ギグワークとは? アルバイトやフリーランスとの違いやメリット、注意点、仲介サービス5選をご紹介

近年、雇用契約を結ぶことなく単発の仕事をする「ギグワーク」が注目されています。

 

ギグワークは採用活動を行わないため、上手に活用すれば採用や人手不足の課題を解消できるかもしれません。

 

この記事では、ギグワークの概要やアルバイト・フリーランスの違い、メリットについて解説します。

 

ギグワークを活用する際の注意点や仲介サービスもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

 

ギグワークとは

ギグワークとは、短時間かつ単発で仕事をする働き方のことです。

 

「Gig(1度限りの演奏や短いセッション)」というスラングと、「Work(労働)」をかけ合わせた造語で、2019年頃からアメリカで使われ始めました。

 

労働者は発注者と雇用関係を結ばず、スポットで働くのが特徴で、ウーバーイーツの配達員などがギグワークにあたります。

 

なお、ギグワークで働く人は「ギグワーカー」、ギグワークで成立する経済圏のことを「ギグエコノミー」と言います。

 

ギグワークの特徴

アメリカに端を発するギグワークですが、利用企業の増加に伴い、日本でも急速に拡大しています。

 

ここでは、ギグワークの特徴を見ていきましょう。

 

柔軟で流動的

ギグワークは、1度で完結する単発かつ短時間の仕事であり、発注者との間に雇用関係はありません。

 

そのため、依頼者は必要なときだけ仕事を発注すればよく、労働者も仕事をしたいときだけ仕事を受けます。

 

このように、依頼者・労働者双方にとって柔軟かつ流動的なのが大きな特徴です。

 

インターネットを利用して仕事の受発注が行われる

ギグワークは、出前配達のように当日にならないと詳細が分からないものも多いため、アプリやサイトといったインターネットが活用されます。

 

クラウドソーシングサービスで仕事を受発注することも多いです。

 

アルバイトや派遣、フリーランスとの違い

ギグワークと、単発のアルバイトや派遣、フリーランスとの違いは、以下の表のとおりです。

 

働き方 雇用関係 拘束時間 納品義務
ギグワーク × 1時間単位 ×
単発アルバイト 1日単位 ×
単発派遣 1日単位 ×
フリーランス × 委託元による

ここでは、それぞれの違いについて詳しくご紹介します。

 

ギグワークと単発のアルバイト・派遣の違い

短期的な仕事である点はギグワークと共通していますが、「雇用関係の有無」や「拘束時間」が大きく異なります。

 

ギグワークは発注者と雇用契約を結ばずに働きます。

 

しかし、アルバイトは就職した企業と、派遣は人材派遣会社と雇用契約を結ぶため、企業と労働者の間に雇用関係が成立します。

 

また、ギグワークは時間単位で仕事が受発注されるため、一般的に拘束時間は短いです。

 

一方、単発のアルバイトや派遣は1日単位のため、ギグワークよりも拘束時間は長くなります。

 

ギグワークとフリーランスの違い

フリーランスは雇用契約を結ばずに働くため、どちらも「個人事業主」にあたります。

 

ただし、大半のフリーランスは「業務委託契約(請負契約)」を案件ごとに結んで、仕事を受注します。

 

請負契約は、成果物の納品によって報酬が発生するため、受注した業務を完遂しなくてはなりません。

 

そのため、フリーランスの仕事は専門性やスキルを要求される案件が多いです。

 

また、フリーランスはプロジェクト単位で仕事をこなすため、中長期的な仕事になることもあります。

 

一方、ギグワークは案件ごとに契約を結ぶこともなく「時間単位」で単発の仕事を受発注するため、ギグワーカーに納品義務はありません。

 

指定場所への配達など、単純な行動ノルマのみで、働いた時間分の報酬が発生します。

 

ギグワークで多い仕事の種類

ここでは、ギグワークの種類についてご紹介します。

 

配達代行

自家用車や原付バイク、自転車などを使って、荷物・飲食物を個人宅や企業に配送する仕事です。

 

荷物の配送では「Amazon Flex」「PickGo」、フードデリバリーでは「Uber Eats」「Wolt」といったサービスがあります。

 

家事代行

料理や掃除、買い出しなど、メニューが細分化されているものが多いです。

 

共働き世帯や子育て世帯を中心に、家事代行サービスの利用者が増加しています。

 

また、ベビーシッターや犬の散歩といった代行サービスもあります。

 

事務作業などの単純作業

データ入力や書類作成、電話・メール対応といった事務作業をはじめ、ポスティング、引っ越し作業、イベントサポートなどの仕事が多いです。

 

特別な知識やスキルは必要ないので、ギグワーカーも気軽に仕事を受けられます。

 

クリエイティブ

ギグワークには、デザイン、ライティング、写真撮影、動画編集など、クリエイティブ関連の仕事も多々あります。

 

こうしたクリエイティブな仕事や、オンラインレッスン、コンサルティングといった仕事には、ある程度のスキルが求められるため、専門性が高いほど単価も高くなります。

 

ギグワークが普及してきた背景

ここでは、ギグワーク普及の背景についてご紹介します。

 

人手不足

近年日本では、少子高齢化の影響で多くの企業が人材確保に苦戦しており、深刻な人手不足に陥っている企業も多いです。

 

人手不足による業務の滞りは業績にも悪影響を及ぼすため、少しでも労働力を確保できるよう、ギグワークを活用する企業が増えています。

 

特に、新型コロナウイルス感染症拡大によって、通販やフードデリバリーの利用者が急増したため、ギグワークには配達員の仕事が多いです。

 

副業容認の増加

これまで、多くの企業が副業を禁止してきましたが、働き方改革の推進によって多様化が進み、副業を容認する企業が増えました。

 

また、新型コロナウイルス感染症拡大も副業容認の流れに大きく関係しています。

 

休業による労働者の収入低下を防ぐために副業を認める企業が増えことで、すきま時間を利用して働くギグワーカーも増加したのです。

 

テクノロジーの技術革新

テクノロジーの技術革新もギグワークが普及した要因の一つです。

 

テクノロジーの技術革新により、デジタル化が進みスマートフォンも普及したため、オンライン上で仕事をマッチングさせるプラットフォームサービスが増加しています。

 

オンライン上で簡単に仕事の受発注ができるようになったことで、企業と労働者共にギグワークを利用するハードルが下がったため、普及しました。

 

ギグワーカーを活用するメリット

では、企業がギグワーカーを活用するとどういったメリットを得られるのでしょうか。

 

人件費を削減できる

企業が人を雇う場合、採用コストや教育費用の他、毎月の給与、社会保険料、福利厚生費などの諸費用が発生します。

 

一方、ギグワークは労働者と雇用契約を結ばないため、支払う費用は労働時間に対する報酬と仲介サービス手数料のみです。

 

また、有給休暇の対象からも外れるため、ギグワーカーを活用すると人件費の大幅な削減につながります。

 

労働力を調整しやすい

ギグワークの仕事は、時間単位もしくはタスク単位です。

 

必要なタイミングで必要な分だけ仕事を依頼できるので、繁忙期や急な退職、欠勤で人手が足りないときでも労働力を確保できます。

 

労働力をコントロールしやすいため、閑散期中でも必要以上に労働力を抱えることもありません。

 

スキルやレベルを指定して募集をかければ、即戦力人材を効率よく集めることも可能でしょう。

 

生産性向上につながる

アウトソーシングしても問題ないノンコア業務をギグワーカーに依頼すれば、自社従業員の業務負担を大幅に軽減できます。

 

自社従業員はその分コア業務に注力できるため、新たなアイデア創出やビジネス拡大のチャンスが生まれ、生産性向上につながります。

 

ギグワーカーを活用する上での注意点

ギグワーカーを活用すると多様なメリットを得られますが、ギグワークの特性上、いくつか注意しなくてはならない点も存在します。

 

トラブル防止のためにも、注意点を把握しておきましょう。

 

分かりやすいマニュアルを用意しておく必要がある

継続的な雇用を前提としているアルバイトなどと違いギグワークは単発で仕事を依頼するため、基本的にギグワーカーへの教育・育成は行えません。

 

また、仕事の受発注もオンライン上でやり取りすることになるので、ギグワーカーのスキルや人間性を把握するのは困難でしょう。

 

ギグワーカーによって品質にばらつきが出る可能性が高いため、依頼する際は誰でも理解できるような、分かりやすいマニュアルを用意しておく必要があります。

 

情報漏えいの可能性がある

ギグワークは、仕事の受発注をはじめ、納品や連絡といった仕事上のやり取りまでオンライン上で行うことも多いです。

 

依頼しているギグワーカーと、一度も顔を合わせずに終わることも珍しくありません。

 

ギグワーカーがセキュリティの低いデバイスで仕事をしていれば、ウイルス感染や外部からの攻撃などにより企業の情報が漏えいする可能性があります。

 

また、送付先のミスや情報持ち出しによる情報漏えいリスクもあるため、発注する内容の精査や情報管理の見直しは必須でしょう。

 

発注の仕方を工夫する必要がある

ギグワーカーを活用する際は、発注の仕方を工夫しましょう。

 

というのも、求める条件が多くなるほど受けられる人は減り、労働者とマッチングされない可能性が高まるからです。

 

例えば、データ入力の業務なら期限の設定だけで済むため「指定の時間にオフィスに出社してデータ入力」よりも「いつまでに提出」の方が集まりやすいでしょう。

 

同様に、「5:00~14:00の勤務」より「5:00~9:00」「10:00~14:00」など、細分化した方が集まりやすくなります。

 

このように、発注の仕方で集まりやすさが変わるため、ギグワーカーを活用する際は、不要な条件をできる限り省き、タスクを細分化することが大切です。

 

ギグワークの仲介サービス5選

最後に、ギグワークの仲介サービスを5つご紹介します。

 

GiGWorks Basic

GiGWorks Basic

 

ギグワークスベーシックへの求人掲載は無料で、報酬設定も自社で行えるため、コストを削減できます。

 

また、チャット機能を利用すれば、直接ギグワーカーとコンタクトを取れるため、チャットでのやり取りやプロフィールからある程度判断できるでしょう。

 

URL:https://basic.gig.co.jp/

 

Timee

Timee

 

タイミーは、「働きたい時間」と「働いて欲しい時間」をマッチングするスキマバイト募集サービスで、業種を問わず多くの企業が利用しています。

 

230万人超のワーカーのうち、スキル保有者も数多く登録しているため、即戦力人材の確保も可能です。

 

最短で申し込み当日から利用でき、求人の作成も簡単な情報入力のみとなっており、掲載料はかかりません。

 

また、直前キャンセル者へのペナルティポイントや、無断欠勤者の永久利用停止といったワーカーの質を担保する策も講じられているため、安心して利用できるでしょう。

 

URL:https://timee.co.jp/business/

 

シェアフル

シェアフル

 

シェアフルは、「すぐに働きたい個人」と「すぐに働いてほしい企業」をマッチングするスキマバイトアプリです。

 

最短翌日から求人募集が可能で、成果報酬型のため求人掲載費用はかかりません。

 

給与振り込み代行や給与即払い、スカウト機能、QRコード勤怠など、多様なオプションも用意されているため、ニーズに合わせて柔軟に利用できます。

 

URL:https://sharefull.com/client/

 

CrowdWorks

CrowdWorks

 

クラウドワークスは、日本最大級の会員登録数を誇るクラウドソーシングサービスで、会員登録料や仕事の依頼料はかかりません。

 

取引後には発注者と受注者の相互評価が行われ、身分証明書などによる本人確認で、ワーカーの実績・信用を可視化しています。

また、機密保持契約(NDA)を結ぶことも可能なため、安心して利用できるでしょう。

 

URL:https://crowdworks.jp/for-employer

 

Lancers

ランサーズ

 

ランサーズはクラウドソーシングサービスで、1法人につき月額3万円から利用できます。

 

ワーカーごとのウイルス対策などのセキュリティ状況確認や、秘密保持の徹底、24時間365日体制のサポート窓口も用意されています。

 

後払いやクレジットカード、PayPal、銀行振り込みといった多様な支払い方法にも対応しているため、使い勝手が良いのが特徴です。

 

ベンチャーから大手企業まで40万社以上が利用しており、2018年には「満足度」「リピート率」「運用実績」でNO.1を獲得しています。

 

URL:https://www.lancers.jp/

 

ギグワーカーを活用して効率アップ

ギグワークは短時間の仕事を単発で依頼できるため、人件費を抑えつつ、労働力もコントロールしやすいです。

 

ノンコア業務を依頼すれば、自社従業員はこれまで以上にコア業務に注力できるようになるでしょう。

 

ただし、あらかじめ分かりやすいマニュアルを用意しておく、情報漏えいリスクに備えるなど、ギグワークの特性に応じた対策も講じる必要があります。

 

ギグワークのメリットや注意点を把握した上で、必要に応じて利用検討してみてはいかがでしょうか。

 

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