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なぜ会社を辞めてしまうのか

社員が退職してしまう原因と向き合うためには、まず人間が仕事に対して感じる2つの要因を理解する必要があります。

 

それが、職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関する理論を研究するアメリカ臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグ氏によって提唱された「動機付け要因」と「衛生要因」です。

 

仕事のやりがい、裁量、昇進、成長といった動機付け要因によって職務に満足していない場合は、これらを改善することで「満足している」状態になります。

 

会社の方針、給与、職務環境といった衛生要因よって職務に不満がある場合は、改善しても「特に不満は無い」状態になります。

 

ここで気を付けるべきポイントは、「満足している」「特に不満は無い」という状態が大きく違うということです。

 

つまり、会社の方針や給与などを改善し社員を「不満の無い」状態にさせたとしても、より良い条件の会社に飛びついてしまう可能性があります。

 

社員がモチベーションの高い状態で長く働いてもらうためには、衛生要因の改善を進めつつ、動機付け要因も改善していくことが大切です。

 

やりがいを持って働けるか、自分自身が成長できるか、裁量を持って取り組めるかなど、会社で働き続けるための動機を形成するようにフォローしていくことが、社員が長続きする要因の一つです。

 

優秀な人だからこそ辞めてしまう理由

社員が退職してしまう大きな理由について紹介したところで、次は優秀な社員が辞めてしまう要因について紹介します。

 

今までのケースを振り返り、当てはまる部分が無いか確認してみてください。

 

優秀な人に仕事が集中してしまう

「あの人にしかできない仕事がある」「あの人に任せれば何とかしてくれる」など、優秀な方には社内外問わず様々な仕事が寄せられます。

 

抱えている仕事の量も増えてスケジュールも忙しくなっていきます。

 

結果的にどうなるかというと、仕事ができない人ほど暇になり、仕事ができる人ほど忙しくなるという循環が生まれてしまいます。

 

残業までして仕事をしている自分よりも、仕事ができない人の方が早く帰り、給料もそんなに変わらない…。

 

そうなればモチベーションのコントロールも難しくなってしまいます。

 

注意すべきポイント

・社内には手の空いている人がいるけど回せる仕事は無い

・仕事の最終チェックは、特定の優秀な社員がいっている

・同じ部署内でも、特定の人しかできない業務が存在する

 

ワークライフバランスの問題

優秀な人ほど業務に追われやすいということは、プライベートの時間を削ることにもつながりやすいです。

 

仕事で成果を出したことで給料がアップしたとしても、家族や友人との時間を大切にできないような働き方では安定した未来を描くことはできません。

 

株式会社学情が実施した第二新卒・既卒向けのWebアンケートによると、「残業を減らしたい、休日を確保したい」という理由が転職理由になった方が、第二新卒で31.8%(20代後半のヤングキャリア層で22.3%)とアンケートの中でも上位にランクインしています。

 

ワークライフバランスの充実が無ければ、仕事内容にやりがいがあっても辞めてしまう社員が多いということが言えそうです。

 

参考:学情「Re就活登録会員対象「就職・転職活動に関するアンケート」調査レポート 2019年11月版」

 

注意すべきポイント

・体調不良の際など、有事の際に休みが取れない

・就業後に予定があると伝えていたにも関わらず、急遽残業が発生する

 

自分に与えられている裁量が少ない

優秀な人材であればあるほど、良いアイデアや意見を積極的に発信します。

 

しかし、その意見やアイデアを実現するまでに時間がかかってしまうとモチベーションは下がってしまいます。

 

「君にはまだ早い」とバッサリ言ってしまった時には尚更です。

 

言われたことを淡々とこなす社員と、言われた業務をこなしながらも新しいことに積極的な社員のどちらが優秀かは一目瞭然かと思います。

 

出る杭は叩かないでむしろ伸ばすくらいの気持ちで接すると良いかもしれません。

 

注意すべきポイント

・社員の意見やアイデアを検討する時間が無く放置している

・社員の「やりたい」という声に対して、何となく流してしまっている

 

自分の成長に限界を感じてしまう

優秀な人材は、職場のエースとして高いパフォーマンスを発揮してくれます。

 

最初の頃は必要とされているということに対して誇り・やりがいを感じていますが、尊敬できる優秀な社員の存在や、自分の成長を導いてくれるメンター的な存在がいないと自分の成長に限界を感じてしまいます。

 

ハーバード・ビジネス・レビューの調査でも、優秀な人ほど「この環境で成長できる自分の限界に達した」と感じた時に転職を考えるというデータも挙がっています。

 

社員の主体性やチャレンジ精神に少しでも応えられるような体制を整備していくことも大切です。

 

注意すべきポイント

・優秀な社員にルーチンの業務ばかり押し付けている

・新たなチャレンジを応援する風土が無い

 

会社の方針・方向性が見えない

「会社の目指すべき場所に共感できない」「業界的にどんなポジションになりたいか見えない」「目標がそもそもよく分からない」など、将来のビジョンに対する不安要素が募ると転職を考え始めてしまいます。

 

自分の人生の大半を捧げることになる会社の将来は気になるものです。

 

福利厚生や待遇面が良かったとしても、会社として何を目指していくのかが不明瞭だと会社への不満につながってしまいます。

 

注意すべきポイント

・将来のビジョンよりも、目の前の売り上げに追われている状態

・5年後、10年後の組織像が漠然としている

 

こんな人は辞める可能性大!?その兆候と対策

優秀な社員の退職を防ぐためには、社員の細かな変化に対してアンテナを張り、先回りしてアプローチすることが大切です。

 

優秀者な社員が退職する兆候をレベル別に分けて紹介するので、ぜひ役立ててください。

 

危険度レベル「低」 まだ間に合う状態!

少し元気が無くなった

挨拶の声が小さい、表情に覇気が無いなど、モチベーションの低下が見られた時は、「辞めたい」と思っているサインかも知れません。

 

面談などを通じて不満に思っている部分が無いか確認して見ましょう。

 

愚痴や不満が目立つようになった

会社の悪い部分に目がいくようになると、他の会社の良い部分と比較して、愚痴や不満を言い始めることがあります。

 

この手のパターンは周囲に対しても悪影響を与える可能性もあるので注意が必要です。

 

愚痴や不満を途端に言わなくなる

逆に会社に対する不満や愚痴を言わなくなった場合も少し注意が必要です。

 

会社に対しての諦めの感情から、何を言ってもしょうが無いというあきらめの気持ちを抱いていることもあります。

 

会社にとって必要な人材であればあるほど、具体的な交渉や面談が必要になります。

 

危険度レベル「中」 引き留めが難しく…

周囲の社員と距離を取り始める

周囲の社員との交流が減ったり、ランチに一人で出かけるようなったりなど、一人での意識が強くなっている場合は、会社を去ろうとしているサインかもしれません。

 

転職活動に踏み切っている可能性もあるので、早めにアクションを取る必要があります。

 

勤怠が悪くなった

遅刻や早退、欠勤が増えている場合は、何らかの理由を付けて転職活動を進めている可能性があります。

 

自分の仕事に対する責任感も徐々に薄れていっているので、退職に向けた具体的な行動を起こしているでしょう。

 

仕事中に私用の連絡が増えた

仕事中に私用の電話で席を外すことが増えた社員は、密かに転職活動を始めているかもしれません。

 

電話の相手は、企業の採用担当や転職エージェントの可能性もあります。引き止めるべき社員であれば、内定前に話し合いの場をセッティングしましょう。

 

危険度レベル「高」 退職間近かも?

新しい業務への関心が薄い

既に転職先が決まっている場合は、会社を辞める準備を進めているため、新しい業務への挑戦意欲が低下することが多いです。

 

新しい業務を任せようと社員に声をかけて返答を渋られた場合には、既に退職を心に決めていることもあります。

 

業務中にそわそわしている

話している時や目があった時にそわそわしている方は、退職を伝えるタイミングを見計っているため落ち着きが無いのかもしれません。

 

突然会社に来なくなってしまう可能性もあるので、じっくりと腰を据えて話す機会を設けて本音を引き出しましょう。

 

モノを整理し始めた

シュレッダーを使う機会の増加やデスク周りのモノが減ってきた時は退職のサインです。

 

ここまで来ると誰かしらに退職を報告していることが多く、既に退職日を決めて動いている場合がほとんどでしょう。

 

退職の兆候やサインを見つけた時に、転職に関して問い詰めると逆に会社への不信感につながってしまう恐れもあります。

 

周囲の社員の方が退職する社員の動きに敏感であることも多いので、何かあれば気軽に相談できるような関係性を構築することが退職の兆候に気づくために大切なことなのかもしれません。

 

実はとても大事?辞めると言われてからの対応で注意すべきこと

退職の意向に気づくことができず辞めたいと言われてしまった場合、オープンな場で問いただすのでは無く、内密に1対1で話す機会をセッティングしましょう。

 

話し合いの場で気を付けるべきポイントを3つお伝えします。

 

まずは話を聞き、辞めずに済む解決策を探す

部下が会社を辞めた理由について話し始めたら、自分の意見や見解を伝える前に一通り話を聞きましょう。

 

強い否定や強引な引き止めはむしろ退職への思いを強めてしまうことになりかねます。

 

とはいえまだ退職を踏みとどまる可能性があるのにも関わらず、簡単に退職を承諾するのも良くありません。

 

お互いの意見をぶつけ合うのでは無く、社員のビションややりたいことについてしっかり話し合うことが大切です。

 

退職の理由を全て聞いた上で、退職理由を社内で解消できる手段が思い付いたら部下に話してみましょう。

 

すぐに返事をもらうのでは無く、一度お互いに考える時間を設けるように提案します。

 

一回の話し合いで答えを出すのでは無く、複数回の話し合いで冷静に対応していきましょう。

 

話をせかさず、相手の話が終わるまで口を出さない

真面目に尽くしてきた社員が退職を告げるのはとても勇気がいることです。

 

部下が退職の話を切り出す前に、上司の方から退職を問い詰めるような切り出しをすると萎縮してしまい本音を聞き出せない可能性があります。

 

部下が退職の話を始めたら、最後までじっくりと話を聞くことが大切です。

 

退職の話はセンシティブな話題なので、反論や意見を言いたくなることもあると思いますが、部下の話が終わるまではじっくり聞きましょう。

 

途中で遮ることによって、話を続けることに対する抵抗感や、「この人に話しても無駄だな…」という諦めの感情を持つことにつながってしまいます。

 

相手の話の腰を折らないように気を付けてください。

 

上司、会社の都合を押し付けない

能力の高い人材の損失は、会社の成長にも上司の評価にも関わります。

 

「辞められたら困る」「もう少し頑張ろう」といった言葉は、部下からすると会社や上司の勝手な都合と判断されて、返って逆効果になる恐れがあります。

 

自分たちの都合を押し付けるのでは無く、辞めたいと考えている部下の気持ちに寄り添いましょう。

 

部下のことを考えて出た言葉は、もしかしたら部下の心を動かすかもしれません。

 

優秀な人が長く働きたいと思えるような会社を作りましょう。

優秀な社員に限って、周囲に兆候を見せずに突然退職を告げることも多いです。

 

優秀な社員の退職を防ぐためには、日頃から社員とコミュニケーションを取り、何かあれば相談できるような関係性を築き上げておくことが大切です。

 

また、社員の退職のケースを分析し、分析・検討・改善をすることも、優秀な社員の離脱を防ぎ強い組織を作るために欠かせません。

 

人材の流出に関して悩みを抱えている場合は、改めて社員との接し方や組織体制について振り返ってみてはいかがでしょうか。

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