国共通。本人負担は常に 9.15%。

介護保険

(標準報酬月額 × 料率) ÷ 2

約1.6%〜2.0%
(※健康保険の種類・年度により異なる)

40歳以上が対象。

健康保険と一緒に徴収。

 

3-3. 雇用保険料・労災保険料の計算方法

雇用保険と労災保険は、他の3つとは計算の仕組みが異なります。

最大の違いは「標準報酬月額」を使わず、その月の「給与(手当・賞与含む)の総額」に直接料率を掛ける点です。

 

保険名

計算式

特徴

雇用保険

給与総額 × 雇用保険料率

会社と本人で分担。毎月の給与額に応じて1円単位で変動します。

労災保険

給与総額 × 労災保険料率

会社が全額負担。従業員の給与から引かれることはありません。

 

雇用保険は、失業手当や育児休業給付の原資となります。

一方、労災保険は会社の義務として全額事業主が負担するため、給与明細には記載されません。

 

私たちが一円も負担することなく、業務中の怪我や通勤事故に対して手厚い補償を受けられるのは、この労災制度があるおかげです。

 

 3-4. 介護保険料の計算方法

介護保険料は、すべての従業員が対象ではなく、40歳以上65歳未満の人が支払う保険料です。

計算には「標準報酬月額」を使用し、健康保険料とセットで給与から天引きされます。

 

項目

内容

計算式

標準報酬月額 × 介護保険料率

本人負担額

上記計算結果の 50%(労使折半)

保険料率

加入する健康保険(協会けんぽ等)により毎年決定される

 

40歳になると自動的に徴収が始まるため、手取り額が少し減ったように感じるかもしれませんが、これは将来自分や家族が介護サービスを受けるための大切な積立金となります。

 

 3-5. 雇用保険料の計算方法

雇用保険料は、健康保険や厚生年金とは異なり、標準報酬月額を使いません。

その月に支払われた基本給、残業代、通勤手当などを含む「給与総額」に直接料率を掛けて計算します。

 

項目

内容

計算式

給与(賞与)総額 × 雇用保険料率

負担割合

従業員と会社で分担(料率は会社負担がやや重い)

料率の特徴

事業の種類(一般・建設など)で異なり、毎年見直される

 

 3-6. 労災保険料の計算方法

労災保険料は、他の社会保険料とは決定的な違いがあります。

 

それは、「従業員の負担が一切ない(全額会社負担)」という点です。

そのため、給与明細の控除欄にその名が載ることはありません。

 

項目

内容

計算方法

全従業員の賃金総額 × 労災保険料率

本人負担

0円(会社が100%負担)

保険料率

業種のリスク(建設業・製造業など)に応じて決定

 

労災保険は、業務中や通勤中のケガ・病気・死亡に対して、治療費や休業補償をおこなう制度です。

私たちが保険料を1円も払わずに手厚い補償を受けられるのは、会社がすべてのコストを負担してくれているおかげなのです。

 

 【4】社会保険料の負担額シミュレーション

ここまで、社会保険料の種類や計算方法について詳しく解説してきました。

 

次に、具体的な月収の例を使って、社会保険料の自己負担額がどのくらいになるかをシミュレーションしてみます。

ご自身の状況に照らし合わせて、手取り額への影響を実感してみてください。

 

 4-1. 月収20万円・30万円・40万円の計算例

「自分の給与なら、結局いくら引かれるのか?」を具体的にイメージしてみましょう。

ここでは、東京都在住・協会けんぽ加入(令和6年度率)の会社員をモデルに、40歳前後でどれくらい負担が変わるかを試算しました。

 

計算の前提(自己負担分)

  • 健康保険:4.99% / 厚生年金:9.15% / 雇用保険:0.55%
  • 介護保険(40歳以上):約0.8%前後(協会けんぽの場合)

 

【早見表】社会保険料の自己負担額(月額目安)

月収(標準報酬月額)

40歳未満(介護保険なし)

40歳以上(介護保険あり)

差額

20万円

29,480円

31,300円

+1,820円

30万円

44,220円

46,950円

+2,730円

40万円

58,960円

62,600円

+3,640円

 

内訳のシミュレーション(30万円の場合)

月収30万円のモデルケースで内訳を詳しく見ると、以下のようになります。

保険の種類

計算式(30万円 × 料率)

自己負担額

健康保険

300,000円 × 4.99%

14,970円

厚生年金

300,000円 × 9.15%

27,450円

雇用保険

300,000円 × 0.55%

1,650

介護保険

300,000円 × 0.8%

2,730円(※40歳以上のみ)

 

月収が上がるにつれて負担額も増えますが、その分、将来受け取る年金額や休業時の手当も手厚くなります。

 【5】社会保険料に関して覚えておくこと

計算方法以外にも、知っておくと得をするルールがあります。

産休・育休中の免除制度や、4月〜6月の残業代が1年間の保険料を左右する仕組みなど、ライフプランに直結する知識は欠かせません。

 

これらを押さえることで、漠然とした不安が解消され、賢い働き方や家計設計が可能になります。

「知らなかった」と後悔しないための重要ポイントを確認しましょう。

 

 5-1. 産休・育休中は社会保険料が免除になる

妊娠・出産に伴う産前産後休業や、お子さんの育児のための育児休業を取得している期間は、健康保険料と厚生年金保険料の支払いが免除される制度があります。

 

この制度は、経済的な負担を軽減し、育児に専念できるよう国が設けた大切な仕組みです。

免除されるのは、従業員が負担する分だけでなく、会社が負担する分も含まれます。

 

この免除を受けるためには、事業主(会社)を通じて年金事務所へ申請書を提出する必要があります。

特に重要なのは、免除期間中も将来受け取る年金額が減ることはないという点です。

 

保険料を支払っていなくても、納付した期間として扱われるため、安心して制度を利用できます。

産休や育休を検討されている方は、会社の担当部署に確認し、忘れずに申請手続きをおこないましょう。

 

 5-2. 社会保険料は日割り計算しない

社会保険料は、給与や年金のように日割り計算されることはありません。

 

これは、社会保険料が「月単位」で計算されるという大きな特徴があるためです。

具体的には、加入資格を取得した月(多くの場合、入社月)から保険料が発生し、資格を喪失した月(退職日の翌日が含まれる月)の前月分までを支払うことになります。

 

このルールで特に注意が必要なのが、月の「月末」に在籍しているかどうかという点です。

たとえば、4月30日に退職した場合は、4月分の社会保険料が発生します。

 

しかし、たった1日早い4月29日に退職した場合、4月30日は在籍していないため、4月分の社会保険料は発生しません。

 

これにより、退職日を1日ずらすだけで手取り額が大きく変わるケースも珍しくありませんので、退職を考えている方はこの点を念頭に置いて計画を立てることをおすすめします。

 

 5-3. アルバイトやパートも条件を満たせば加入できる

パートやアルバイトの方も、一定の条件を満たせば社会保険への加入が義務付けられます。

基本的には「正社員の4分の3以上の労働時間」が目安ですが、2024年10月の法改正により、従業員数51人以上の企業では以下の「短時間労働者の要件」を満たせば加入対象となります。

 

社会保険の加入条件(短時間労働者)

項目

加入が必要な条件

労働時間

週20時間以上であること

賃金

月額8.8万円以上であること(基本給+諸手当)

雇用期間

2ヶ月を超える雇用の見込みがあること

学生

学生ではないこと(休学中や夜間学生は対象となる場合あり)

 

加入のメリット・デメリット

  • メリット: 将来の年金額が増える、傷病手当金や出産手当金がもらえるようになる。
  • デメリット: 社会保険料が天引きされるため、一時的に「手取り額」は減少する。

 

加入は単なる負担増ではなく、自分自身の「守り」を固めることでもあります。

将来のキャリアやライフスタイルに合わせて、損のない働き方を検討してみましょう。

 

 5-4. 4月~6月の給与が増えると社会保険料も増加する

社会保険料の計算において、「定時決定」という仕組みは非常に重要です。

これは、毎年4月、5月、6月の3か月間に支払われた給与(基本給に加えて残業代や各種手当も含まれます)の平均額を基に、その年の9月から翌年8月までの1年間適用される標準報酬月額が決定される仕組みです。

 

このため、もし4月から6月の間に、繁忙期などで残業が増えたり、何らかの手当が多く支給されたりして給与が増加すると、それに伴って年間の社会保険料も高くなる可能性があります。

 

よく「4月〜6月の残業は損」と言われるのは、この定時決定の仕組みがあるためです。

毎月の手取り額だけでなく、年間の社会保険料負担を考慮したうえで、働き方を調整することもひとつの選択肢となるでしょう。

 【6】年末調整での社会保険料について

ここでは、社会保険料が私たちの税金にどのように影響するのか、そして年末調整との関連性について詳しく解説します。

 

社会保険料を支払うことは、単なる義務だけではなく、税制上のメリットも生まれるため、その仕組みを理解することで、賢く家計を管理する一助となるでしょう。

 

 6-1. 社会保険料は全額所得控除の対象になる

社会保険料には「社会保険料控除」という制度があり、年間に支払った社会保険料の全額が、所得税や住民税を計算する際の「課税所得」から差し引かれます。

これは、課税対象となる所得を少なくすることで、結果として納める税金が安くなるという、私たちにとって大きな節税効果をもたらすものです。

 

たとえば、年間で40万円の社会保険料を支払った場合、その40万円が所得から差し引かれるため、その分の所得には税金がかからなくなります。

給与から社会保険料が天引きされている会社員の方は、会社が年末調整の際にこの控除を考慮して税額を計算してくれるため、原則としてご自身で特別な手続きをする必要はありません。

 

給与明細で毎月引かれている社会保険料が、実は税負担を軽くする役割も果たしているのです。

 

 6-2. 従業員自身が納付した国民年金も控除の対象になる

ご自身で支払った国民年金保険料や国民健康保険料がある場合には、年末調整で控除の対象となります。

 

たとえば、年の途中で転職し、前職を退職してから現在の会社に入社するまでの間にご自身で国民年金保険料を支払っていたり、家族の国民年金保険料を代わりに支払っていたりするケースです。

また、生計をひとつにする配偶者やお子様の国民年金保険料をご自身が支払っている場合も、同様に社会保険料控除の対象となります。

 

これらの控除を受けるためには、年末調整の時期に会社から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に、ご自身が支払った保険料の金額を記入する必要があります。

さらに、その支払いを証明する「控除証明書」などの書類を添付して会社に提出することで、控除が適用されます。

 

国民年金保険料の控除証明書は、日本年金機構から毎年11月頃に送付されますので、大切に保管しておきましょう。

 【7】従業員が副業している場合の社会保険料について

近年、働き方の多様化が進み、副業をされている方も増えています。

会社員として社会保険に加入している方が副業をする場合、社会保険料の扱いはどうなるのでしょうか。

 

ここでは、本業の会社に加えて別の会社でも働いているケースや、個人事業主として副業をしているケースなど、パターン別に社会保険のルールを整理してご説明します。

 

 7-1. 加入条件を満たしているなら届出を提出しなければならない

複数の会社でパートやアルバイトとして勤務し、それぞれの勤務先で社会保険の加入条件を満たす場合は注意が必要です。

 

このケースでは、健康保険と厚生年金保険の両方に加入することになり、ご自身で年金事務所へ「二以上事業所勤務届」を提出する必要があります。

これは、メインとなる事業所をひとつ選び、そこに社会保険に関する事務手続きを集約させるための届け出です。

 

保険料の計算については、両方の会社の給与を合算した金額に基づいて標準報酬月額が決定されます。

そして、決定された保険料は、それぞれの会社の給与額に応じた割合で按分され、各事業所から徴収される仕組みです。

 

 7-2. フリーランスや個人事業主の場合は社会保険対象外となる

本業は会社員として社会保険に加入しており、副業としてフリーランスや個人事業主(業務委託契約など)として収入を得ている場合は、本業の社会保険には大きな影響はありません。

 

具体的には、副業で得た収入は、会社の社会保険(健康保険・厚生年金)の保険料計算には影響しない、と覚えておいてください。

つまり、副業の収入がどれだけ増えても、会社で支払っている健康保険料や厚生年金保険料が直接的に増えることはありません。

 

ただし、副業で得た所得が年間20万円を超える場合には、別途確定申告が必要となり、その所得に対して所得税や住民税が課税されます。

 

 【8】社会保険料に関するよくある質問

これまで社会保険料の仕組みや計算方法、さらには知っておくべきポイントを解説してきました。

ここでは、細かな疑問について、Q&A形式で分かりやすくお答えします。

 

 8-1. 賞与(ボーナス)は社会保険料の支払い対象になる?

はい、賞与(ボーナス)も社会保険料の支払い対象になります。

 

毎月支給される給与だけでなく、年に数回支給される賞与からも健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、そして雇用保険料が天引きされる仕組みです。

 

賞与から引かれる社会保険料は、「標準賞与額」を基に計算されます。

標準賞与額とは、賞与の額面金額から1,000円未満の端数を切り捨てた金額のことです。

 

この標準賞与額に各保険の保険料率を掛け合わせることで、賞与から差し引かれる社会保険料が算出されます

賞与はまとまった金額が支給されるため、そこから天引きされる社会保険料も大きな金額になりがちですが、これも将来の安心のための大切な積み立てだと考えておきましょう。

 

 8-2. 残業代は社会保険料の計算に含まれますか?

はい、残業代も社会保険料の計算に含まれます。

 

社会保険料の計算の基礎となる「標準報酬月額」は、基本給だけでなく、残業手当(時間外手当)や休日出勤手当、役職手当など、会社から支払われるほとんどの手当を含んだ総報酬月額を基に決定されます。

 

そのため、残業を多くすることで総報酬月額が増えれば、それに伴って標準報酬月額も上がり、社会保険料も高くなる可能性があるのです。

特に、毎年4月、5月、6月の3か月間の給与が、その年の9月からの社会保険料を決める「定時決定」の対象となるため、この期間に多くの残業をすると、その後の1年間の社会保険料に影響が出ることを覚えておくと良いでしょう。

 

 8-3. 交通費(通勤手当)は含まれますか?

はい、交通費(通勤手当)も社会保険料の計算に含まれます。

 

所得税の計算においては、一定の限度額までは非課税として扱われる通勤手当ですが、社会保険料の計算においては「報酬」の一部とみなされ、標準報酬月額の算定基礎に含まれることになっています。

このため、毎月の給与に通勤手当が含まれている場合、その金額も社会保険料の計算に影響を与えます。

 

所得税と社会保険料では、報酬の捉え方が異なるため混乱しやすい点ですが、社会保険料の計算では通勤手当も考慮されることを理解しておくと、自身の社会保険料額をより正確に把握できるでしょう。

 【9】まとめ

この記事では、給与明細に記載されている「社会保険料」が一体何なのか、その種類や計算方法、さらには働き方やライフステージによってどのように変わるのかについて詳しく解説してきました。

 

社会保険料は、単に給与から差し引かれる「負担」という側面だけでなく、病気やケガ、失業、そして老後の生活といった「万が一」の事態から私たち自身や大切な家族を守るための、非常に重要な「投資」でもあります。

 

この制度を正しく理解することは、漠然としたお金への不安を解消し、将来の家計設計や働き方を自信を持って選択するための第一歩になるでしょう。

 

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