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■ジョブローテーション制度とは何か

ジョブローテーション制度とは1人の従業員に、自社内に存在するさまざまな部署や業務を一定期間ごとに経験させていく制度です。

 

一見すると組織の中の人事異動や配置換えのように見えますが、ジョブローテーションとの違いは人事戦略や人材育成の取り組みの一環である点です。

 

ではジョブローテーションの目的について更に詳しく見てみましょう。

 

目的は対象の人物や企業の方針によって異なりますが、先程あげた「人材育成」をはじめ「企業全体の把握」「属人化の防止」の3点が一般的です。

 

【人材育成】

企業内のさまざまな職種や部署を経験させることができるため、新入社員研修として使用される場合や、将来の経営幹部候補を対象に能力・スキルの開発のために用いることもあります。

個人の強みを理解するという点でも有効な施策と言えます。

 

【企業全体の把握】

従業員がそれぞれの部署で様々な職務を経験することで、企業の全体像を把握することができます。

幅広い視野を得ることで、偏りや固定されがちな環境の再構築や新しいアイデアの喚起も期待できます。

 

【属人化の防止】

社内で特定の人物しかできない仕事があることは、業務の偏りに繋がります。

また、その社員が退社した場合、変わりにできる人がいないこともリスクの一つとなります。

ジョブローテーションを利用し、複数人その業務を行えるようにすることで業務の偏りが解消、負担の軽減にもなります。

 

 

目的によって期間の変動はありますが、新人研修や企業全体の把握の場合は各部署3~6ヶ月を目安に、幹部候補の育成を目的としたものに関しては1~3年ほどの時間をかけて行います。

 

 

■ジョブローテーション制度のメリット

企業・人事にとってのジョブローテーション制度の最大のメリットは「適材適所」の配置が可能になることです。

 

企業の組織力にも関わってくる人材配置。

 

ジョブローテーションを行うことで強みと苦手分野を理解し、適材適所の配置制度を高めることが可能になります。

 

異動先での「従業員同士のネットワークの構築」もメリットの一つです。

 

社内ネットワークの構築により、部署を越えた連携を取ることが可能となり、社内の一体感や生産性の向上にも繋がります。

 

こうしたジョブローテーションを実施することで幅広い業務の理解を得て、総合的な判断ができる社員が増えるという点もメリットの一つと言えるでしょう。

 

社員にとっても人間関係やルーティンワークからの解消、高いモチベーションの維持などのメリットが考えられます。

 

更にジェネラリストとして活躍のフィールドを広げることも期待できます。

 

 

■ジョブローテーション制度のデメリット

対して企業側にとって懸念点やデメリットは教育に時間や工数が掛かるという点です。

 

企業によっては制度の導入に合わせ、人事評価や給与決定フローの見直しも必要となります。

 

様々な職種・部署を経験するということは、受け入れる部署にとっても引継ぎ・教育期間が必要となり、場合によっては業務ペースのダウンに繋がる場合もあります。

 

ジョブローテ―ション対象者によっては年次や経験を加味したローテーションを組むというコストも発生してきます。

 

時間や労力を費やしたジョブローテーション制度も本人が望まない異動の場合はモチベーションダウンに繋がり退職に繋がる恐れもあります。

 

社員としても、その職種のスペシャリストを目指す人にとってはジョブローテーションでの経験がマイナスに繋がる場合もあります。

 

 

■導入企業事例

先にあげたメリット・デメリットを考慮した上でジョブローテーション制度に向いている企業・不向きな企業があります。

 

<向いている企業例>

・業務が一連の流れで繋がっている企業

工程の前後を知ることで、スムーズに業務が行えるようになります。

 

・様々な業務の経験、現場と本部を行き来して蓄えた知見を別の部署で活かせるケースが多い企業

 

・幅広い知識が商品やサービスに集約されている、専門知識を幅広く有した方がいい企業

できることとできないことを理解することで、顧客や他部署との折衝などスムーズに進めることができます。

 

・文化を一つにしたい企業(M&Aを行った企業や店舗、地方支社が多い企業など)

 

<向いていない企業例>

・専門性が高く、その知識やノウハウ、資格の習得に時間が必要となる業種

 

・請け負うプロジェクトが長期間にわたることが多い企業(コンサルティング会社など)

 

 

実際にジョブローテーションを取り入れ成功している企業を紹介します。

 

◎「ヤマト運輸株式会社」の事例

同社は「現場主義」というキーワードを重視し、現場での気付きが新しいサービスに繋がるという考えのもとローテーション制度を実施しています。

 

初めの1年目は顧客の最前線の現場である宅急便センターなどで経験を積んだのち、主管支店や支店、本社などへのキャリアを積んでいくケースです。

 

同社は企業のサービス内容としてもジョブローテーション向きであり、更にジョブローテーションを行うことの目的をしっかり明確化することで、社員にとってもローテーション制度に対して良い印象・モチベーションの向上に繋げられたことが、成功の要因と言えるでしょう。

 

 

■まとめ

最近では学生へのPRとして、ジョブローテーション制度があること自体が「様々な経験を積ませてもらえる」という印象を与える効果を出している場合もあります。

 

しかしメリットだけではなく一定のデメリットも持つ制度だからこそ、企業の性質や時期、目指す育成方針をしっかりと固めた上で制度を設計していくことが重要と言えるでしょう。

 

また、実際に制度の運用が上手くいっていないと感じている場合は、メリットを十分に活かしデメリットを解消できるよう規定を一度見直してみては、いかがでしょうか。

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