日本では毎年4月末から5月初めにかけた土日・祝日を含めた休日の多い期間をゴールデンウィークとして、毎年多くの方が帰省や行楽などを楽しんでいます。
そんな大型連休が2021年では最大11連休になります。
この大型連休は果たして日本にとってどんな影響を与えるのでしょうか。
2021年のGWが最大11連休になる?
平成31(2019)年4月30日の天皇陛下の譲位に伴い、皇太子さまが即位したため、「令和」へと改元されました。
即位を宣言する「即位礼正殿の儀」が行われたため、政府提出の「即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」に基づき、5月1日が「祝日」となりました。
そのため、4/30(金)、5/6(木)、5/7(金)の3日間を休日にした場合、4/28(木)~5/9(日)の最大11連休が生まれるのです。
10連休が「嬉しくない」声も多い
なかなかまとまった休みを取りにくい会社員や一部業界では、今回の連休に関して歓喜の声が上がっていますが、「嬉しくない」と言った声も多く聞こえているのが現状です。
世界最大級の総合旅行サイト・エクスペディアの日本語サイト、エクスペディア・ジャパンでは2018年10月に20代~50代の社会人経験のある男女400名にアンケート調査を行った所、46%は「嬉しくない」という結果でした。
「嬉しい」と答えた54%中の82%は公務員や団体職員であり、暦通りの休みが確約されている職業にとっては嬉しいものかもしれません。
しかし「嬉しくない」と答えた54%中の75%は医師や弁護士、会計士などの専門職で「祭日も仕事なうえ、人手不足で忙しくなる」という回答が出ています。
特に現在はコロナウィルスのまん延により外出自粛が求められる事態となっており、遠出なども難しいことから、より連休に対する喜びも薄れていると考えられるでしょう。
10連休によるメリット・デメリット
では実際に、社会全体でどんなことが起きるのでしょうか。
メリット
-
まとまった休みで国内外含め、旅行に行きやすくなる。
-
観光施設など人の動きが活発になることにより経済が回る。
デメリット
-
国内線や新幹線、長距離バス利用者の増加による混雑。価格の高騰。
-
自家用車での移動も増えるため、高速道路の例年以上の渋滞。
-
大型連休前の駆け込み需要による配達状況の乱れ。
-
医療機関も休みとなるため、急な病気・怪我による医療難民の出現。
-
銀行の窓口の長期閉鎖。
- 人が集まる施設では厳重なコロナ対策が求められる。
前例のない大型連休により、テーマパークをはじめ大型量販店やスーパーなど仕入れ数の判断が難しく、場合によっては連休後半には商品がほとんどないのではないか、という懸念もされています。
これは仕入れ数の問題だけではなく、製造から運送に関わる企業の休暇によっては様々な場所で発生する問題の一つではないでしょうか。
そして、何よりも問題視されていることは“人手不足”です。
イベントやサービス業は連休で人の動きが活発になる反面、多くの社員が休暇を取る可能性もあります。
しかし消費する側は確実に増えるため、人員不足は免れません。
また、人が集まるような施設ではコロナウィルスがまん延しないよう厳重な対策が求められます。
そのため、余計に業務量が増えてしまい、人手不足に悩むことも予想されますので、そういったところまで考えてしっかりと対策を練りましょう。
売上や業務量の管理にも注意が必要
先にあげているように11連休の課題は、“人員の確保”と“仕事をどう回すのか”という点です。
学校が休みになる確率も高いため、子どもがいる場合には仕事を休まなければいけないという方も出てきます。
当然、その他にもやむを得ない理由で出勤が難しくなる方もいるでしょう。
そのため、稼働人数と業務量の調整に注意が必要です。
イベント・サービス業では人手不足対策のために、例年よりもGW中の人員確保を短期バイトによって考えている企業も増えています。
しかし、フリーターや学生などのアルバイトを増やすことによって、人員確保の問題はクリアできたとしても、それを管理する業務をはじめ、一人ひとりに掛かる社員の業務量は増えていくでしょう。
この他にも、人員の問題だけではなく、単純な稼働時間の問題によって、例年より月次売上が減少する企業は少なくないはずです。
そのため、売上予算の見直しをはじめ、当月での対策・前後月での対策などを意識的に行う必要があります。
こうした問題点を受けて、企業によっては連休中の勤務は特別手当を支給する、振替有給休暇を付与するなどの対策を考える動きも出てきています。
企業毎にGWを休みとして扱うのか、営業日として扱うのか、その選択によっても、取るべき対策が変わっていきそうです。
GWは各自しっかりと対策をして満喫しましょう!
2021年のGW最大11連休。
世間が連休モードならば、誰もが休みたいと思うでしょう。
だからこそ、業務量をはじめ代休制度など前もって対策、対応を考えていくことが必要となります。
コロナ禍で外出も難しい状況もありますが、企業の方は人手不足対策を考え、個人の方はしっかりと感染予防対策をしてGWを満喫しましょう。