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企業が持続的な経営を行うためには、新卒の採用は必要不可欠です。
中でも、高卒採用を積極的に見直す企業が増えています。
高校新卒者は、大学卒業者と比べて経験が浅い傾向がありますが、社内で教育することで有益な人材として活躍してくれる可能性があるでしょう。
本記事では、そんな2026年の高校新卒者の採用スケジュールやルールについて、わかりやすく解説していきます。
採用担当者の方は是非参考にしてみてください。
高卒採用について
近年、人手不足を背景に、高卒採用を積極的におこなう企業が増えています。
実際に高卒採用の倍率は、近年高まっているのが特徴です。
企業が人材を確保に向けて、積極的に取り組んでいる様子がうかがえます。
この項目では、高卒採用について下記の内容を詳しく解説します。
・高卒採用は年々増加している
・高卒採用と大卒採用の違いは?
高卒採用は年々増加している
企業は人材不足を背景に、高卒採用を見直し始めています。
厚生労働省が公表した2024年のデータによると、高校新卒採用の求人数が増加していることがわかります。
厚生労働省のデータによれば、2024年の高校新卒採用の求人数は「約46万5,000人」、求職者数は「約12万6,000人」となっています。
さらに求人倍率は3.78倍と、前年と比較しても高い水準となりました。
10年前の2014年には、高校新卒採用の求人数は25万人だったため、この10年で1.8倍程度増加したことがわかります。
高卒採用が増加した理由は「採用コストが抑えられる」「将来的な成長が見込める」といったメリットが挙げられるでしょう。
参考資料:高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況(令和6年度)
高卒採用と大卒採用の違いは?
高卒採用と大卒採用には、大きく違いがあります。
それは、「自由度の違い」です。
高卒採用では、採用時期や応募手段がほぼ同一であり、応募から内定まで一貫して学校を通しておこなわれます。
一方、大卒採用は一定のガイドラインはあるものの、企業独自の基準で採用時期や応募手段を柔軟に設定することが可能です。
このように、高卒採用は基本的に横並びで採用活動が基本となるため、スケジュール管理やルールの理解を深めておく必要があります。
採用のスケジュール
高卒採用はルール化された特有のスケジュールでおこなわれています。
これは、行政・主要経済団体・学校組織の三者による協定に基づいて定められているものです。
そのため、企業は定められているルールの内容を理解したうえで、採用活動をおこなう必要があります。
具体的な高卒採用のスケジュールとしては、下記の通りです。
学年 |
時期 |
学生 |
採用活動 |
2年 |
1月~3月 |
三者面談 |
郵送・高校訪問 |
3年 |
4月~6月 |
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7月 |
7/1求人票公開開始 |
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8月 |
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9月 |
9/5応募書類 提出開始 9/16採用選考開始 |
面接・内定 |
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10月~2月 |
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3月 |
卒業式 |
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卒業後 |
入社 |
入社 |
7月1日に求人票の公開が始まり、9月頃には学生が応募書類を提出します。
企業は、応募書類の内容から面接・内定の判断をおこない、採用者を決めるスケジュールを立てましょう。
ただし、スケジュールは都道府県や高校によって微妙に異なります。
そのため採用活動をおこなう前に、採用活動のスケジュールを確認し、計画を立てることが大切です。
高卒採用で知っておくべきルールについて
高卒採用は、大卒採用とは違い独自のルールが設けられています。
採用活動をおこなう際は事前にルールを把握しておき、定められた内容に基づいて進めていきましょう。
高卒採用で知っておくべきルールとしては、下記の通りです。
「三者間ルール」とは
高卒採用と大学採用との違いは、三者間ルールです。
三者とは、高校・経済団体・県と県の労働局を指しています。
毎年3月頃、翌年の応募や選考に関する申し合わせを各県の立高等学校長協会、経営者協会や商工会議所、県労働局が発表するので、その内容に合わせて求人応募を出さないといけません。
このルールは、全国で統一されているわけではなく、地域ごとにことなります。
そのため、事前に内容を確認したうえで対応する必要があります。
「一人一社制」とは
高校生には1度につき、1社だけ応募できる独自のルールが設けられています。
同時に複数の企業に対して選考が受けられないので、内定が決まった後の辞退が起こりにくいのが特徴です。
ただし、一人一社制は職業選択の自由を縛る原因となるため、早期退職に繋がる恐れがあります。
そのため、一部地域では二社までは応募可能といったルールもあるようです。
基本的には高卒採用は一人一社制となっていますが、状況によっては二社まで応募できることを把握しておきましょう。
応募書類は「全国高等学校統一応募用紙」で
高卒採用では「全国高等学校統一応募用紙」を使用します。
企業独自のエントリーシートは利用できないので、共通様式を利用しましょう。
「全国高等学校統一応募用紙」が発行された理由は、差別的項目の排除や公平性を目的として導入されています。
令和2年には、性別欄も廃止されるといった試みを行っている「近畿統一応募用紙」もあり、「全国高等学校統一応募用紙」とは少し内容が異なるようです。
求人票にはハローワークの確認印を
高卒採用の求人票には、基本的にハローワークへの求人申し込みが必要です。
確認印の押印がない求人票では、採用に進めない可能性があります。
これを守らず進めると、円滑に採用活動に進めないため、しっかり確認しておきましょう。
直接連絡は禁止
高卒採用では、企業は高校生に直接連絡をとることは禁止されています。
全て高校経由で連絡を取る必要があるので、しっかりルールを順守しましょう。
これは高校生が意思決定する際に、企業からのアプローチがあると、決意が揺らいでしまう恐れがあるからです。
内定した後も学校生活に専念できるよう、高校生の気持ちを配慮したルールとなっています。
書類選考のみでの合否判定の禁止
高卒採用では、書類選考のみで合否を判定するのは禁止されています。
選考する際には、面接を含める必要があるのが注意点の一つです。
面接や、適性検査、作文などを組み合わせて選考する企業も増えています。
書類選考のみで判断せず、高校生の能力や適性を公正に判断しましょう。
また、実際のテストや適性検査次第で、どのような人材か詳しく見極められるため、細かく能力を判断できます。
まとめ
高卒採用を導入する企業は年々増加傾向にあります。
しかし、大卒採用とは違い事前に定められているルールがあるため、事前に確認しておきましょう。
また、高卒採用を進める際は、書類選考のみで判断できないため、企業は採用活動を慎重におこなう必要があります。
今回紹介した高卒採用のスケジュールを参考に、2026年卒の高校生の採用に役立ててみてください。