近年、「インスタグラマー」や「ユーチューバー」と呼ばれる人たちが注目を集めており、彼らが紹介したことでヒットした商品も少なくありません。

 

今回は、このような絶大な影響力を持つインフルエンサー採用について、詳しく解説していきます。

 

インフルエンサー採用とは何か、メリット・デメリットの他、インフルエンサー採用を活用するためのポイントや企業例についてもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

 

インフルエンサー採用とは何か?

インフルエンサー採用とは、TwitterやInstagramなど、SNS上での発信力や影響力が大きい人を優遇的に採用する新しい採用方法です。

 

インフルエンサー採用では、「フォロワー○○人以上」のように、一定の採用要件をクリアした応募者に対し、選考フローの短縮や加点評価といった優遇措置を設けています。

 

インフルエンサーとは

インフルエンサーとは、簡単に言えば、”影響力のある人”のことです。

 

SNSが普及する以前、「影響力のある人」といえば、芸能人や著名人を指していました。

 

しかし、インターネットやスマートフォンが普及し、誰もが気軽に情報発信できるようになったことで、一般人でも影響力のある人が増えてきました。

 

そのため、近年では、SNSのフォロワー数が多い一般人のことを「インフルエンサー」と呼ぶようになりました。

 

また、インフルエンサーの発信力を活用して宣伝する「インフルエンサー・マーケティング」も活発化しています。

 

デジタルインファクトの行ったインフルエンサー・マーケティングの市場調査によると、2017年には175億円だった市場規模が、2018年には219億円にまで成長しており、2028年には933億円に達すると予想されているのです。

 

さらに、近年は企業広告を敬遠する若者が多く、友人・知人の口コミやインターネット上のレビューを参考に商品・サービスを利用する傾向があります。

 

このことから、影響力の大きなインフルエンサーは、企業活動を行うにあたって重要な存在になったことが伺えます。

 

したがって、インフルエンサーを雇用することで、その影響力や発信力をマーケティングに活かしてもらうのが、インフルエンサー採用の目的と言えるでしょう。

 

インフルエンサー採用のメリット

ここでは、インフルエンサー採用のメリットをご紹介します。

 

自社PRができる

インフルエンサーを獲得すると、その人の持つ影響力を得ることができます。

 

その人が影響を与えるコミュニティや年齢層と、企業のターゲットがマッチすれば、企業自体や商品・サービスの魅力を広くPRできます。

 

また、インフルエンサー採用を行うと「柔軟性のある企業」という印象を与えられるため、企業のイメージアップにもつながるでしょう。

 

コストを抑えられる

インフルエンサー・マーケティングの外部委託や、立ち上げから運用する場合、コストや手間がかかります。

 

しかし、採用したインフルエンサーの持っている地盤を利用すれば、外部へ委託する費用や一から運用する手間を抑えることができます。

 

優秀な人材を獲得できる

インフルエンサーは、「共感できる投稿」「自分の見せ方」を常に考え、実践してきた人たちです。

 

これまでの活動で、自己ブランディングやマーケティングを行ってきた結果、インフルエンサーとして活躍していると言えるでしょう。

 

よって、インフルエンサー採用を行うと、自己ブランディングやマーケティングに関する知見を持った、優秀な人材を獲得できるのです。

 

センスや表現力を判断しやすい

クリエイティブ職には、センスや表現力が必要不可欠です。

 

Instagramに投稿されている写真やイラストを見ることで、デザイン性やセンスの力量を測ることができるため、その人のセンスや表現力を判断しやすいです。

 

インフルエンサー採用のデメリット

インフルエンサー採用を行うと、様々なメリットを得られることが分かりました。

 

ここでは、デメリットをご紹介します。

 

ミスマッチ採用の可能性がある

インフルエンサー採用は、企業が設けるフォロワー数や「いいね!」の数をクリアすると、選考で優遇されるケースが多いです。

 

しかし、どれだけフォロワーや「いいね!」の数が多くても、求める人材であるとは限りません。

 

数字だけで判断してしまうと、ミスマッチ採用が発生する可能性があります。

 

インフルエンサーのコミュニティがマッチしていないと効果がない

インフルエンサーは、特定のコミュニティに大きな影響力を持っているため、企業のターゲット層とマッチしていれば、多大な効果を期待できます。

 

しかし、企業の求めるターゲット層と異なる場合、思ったような効果を上げるのは難しいでしょう。

 

インフルエンサー採用を行う際は、フォロワー数だけでなく、「その人のコミュニティが自社のターゲット層とマッチしているか」も必ず確認する必要があります。

 

企業イメージが低下する可能性がある

インフルエンサーの影響力は非常に大きいため、うまく活用すれば企業や商品PRを行えます。

 

その反面、投稿内容によっては、想定以上に炎上してしまうこともあるため、企業イメージが低下する可能性もあります。

 

投稿内容やフォロワーとのやり取りなどから、ビジネスマナーやネットリテラシーの高い人を見極めましょう。

 

インフルエンサーを活用するためのポイント

インフルエンサー採用のメリット・デメリットが分かりました。

 

ここでは、インフルエンサーを活用するために押さえておきたいポイントをご紹介します。

採用時に見極める

フォロワーや「いいね!」をお金で買っている人もいるため、フォロワーやリアクションの数だけで判断するのは危険です。

 

フォロワーから支持され、影響力のある人を見極めるには、投稿に対するフォロワーからのコメントを確認しましょう。

 

例えば、「フォロワー2000人以上、直近1ヶ月の投稿に300以上の「いいね!」が付き、10件以上コメントをもらっている人」のように設定すると、フォロワーからの支持率が低い人をふるいにかけられます。

 

また、インフルエンサー採用は選考フローの短縮など、通常とは異なるルートを辿ることが多いです。

 

自社の求める人材要件にフィットしているか判断するために、プレゼンテーションなどの課題を課すと、人柄や企業との相性を見極めることができます。

 

運用ルールを明確にする

自社のインフルエンサーが「広告」であることを明記せず、商品・サービスの投稿を行うと、「ステルスマーケティング」と認識される可能性があります。

 

ステルスマーケティングは「ステマ」とも呼ばれ、過去には、ステルスマーケティングが発覚したことによって、ブランドイメージが低下したり、不信感を持った消費者の間で不買運動が起きたりしたこともある悪質な行為のことです。

 

ステルスマーケティングへの対応は年々厳しさを増しており、ユーザーに誤認を与えないようにしなくてはなりません。

 

また、投稿内容やユーザーとのやり取りでトラブルが発生し、本人や企業にバッシングが集まる可能性もあります。

 

そのため、インフルエンサーを起用する際は、

 

・商品・サービスの投稿は「広告」であることを明記する

・ユーザーからのコメントには○日以内に返信する

・誤解を与えるような表現は使わない

・宗教や政治など、個人的な思想は投稿しない

 

といった、ルールをあらかじめ決めておき、慎重に運用していくことが重要です。

 

効果測定を定期的に行う

インフルエンサーを起用したのであれば、効果測定を定期的に行いましょう。

 

ユーザーの反応が分かる

 

・インプレッション(投稿が見られた数)

・フォロワー数

・エンゲージメント(「いいね!」やコメントの数)

・インフルエンサーのプロフィールクリック数

 

などの項目から、最終的な目標(KGI)を達成するための指標(KPI)を設定します。

 

具体的な数値で状況が分かるため、測定結果をフィードバックしていけば、効果的な投稿を行えるようになります。

 

インフルエンサー採用例

インフルエンサー採用への理解が深まったかと思います。

 

ここでは、インフルエンサー採用を行っている企業が、どういった条件で募集しているのかご紹介します。

 

OWNDAYS

メガネの製造・販売を行っているOWNDAYSでは、2017年からインフルエンサー採用を実施しています。

 

対象者

「Twitter」もしくは「Instagram」のフォロワー数10,000人以上の人が対象です。

 

選考フロー

書類選考や筆記試験、一次面接が免除され、直接最終面接に進むことができます。

 

また、インフルエンサーとして採用された社員は、基本給に5万円の手当が上乗せして支給されます。

 

サイバー・バズ

ソーシャルメディアマーケティング事業を行っているサイバー・バズでは、新卒でインフルエンサー採用を実施しています。

 

対象者

Twitter・Instagram・Facebook・YouTubeのいずれかのSNSで、直近1ヶ月以内の1投稿で「いいね!」の数が300以上ついている人が対象です。

 

選考フロー

選考フローは不明ですが、アカウントプランナーやプロデューサーといった、インフルエンサーとして積み上げてきた影響力を活かせるポジションが用意されています。

 

TOKYO BASE

衣料品や雑貨類の販売を行っているTOKYO BASEでは、新卒のインフルエンサー採用を行っています。

 

対象者

Instagramまたは、WEARのフォロワー数が5,000人以上の人が対象です。

 

選考フロー

エントリーシートの選考と一次面接が免除され、直接二次面接に進むことができます。

 

このように、インフルエンサー採用を行っている多くの企業では、フォロワー数や投稿のリアクションによって、応募条件が決められています。

 

また、選考フローの短縮や加点評価などの優遇措置が取られているケースが多いです。

 

インフルエンサーを採用して、マーケティングに役立てよう!

SNSが普及した近年、インフルエンサーがマーケティングに与える影響は、非常に大きくなりました。

 

商品・サービスだけでなく、企業PRも可能なため、企業の認知度アップが期待できます。

 

また、インフルエンサーの発信力を活用すれば、SNSが生活の一部になっている若い世代へもアピールできるため、採用活動を有利に進めることも可能でしょう。

 

ご紹介したポイントをふまえて、インフルエンサー採用の実施を検討されてみてはいかがでしょうか。

ノウハウ記事は毎週【火・木】更新!

無料会員登録をすると、新着記事をまとめたメルマガを受け取ることが可能。
その他、さまざまな会員限定コンテンツをご利用いただけます。

無料会員登録する

最新記事

ログインまたは新規会員登録してからご利用ください。

新規会員登録

無料会員登録をすると、さまざまな会員限定コンテンツをご利用いただけます。

無料会員登録する

人事バンクについて

この企業をフォローしました。
フォローした企業の一覧はマイページからご確認いただけます。

この企業のフォローを解除しました。

このメールアドレスは、現在仮登録状態です。
本会員登録のご案内メールをご確認いただき、本会員登録を行ってください。

本会員登録のご案内は、下記メールをお送りしております。

▼メール件名
【人事バンク】本会員登録のご案内

送信が完了しました。
コメントをお寄せいただき、誠にありがとうございました。
サイト上に反映されるまで少しお時間をいただいております。
今しばらくお待ちいただけますと幸いです。