転職のハードルがどんどんさがり、売り手市場が続く近年、中途採用のメインターゲットを20~30代としている企業も多いはずです。
では、そんな20~30代を狙い通り採用・定着させるにはどうしたら良いのでしょうか。
ミレニアル世代と言われる20~30代の価値観や特性を見ながら採用する際のポイントを考えていきます。
ミレニアル世代とは
具体的にどの世代を指すのかについては諸説ありますが、1980年代から2000年初めまでに生まれた現在20~30代の世代のことを指します。
ミレニアル世代の大きな特徴は、インターネットの普及やIT技術の進歩と共に成長してきたデジタルネイティヴであるということです。
収集・発信をインターネット・SNS上で積極的に行い、SNSなどを通じて友人との共感を重視しています。
他者からの評価に対する強い意識から承認欲求や自己顕示欲が高い傾向があります。
個人が簡単に世界中のネットワークに繋がり、様々な価値観に簡単に触れることが当たり前の現在で成長したミレニアル世代は、所属企業や勤務形態に縛られることを嫌い、自由を求める傾向があります。
仕事に求めること
ミレニアル世代にとってキャリアの最優先事項は「高い収入を得ること(58%)」、今後伸ばしたいスキルは「専門的な職業スキル(37%)」(「ミレニアル世代のキャリア調査」より)、いう調査結果が出ています。
2008年のリーマン・ショックをはじめとした金融危機など、厳しい経済環境の影響を若年期に受けているミレニアル世代は経済的な安定を求めて、高い収入を求める傾向があります。
これは他者からの評価に強い意識を持つミレニアル世代にとって目に見える評価のカタチとしてモチベーションに繋がっています。
また他者に認めてもらうため自身のブランディング力に長けているミレニアル世代は、いかにスキルを習得し自身のためにキャリアを築けるかということに重きを置いているのです。
採用のポイント
複数のSNSを使いこなすミレニアル世代は、毎日インターネットの利用に相当な時間を費やしています。
ミレニアル世代の採用を行うにあたって、企業ホームページやSNSの利用は企業ブランドを体現する最も重要なツールと言えます。
インターネット上での訴求は採用の大きなポイントです。
専門的な職業スキルの習得を求めるミレニアル世代は研修や講習内容をしっかりと打ち出すことや、具体的なキャリアプランを示すことが重要です。
しかしインターネットで採用情報を発信できる反面、手軽に情報を取得・発信することに慣れているミレニアル世代は簡単に企業情報を拡散・共有することができます。
だからこそ企業のマイナスとなりうる情報の取り扱いには気をつけなければいけません。
育成のポイント
先に挙げたように、ミレニアル世代は専門的な職業スキルの習得や自己成長を重視しているため、自身の成長のための学習意欲が高く、個々の能力をさらに伸ばしていけるような環境を求めています。
ミレニアル世代のモチベーションを保ち育成していくためには、スマートフォンなどで手軽に学習できるWebコンテンツの導入や、不足しているコミュニケーション能力などの対人関係スキルを磨く機会を提供し、自己成長やスキル習得のできる環境を整えることが必要となります。
しかし環境の提供だけではなく、成長やスキルの習得に合わせて高い頻度でのフィールドバックや具体的な報酬提示も重要なポイントとなります。
またスマートフォンの手軽さやインターネットの普及によって瞬時に様々な情報を手に入れることのできるミレニアル世代は「意味」や「本質」への要求が強いため、仕事の意味や本質を明確に示し続けることがミレニアル世代の定着率の高さに繋がっていきます。
まとめ
ミレニアル世代が労働力人口の中核を担う現在。彼らの就労満足度が企業を大きく左右していくと言っても過言ではないでしょう。
承認欲求が高いからこそ他者からの評価のためなら努力を惜しまないミレニアル世代にとって、自己成長の場と高い頻度での評価の提示が必要不可欠となります。
今一度採用手法や研修体制、評価の制度を見直してみてはいかがでしょうか。