「合格者にだけ通知をする」「不採用者にも通知をする」など応募者との面接後、企業によって様々な取り決めがあると思います。

 

昨今では多くの企業が不採用者に対してもメールや書面で通知をしていますが「忙しい業務の合間をぬって不採用通知を送るのは手間」と感じている人も多いのではないでしょうか。

 

では、なぜ手間をかけてまで不採用通知を送るのか?そんな疑問を解消すべく「不採用通知メール」について改めて紹介していきます。

 

そもそも不採用通知って必要?

不採用通知を送る理由は?

不採用通知を送る理由としては大きく2つあります。

 

まず1つは数ある企業の中から自社を選んでくれたことに対する感謝の意味。

 

そしてもう一つは不採用となった応募者が、今後お客様や取引先として自社に関わる可能性を考えたリスクヘッジです。

 

「この会社は選考後の連絡もなかった」と、悪いイメージを持たれないために「今回はご縁がありませんでしたが、今後、何かあったらよろしくお願いします」と言った意味も込めて、不採用通知は必要なものなのです。

 

また、通知がなければ応募者は合格か不合格かわからないまま、不安な日々を過ごすことになります。

 

応募者への配慮としても不採用通知を送ることは重要なポイントとなります。

 

「不採用通知」するメリット

  1. 今後、何かしらの接点があった際、良い方向に展開する可能性が高まる

  2. 適切な通知の内容が口コミサイト等の評価の向上に繋がる

 

「不採用通知」するデメリット

  1. 内容を考える、文章を打ち込む、送信・送付する…など様々な手間がかかる

  2. 通知の内容によっては求職者に不快感を与え、トラブルにつながる可能性も

メリット・デメリットに共通しているのは「どちらも会社の評判に影響する」と言うことです。

 

現在、多くの求職者が企業の口コミサイトを確認してから就職活動や転職活動に望んでいます。

 

適当な内容の不採用通知や、不採用通知を送らないで放置していると、応募者に不快感・不信感を与え、様々なサイトにネガティブな口コミを投稿されてしまいます。

 

そうなってしまうと、今後の採用活動に支障をきたす場合も。反対に丁寧な対応はポジティブな口コミにつながり、会社自体の評価が向上する可能性もあります。

 

「会社の評判に影響する」からこそ、不採用通知は欠かせないものなのです。

 

人材紹介会社を通す場合は注意が必要

不採用通知を送る中で注意が必要なのが、人材紹介会社を通して採用活動を行っている場合です。

 

なぜかというと、企業と求職者が直接連絡を取ってはいけない、というルールを設けている人材派遣会社が多いからです。

 

この点の確認を怠ると不要なトラブルに発展してしまう可能性がありますので、前もって結果通知の方法は確認しましょう。

 

この時、不採用理由を人材紹介会社に伝えれば、人材紹介会社は自社の要望について把握しやすくなるため、紹介される人材の質、向上にも繋がります。

 

不採用通知を送る手段は何がいい?

郵送、メール、電話…、不採用通知はなにを使ってするべきなのでしょうか?

 

現在、不採用通知に関してはメール、内定連絡や通過連絡は電話で行うのが一般的になっています。

 

ひと昔前は書面で不採用通知を送るのが一般的でしたが、最近ではほとんど書面郵送での通知は目にしなくなりました。

 

「メールだけだと失礼では?」と感じる方も多いかもしれませんが、相手の都合によってつながったり、つながらなかったりする電話より、いつでも確認できるメールの方が双方にとってメリットがあります。

 

しかし、だからといって常にメールで送るのが正しいとも言い切れません。

 

何らかの理由で選考日から結果の通知までに日数がかかってしまった場合や、コチラの都合で選考中に迷惑をかけた場合などに、メールだけで済ましてしまうと、ネガティブな印象を与えてしまうことがあります。

 

状況を的確に把握して、メールだけでなく電話や書面での通知を使い分けることが大切です。

 

不採用通知でトラブルを起こさないように注意すること

不採用通知を送ることで、思わぬトラブルを招いてしまうこともあります。

 

ここではメールで不採用通知を送る際に注意したい点をまとめています。

 

タイトルで結果通知であることをわかるようにする

転職活動をされている方にはスカウトメールやメールマガジンが、日々大量に送られてきています。

 

これらのメールに不採用通知が埋もれてしまうと、後々のトラブルにつながることもあります。

件名:【選考結果のご連絡】株式会社○○

件名:『△次選考結果のご通知』株式会社○○

などの隅付きカッコや二重カッコ等の記号を用いたシンプルでわかりやすい文章で送ることを心がけましょう。

 

宛名は正確に書く

メールの宛名の省略や「貴殿」などの代名詞の使用は基本的に好ましくありません。

 

また、テンプレートを事前に作成して使用している方も多いかと思いますが、名前の省略や代名詞を使用はテンプレートだと見抜かれ、手抜きだと感じられる恐れもあるので控えた方が良いでしょう。

 

テンプレートを使用する場合は、応募者の名前を本文に入れるだけでもポジティブな印象が生まれますので、省略せずにメールを作成するようにしてみてください。

 

文章は高圧的すぎず、低姿勢すぎないちょうど良い文章で

高圧的な文章は応募者に不快感を与えてしまいます。

 

かといって低姿勢になりすぎるのも「なんで不採用になったの?」などの不要な問い合わせに繋がりかねません。

 

後ほど紹介する例文を参考にしながら、程よい文章の作成を心がけましょう。

 

何かあった際の保険を掛けておく

不採用通知を送る際に見落としがちなのが“もしも”に備えた内容になっているかといった点です。

 

内定者が辞退しまい「やはり内定を出したい!」となった事態も想定して対応できるようにしておくことが大切です。

 

だからこそ「不採用でした」と直接的な言い方をするのではなく「今回は希望するポジションに空きがありませんでした。ご希望に添えず申し訳ありません」等、“採用・不採用”だけの通知にしないことを心がけましょう。

 

また、個人情報などについても可能な限り“一定期間、書類を保管すること”“選考について今後も連絡する可能性があること”などを盛り込んでおけば、応募者の安心にもつながります。

 

不採用通知メールの例文5つ

状況を問わず使える例文

基本的な内容の文章ですので、必要に応じて文言を追加・消去して利用してみてください。

 

 

件名:【選考結果のご連絡】株式会社○○

 

○○様

拝啓 ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

さて、このたびは弊社の求人にご応募頂き、誠にありがとうございました。

慎重に審査いたしました結果、誠に残念ながら今回の採用は見送らせて頂くことになりました。

あしからずご了承くださいますようお願い申し上げます。

なお、ご提出頂いた書類につきましては、当社で責任を持って破棄させて頂きます。

今後のご活躍を心より祈念いたしております。

 

————————————–
署名
————————————–

 

 

書類選考、Web応募段階での例文

例1

 

件名:【書類選考結果のご連絡】株式会社○○

 

○○様

株式会社○○、採用担当△△と申します。

 

時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

この度は、多数の企業から弊社を選び、ご応募頂きまして誠にありがとうございます。

 

さて、選考結果についてですが、社内にて慎重に検討させていただいた結果、

誠に残念ながら今回は採用を見合わせて頂くこととなりました。

ご期待に沿えず申し訳ございませんが、あしからずご了承頂きたく存じます。

メールでのご連絡となってしまい恐縮ですが、何卒ご了承くださいませ。

〇〇様のこれからのご活躍を、心よりお祈り申し上げております。

 

尚、お預かりした応募書類につきましては、弊社にて責任を持って破棄させて頂きますので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

 

————————————–

署名

————————————–

 

 

例2

 

件名:【書類選考結果のご連絡】株式会社○○

 

拝啓 ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

このたびは当社の求人にご応募頂きましてありがとうございました。

慎重に選考いたしました結果、まことに残念ながら今回は採用を見送らせていただくことになりました。

ご希望に添えず恐縮ですが、なにとぞご了承くださいますようお願い申し上げます。

なお、ご提出いただいた応募書類につきましてはご返却いたしますのでご査収ください。

末筆ながら、今後のご活躍を心からお祈り申し上げます。

 

————————————–

署名

————————————–

 

 

面接に進んだ段階での例文

例1

 

【〇次選考結果のご連絡】株式会社○○

 

〇〇様

 

●●株式会社採用担当の△△と申します。

 

この度は数ある企業の中から、弊社にご応募頂き誠にありがとうございました。

また先日は弊社までご足労頂きまして、重ねてお礼申し上げます。

 

〇〇様と面接を踏まえ、社内で検討したところ

誠に残念ではございますが、ご期待に添えない結果となりました。

せっかく応募して頂いたにも関わらず、大変申し訳ございません。

 

また、ご提出頂いた履歴書等の書類に関しましては弊社で責任を持って破棄させて頂きますので、予めご了承くださいませ。

 

〇〇様のこれからのご活躍を、お祈り申し上げております。

略儀ではございますが、メールにてご通知申し上げます

 

————————————–

署名

————————————–

 

例2

 

件名:【書類選考結果のご連絡】株式会社○○

 

○○ ○○様

 

株式会社○○の採用担当でございます。

この度は、数ある企業の中から弊社へご応募頂き誠にありがとうございました。

 

慎重に検討させていただきました結果、今回は貴意に沿いかねる結果となりました。

あしからずご了承くださいますようお願い致します。

 

尚、お預かりした応募書類につきましては、弊社にて責任を持って破棄いたします。

末筆ですが、○○様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

 

————————————–

署名

————————————–

 

 

不採用通知メールの例文(英語)

時代が進むと共に、日本での就業を希望する留学生アルバイトや外国人労働者も増加傾向にあります。

 

外国人求職者の増加に比例して不採用通知をお送りする機会も増えているため、英語での不採用通知もできる方が便利です。ここでは英語の不採用通知の例文をご紹介します。

 

 

subject:Application to (会社名)

 

Dear Mr. (Ms.)○○(相手の名前)

 

Thank you for applying to ○○(会社名)

We would like to let you know the result.

 

After careful consideration, we regret to inform you that you have not been selected for this position.

 

We hope you will find your success on the other occasion.

 

+++++++++++

△△ △△(自分の名前)

Sample Co Ltd

Tel:00-0000-0000/FAX:00-0000-0001

+++++++++++

 

 

(日本語訳)

件名:株式会社○○へエントリーの件

 

この度は株式会社○○に応募頂きありがとうございました。

先日の選考結果をお知らせいたします。

 

慎重に選考いたしましたが、今回は募集のポジションに選ばれなかったことをお伝えいたします。

 

貴殿のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

 

 

他にも…

英語:You are not the person that we choose. Thank you for your understanding.

訳:不採用となりましたこと、あしからずご了承ください。

 

英語:Thank you for having our 1st exams of recruitment the other day.

訳:先日は、一時選考を受けて頂き、ありがとうございました。

 

英語:We had a lot of applicants beyond our imagination.

訳:我々の予想を上回る数のご応募を頂きました。

上記のような例文も状況に応じて使うと効果的です。ぜひご活用ください。

 

不採用理由の説明は必要?

基本的に不採用通知に理由を記載する必要はありません。

 

中には理由の説明を応募者から求められる場合もありますが、正直に伝えるメリットよりデメリットの方が多いため

「大変申し訳ありませんが、不採用理由についてはお伝え出来ません」

「前向きに検討させて頂きましたが、今回はご縁がありませんでした」

などと曖昧な回答にしておく方がいいでしょう。

 

不採用通知後に採用したくなったら?

1度不採用通知を受けてしまっている応募者からすれば、結果が変わって内定となるのは気持ちの良いものではありません。

 

ここで大切なのは一度不採用にした非礼を意識し“なぜ内定になったのか”を的確に応募者へ伝えてあげることです。

 

内定者の辞退や急な退職者などが理由としては多いかもしれませんが、そのような理由で内定を伝えられても前向きに内定をとらえることはできません。

「前回の面接の時点では、○○さんのスキルを発揮してもらえるポジションがなかったが、会社全体でその経験を活かせられる分野を開拓することになったため連絡した」

「前回の面接の時点では、□□に関する分野について検討していなかったが、○○さんとの話を通じて、会社として取り組んでいくことになった」

などの内容ならば、応募者も不快感を持つことなく検討してくれるでしょう。

 

会社都合ではなく、できるだけポジティブで前向きに検討してくれる内容を伝えることがポイントです。

 

例文

 

件名:【○○職募集の件】株式会社○○

本文:

○○ 様

 

株式会社○○の採用担当です。

先日はお忙しい中、弊社の面接にご足労頂き誠にありがとうございました。

その後、いかがお過ごしでしょうか。

 

本日は○○様ともう一度お会いし、ぜひお話をさせて頂きたいと思いご連絡を差し上げました。

前回、お会いした時点では□□の分野について取り組んでいく予定はなく、

残念ながら不通過という連絡をさせて頂きました。

 

今後、会社として○○様の□□な経験を活かしていただける分野の事業展開が決まり、是非〇〇様にお力を貸していただきたいと考えております。

もし、○○様が現在も就職活動を継続されている、もしくは内容に興味をお持ちなったのであれば、お話しするご機会をいただきたく思います。

 

一度はこちらからお断りしたにも関わらず、このようなお願いとなり失礼とは存じますが、ご検討していただけると幸いです。

何卒、よろしくお願い致します。

 

————————————–

署名

————————————–

 

 

タレントプールという考え方も有効

採用に至らなかったが優秀だと感じた人材や自社に関心を持っている人材と継続的にコンタクトを取り続け、将来的に採用する可能性を維持していくことをタレントプールと言います。

 

タレントプールではFacebook、LinkedInなどのSNSを活用し、自社のイベントの告知などを通じて定期的にアピールするなど時間と労力がかかります。

 

しかし、一旦仕組みができてしまえば、様々なコストを抑えて即戦力となり得る優秀な人材を採用できる可能性が高まります。

 

そのためにも、当サイトでも紹介した「不採用通知でトラブルを起こさないように注意すること」や「不採用通知メールの例文5つ」を柔軟に活用し、応募者とより良い関係を築くことが大切です。

 

“応募者の気持ち”をきちんと汲み取った「不採用通知」が大切

「不採用通知」は義務ではありませんが、適切に活用できれば会社の評価の向上につながります。

 

せっかく手間をかけて不採用通知を送るのですから、会社の良い評判となるように慎重に言葉を選び、適切な文章を作成しましょう。

 

また、適切な不採用通知は今後の採用活動も左右します。

 

「タレントプール」などの知識を身に付けることで、将来的なスムーズな人材確保にもつなげることが可能です。

 

「不採用通知」を通じて、より良い採用活動につなげましょう。

ノウハウ記事は毎週【火・木】更新!

無料会員登録をすると、新着記事をまとめたメルマガを受け取ることが可能。
その他、さまざまな会員限定コンテンツをご利用いただけます。

無料会員登録する

最新記事

ログインまたは新規会員登録してからご利用ください。

新規会員登録

無料会員登録をすると、さまざまな会員限定コンテンツをご利用いただけます。

無料会員登録する

人事バンクについて

この企業をフォローしました。
フォローした企業の一覧はマイページからご確認いただけます。

この企業のフォローを解除しました。

このメールアドレスは、現在仮登録状態です。
本会員登録のご案内メールをご確認いただき、本会員登録を行ってください。

本会員登録のご案内は、下記メールをお送りしております。

▼メール件名
【人事バンク】本会員登録のご案内

送信が完了しました。
コメントをお寄せいただき、誠にありがとうございました。
サイト上に反映されるまで少しお時間をいただいております。
今しばらくお待ちいただけますと幸いです。