求人募集しているけど、なかなかいい人が採用できない。
求人広告を出しているけど、応募が来ない。
転職市場の活性化により求人募集の方法も多様化する中で、こういった悩みをお持ちの採用担当者は多いのではないでしょうか。
コストをかけて採用活動をしているのに成果がない…というのは企業側にとって一番避けたいこと。
ここでは主に、求職者の8割以上が閲覧するといういわゆる採用サイトに掲載される求人広告について、「応募が来る求人広告を作るには?」を考えていきたいと思います。
求める人材が来ない理由
マイナビ、リクナビ、doda、typeなどのいわゆる「求人サイト」は、不特定多数に情報を公開しながら、ターゲットをセグメントして伝えたいメッセージを発信できることが特徴です。
「欲しい人材からの応募がない」「そもそも応募が全くこない」…という場合は、そのメッセージがターゲットにきちんと伝わっていないということが考えられます。
応募がない原因として考えられる4つの項目について説明します。
求人情報が少ない
仕事内容がよくわからない、就業環境の情報も少ない…となると、「この会社大丈夫かな」という不安材料が増えるだけ。
「入社したら仕事内容が違った」というリスクを避けるためにも応募の検討候補にも入れないでしょう。
条件や待遇などを他社と比較したときに劣っている
求職者は色々な求人情報を見比べて、より魅力的な方に応募します。
比較されやすいのは「条件・待遇(給与や福利厚生など)」「仕事内容」が大半です。
欲しい人材、ターゲットがわかりづらい
どんな人材を求めているのか、どんな経験やスキルがあれば応募できるのか…など、応募資格や求める人材の表記が無かったり曖昧でわかりづらいと、応募しにくいイメージがついてしまいます。
ターゲットに合った求人媒体ではない
「求人媒体はどれに掲載しても同じ」ではありません。
業種・職種・年齢・性別・エリア・雇用形態…など、各媒体の強みを把握してターゲットに合った求人サイトに掲載することが鉄則です。
ターゲットの明確化はされているか
応募が来ない理由のうち、待遇面や環境など企業側の要因はすぐに改善できないかもしれませんが、効果的で魅力ある広告にする方法はあります。
まずは、「誰」に対して何を伝えたいのか、「誰」に読んでほしいのか、「ターゲット」を設定する=明確化することがとても大事です。
どんな人材が欲しいのか、どんな人材が活躍できるのかを実際に書き出しすなどして、整理していきましょう。
明確化までのステップは下記の通りです。
・求めるスキル・経験・年齢・性別・人柄などを洗い出す(できれば書き出す)
・その条件が「MUST」なのか「WANT」なのかを決める(あれもこれもと増えないように注意)
・採用したいターゲットを明確化
採用ターゲットが明確になると選考基準がハッキリするので、具体的な戦略を立てやすくなります。
ただしここで気を付けなければならないのは、採用担当者が「自社に合った人」でなく「一般的に性格の良い人」を求めがちということ。
一般的に良いと言われる人材というのはそもそもそんなに多いわけではなく、大手や人気企業であっても採用するのは難しいでしょう。
であれば求職者への知名度が低い企業の場合はなおさら母集団形成に苦労するはずです。
そんな中、他社とは違った「求める人物像」を設定して差別化を図りましょう。
性格の良し悪しではなく「会社の社風に合う・合わない」が非常に大事なのです。
伝えたいことをリストアップする
ターゲットが決まったら、次はそのターゲットに対して何を伝えるか、求人広告の「コンセプト」を決めます。
といってもどうやって決めたらいいかわからない…という方も多いと思います。
まずはターゲットに伝えたいこと、アピールしたいことなどを下記の流れでリストアップしていきましょう。
ターゲット目線から欲しい情報を収集する
転職を考えるには何かしら理由があるはずです。
給与、ワークライフバランス、人間関係、やりがい、スキルアップなど、転職によって何をどう変えたいのかを推測・熟考してみましょう。
自社の訴求内容を洗い出す
自社がターゲットに対し何を提供できるのかを考えます。
事業の強みや優位性、理念、注力していること…などから、ターゲットにとってメリットとなる「自社のアピールポイント」は何でしょうか。
アピールポイントを絞る
いろいろリストアップした中で、最もターゲットに「刺さる」のは何か、伝えたいことがたくさんあっても訴求内容は最終的に一つに絞り込みます。
あまり多くを盛り込みすぎると訴求点がぼやけてしまい、結局印象に残らないからです。
訴求ポイントが決まったらキャッチコピーなどもスムーズに作りやすくなります。
それを軸にさまざまな角度・切り口で表現して求人広告を作成していきます。
大切なのは応募者がイメージしやすい内容で記載すること
コンセプトが決まれば、あとは各項目ごとに作成していくだけですが、ついついやってしまいがちな「間違った作り方」の特徴をご紹介します。
こんな失敗をしていませんか?
*奇をてらい過ぎたキャッチコピーで何が言いたいのかわからない
*いろいろ詰め込みすぎで結局何も頭に残らない
*自社の宣伝や自慢ばかりしている
*誰がターゲットなのかわからない
*仕事内容などの情報量が少なすぎる
*写真のフリー素材が多く会社や社員の実態がわからない など…
「とにかく目立たせたい」「対象を広げないと応募が来ない」「良いことアピールしないといけない」…というのは間違い。
「採用したい人材から応募がくる」という元来の目的があることを見失わないようにしましょう。
上手に伝えるには…
◎給与、待遇、福利厚生、お休み、勤務時間、勤務地、試用期間など、条件面は漏れなく記載
◎仕事内容は、詳細を細かくというより「具体性を持たせる」ことが大事
└1日のスケジュールなどを記載するのも良い
◎応募資格は、MUST・WANTをはっきり分けて書く
└経験者採用の場合は特に必要なスキルや経験をハッキリさせる
◎未経験歓迎であれば研修・フォロー制度などの記載も必須、不安を取り除く工夫をする
ターゲットが何を知りたいのかを考えて、難しい言葉に凝り過ぎず、うまく言おうと思わずに誰もが普段からよく使う言葉で率直に書いた方が伝わりやすいと思います。
まとめ
求人媒体が多様化し求人広告が溢れている中、いくら求人広告をうってもいい人材が採用ができない…と悩んでいる採用担当者は多いです。
採用ターゲットからきちんと応募が来る広告を作成するためには、ターゲットやコンセプトをしっかり決めることがとても大事です。
そのためには人事だけで決めることは難しいかもしれません。
現場や経営陣を巻き込みながら進めていきましょう。
何度も試行錯誤して成功例を増やし、「効果の出る求人広告」のノウハウを積んでいけば、コスト削減や採用パフォーマンスの向上につながっていきます。