「転職フェア」という言葉を聞いたことはありますか。
聞いたことはあり、どんなものかも知っているけれど実際に参加したことはないという方も多いのではないでしょうか。
「転職フェアってなに?」という方にもご理解いただけるように、イチから参加のメリットや参加に際しての準備などをご説明していきます。
転職フェアとは
転職フェアは転職希望者を対象に開かれる合同企業説明会の総称です。
東京・名古屋・大阪・福岡など、主要都市近辺で開催されています。
様々な求職者との交流を目的に、中途採用を考えている多くの企業が出席しています。
同時に、著名人やキャリアコンサルタントによる講演会やキャリア相談コーナーなども開催されます。
企業の人事・採用担当者は会社の概要や募集職種に関する情報を明記した資料を持ち、ブースと呼ばれるスペースで転職希望者とコミュニケーションを取ることができます。
転職フェアの中でも著名な『DODA転職フェア』の案内によると、来場者のおよそ半分は25~34歳以下の転職希望者が占めています。
また、転職回数の少ない来場者が多いことも特徴で、転職を機にいろいろな業界を見てみたいという来場者も多いです。
転職フェアに参加するメリット
ハローワークや求人広告にはないメリットが転職フェアにはあります。下記はその一部です。
採用までのスピードが最速
一般的な採用活動であれば、求人情報を公開し、求職者からの応募を経て書類選考や面接などを行う必要があります。
しかし転職フェアでは、その日初めて会った転職希望者に直接事業の強みや働くメリットを説明でき、興味を持ってくれた転職希望者とその後面接→内定と、スピーディに選考を進めることが可能です。
転職市場のマーケティングができる
多くの転職希望者から疑問・質問を寄せられることで、市場のニーズや自社の強み、弱みを把握できます。
初めての顔合わせが採用面接だと、選考への影響を気にして突っ込んだ質問がしづらいですが、転職フェアでは求職者もざっくばらんな質問をしやすいのです。
質問された内容をまとめ、採用活動に反映させる意味でも、転職フェアへ参加する意義はあります。
募集職種の制限がない
求人広告だと一原稿一職種といった制約がありますが、転職フェアで募集できる職種の数に限りはありません。
募集職種が多いほど興味を持ってくれる転職希望者の幅も拡がるため、できるだけ多くの職種を掲載するのがお勧めです。
参加準備のポイント
様々なメリットがある転職フェアへの参加ですが、メリットを充分に得るためにはしっかりとした事前準備が不可欠です。
事前に準備しておくべきツール
・会社のパンフレット
・会社説明用のPowerPointなどの資料
・会社説明用の動画
・会社説明用の端末(タブレットなど)
・その他ノベルティ
多くの企業・業界を見たいと考えている転職希望者の印象に残るためには、限られた時間の中で効果的なアピールを行う必要があります。
そのために、会社説明用のツールの準備は必須です。
現場で働く社員の協力も仰ぐ
転職希望者のニーズとして、どんな人と一緒に働くことになるのかというものであります。
入社後のイメージを喚起する目的で、人事・採用担当者だけでなく採用に携わる現場の社員や、採用に決定権を持つ経営陣の参加も仰ぎましょう。
会社全体で採用を行うという連帯感も生まれ、採用活動を進めやすくなります。
フェア当日のポイント
来場者の気持ちに寄り添う
転職フェアに参加する来場者の多くが転職に強い意欲を持っているわけではありません。
転職活動を始めたばかりで、右も左もわからないという人もいます。
だからこそ、キャリア相談コーナーや講演会にも多くのニーズが集まるのです。
そうした方々の揺れる気持ちを掴み、採用まで持ってくることができればベストです。
業界の現状を丁寧に説明するのも、転職経験のある社員自ら入社後の流れや今の仕事のやりがいなどを説明するのも一考です。
ぜひ転職希望者の気持ちに寄り添いつつ、アプローチの方法を考えていってください。
欲しい人材が訪ねてきたときの対応
転職フェアでは、その場で面接の日程調整を行うのも内定を出すのも自由です。
いきなり内定を出すといって戸惑われては本末転倒ですが、求人サイトに登録していない転職希望者にも直接アプローチをかけられる転職フェアの特徴は充分に活用すべきです。
ターゲット層に当てはまる人材がブースを訪ねてきたときは、相手が自社の環境に興味を持ってくれているかを見極めながら、選考に関する話を切り出してみましょう。
まとめ
求める人材にアプローチできるだけでなく、転職市場の現状や自社の課題を見出し、採用力を向上させることもできるのが転職フェアです。
参加にはそれなりに費用がかかりますが、それに見合ったメリットを得ることができ、いたずらに求人広告を制作するより大きな効果を得られることもあります。
企業として見聞を広げる目的で一度参加し、転職希望者への情報提供に努めながら、自社の採用活動を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。