日本企業の多くが「専業」を規則としている一方で、副業解禁に踏み切る企業が増加傾向にあることをご存じでしょうか。

 

しかし副業への認識が不足していると、今後どのような判断を下せばいいか悩みますよね。

 

ここでは「社員の副業」を認めることによる企業側のメリットとデメリットについて、実例と共にお話ししていきます。

 

副業とは

副業とは、他社に雇われたり自ら事業を営んだりすること、サイドビジネス・兼業とも呼ばれるもので、一般的には収入額の大小に関わらず「本業とは別に収入を得ている仕事すべて」を指します。

 

ただ、実を言うと、副業についての公的な定義は存在していません。

 

言葉の捉え方は企業によって違うので、中には収入が少なければ副業とはみなさない企業があるのも事実です。

 

そもそも、なぜ社員は本業以外でも収入を得ようとするのでしょうか。

 

終身雇用や年金問題への不安から、「もしもの時に備えたい」と思う社員が増えたことや、クラウドソーシングやオークションのような気軽に始められる副業が増えたことなどが主な理由だと言えます。

 

このような社会的背景がある中で、企業は副業を解禁するに当たってのメリット・デメリットがあることをきちんと念頭に置く必要があります。

 

企業が副業を禁止する理由

なぜ多くの企業は、就業規則で「副業禁止」と明記しているのでしょうか。

 

そこには、大きく分けて4つの理由があります。

 

  1. 本業に支障を来す恐れがある

     

  2. 副業内容が本業の競業となる恐れがある

     

  3. 信用問題に関わる恐れがある

     

  4. 企業内の技術・情報が外部に漏れる可能性がある

これらはすべて「副業をされることで企業につくマイナスイメージ」を恐れたものだと言えます。

 

例えば遅い時間まで副業をし、その疲労から本業が疎かになるというケースがあります。

 

他にも、マルチ商法や反社会的組織との関係を持つ業種や、本業と競合する企業の業務に携わることなどが問題視されています。

 

副業はあくまでも「本業を主体として、本業に影響が出ない範囲で行う仕事」であるべきですが、そうではないケースも懸念されるということです。

 

副業が個人・企業に与えるメリット

一方で、副業を認めることにより得られるメリットもあります。

 

本業以外の仕事には、「本業で得た知識を活かした副業」と「全くの異業種での副業」の2種類があります。

 

これらは結果的に、非常に優秀な人材を育てる良い機会となるのです。

 

前者では更なるスキルアップ、後者では新たなスキルの習得ができるので、どちらも本業において生産性の向上や新しいアイデアを生むことに繋がります。

 

社員が自らの意志で成長し、企業側に利益をもたらす…いわば「コストゼロの社員研修」です。

 

一つの企業に勤める社員から年金問題や老後資金、リストラなど「金銭面」での不安を取り除くことは困難です。

 

このような社会の状況に対して、副業を始める社員は今後も確実に増えていきます。

 

優秀な人材が副業を認めている企業に転職…なんてことは避けたいですよね。

 

社員の定着率アップのために、副業解禁を検討するのも一考でしょう。

 

副業を取り入れた企業の事例

最後に、副業を取り入れた某2社の実例をご紹介しましょう。

 

まずは、2016年に副業を解禁したA社から。

 

自ら考え行動する人材の育成を目的とし、「社外チャレンジワーク」という副業を認める制度を採用しました。

 

社外で様々な経験をしたり、違った考えに触れることで、自立・自走する社員を育てることに成功しています。

 

一方B社では2009年に、休業日にのみ8時間以内の副業を一部容認しました。

 

当時の景気悪化に伴い、社員の賃金カットなどが行われていたことから「生活費の補填」をすることが大きな理由でした。

 

他にも、副業を通して自立心や利益の得方についてのノウハウを学んでもらうためなど、様々な目的で副業を取り入れる企業があります。

 

そこで重要なのは、本業の会社情報やシステムなどの漏えいの禁止、職種の限定をするなどをして、企業にとって副業がデメリットとならないような規定を事前に設けることです。

 

副業解禁が企業に良い影響を与えるかどうかは、やり方次第なのかもしれません。

 

副業解禁は企業にとっても大きなメリットがある

今回は社員の副業を解禁した場合の企業側のメリットとデメリット、導入事例についてご紹介しました。

 

「副業の解禁」は、社員のスキル向上や定着率アップに繋がる一方で、企業の信用問題、従業員の勤怠状況の悪化などの可能性が出てくるというデメリットもあるのが現実です。

 

しかし、解禁範囲や運用方法をきちんと確立させれば、個人にとっても、企業にとっても良い影響をもたらしてくれることでしょう。

 

今こそ「副業」に目を向けるときです。

 

これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、副業を取り入れるか否か検討してみてはいかかでしょうか。

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