助成金とは?補助金との違いは?

助成金とは、雇用促進や人材育成といった、雇用を安定させる施策を講じた企業に支給される返済不要の資金です。

 

主に、厚生労働省が雇用保険加入企業に対して行う資金援助で、条件を満たしていれば受け取ることができます。

 

一方、補助金とは、経済産業省などの国の機関や地方自治体が、政策の目的を達成するために交付する資金です。

 

助成金同様、返済は不要ですが支給に際し厳正な審査が行われるため、誰でも受け取れるものではありません。

 

また、補助金は予算や期限が限られており、公募期間が短く年に数回しか行われてないものも多いです。

 

つまり、どちらも「返済不要の資金」ではありますが、

 

助成金…条件をクリアすれば、原則誰でも受け取れる

補助金…条件をクリアした上で、審査に通らないともらえない

 

点が大きな違いです。

 

助成金や補助金は、皆さんが納めている雇用保険料や税金が財源となっているため、積極的に活用しましょう。

 

なお、助成金は社会情勢に合わせて制度が作られていることから制度の創設や廃止、内容の変更が随時行われています。

 

どういった助成金があるのか、常に情報をアップデートしていくことが重要です。

外国人雇用に活用できる助成金5つ

現在、外国人雇用に活用できる助成金がいくつかあります。

 

では、外国人雇用に活用できる助成金を見ていきましょう。

 

※尚、以下で紹介する助成金の詳細に関しては「事業主の方のための雇用関係助成金|厚生労働省」でご確認ください。

 

雇用調整助成金

景気悪化など経済的な理由により、事業縮小を余儀なくされた事業主が、

  1. 一時的に従業員を休業させる
  2. 教育訓練を受けさせる
  3. 出向させる

ための費用の一部を助成する制度です。

 

支給額

※1人1日あたり8,370円が上限

 

【休業】

中小企業⇒休業手当負担額×2/3

中小企業以外⇒休業手当負担額×1/2 

 

【教育訓練】

下記の額に1人1日当たり1,200円を加算

中小企業⇒賃金負担額×2/3

中小企業以外⇒賃金負担額×1/2 

 

【出向】

中小企業⇒出向元事業主の負担額×2/3

中小企業以外⇒出向元事業主の負担額×1/2

条件

雇用保険の適用事業主であること

直近3ヶ月の売上高または、生産量の月平均値が前年同期比で10%以上減少していること

直近3ヶ月間の雇用量の月平均値が前年同期比で、10%超かつ4人以上増加していないこと(中小企業以外の場合は5%超かつ6人以上)

労使協定に基づいて雇用調整(休業・職業訓練・出向)が行われていること

※計画届・協定書の提出が必要

 

雇用調整を開始する前日までに、同事業所での勤続年数が6ヶ月未満の労働者は対象外

申請方法

【休業・教育訓練】

1. 都道府県労働局またはハローワークへ事前届出

休業・教育訓練開始日の前日までに「休業等実施計画(変更)届」を提出

※対象期間について初めて休業等実施計画(変更)届を提出する場合は、2週間前まで

2. 都道府県またはハローワークへ支給申請

計画届提出時に選択した判定基礎期間(1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月)ごとにその末日の翌日から2ヶ月以内に「雇用調整助成金(休業等)支給申請書等」を提出・申請

 

【出向】

1. 都道府県労働局またはハローワークへ事前届出

出向を開始する2週間前を目途に「出向実施計画(変更)届」を提出

2. 都道府県またはハローワークへ支給申請

出向開始日から起算して最初の6ヶ月を第1期、次の6ヶ月を第2期として、各期の経過後2ヶ月以内に「雇用調整助成金(出向)支給申請書」を提出・申請

必要書類

【休業・教育訓練】

休業等実施計画(変更)届

休業(教育訓練)協定をした書面(写)

教育訓練の状況を示す就業規則等の書類(写)

 

※対象期間について初めて休業等実施計画(変更)届を提出する場合は下記も必要

雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書

雇用調整実施事業所の雇用指標の状況に関する申出書

 

【出向】

出向実施計画(変更)届

出向の協定をした書面(写)

出向契約書(写)

雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書

雇用調整実施事業所の雇用指標の状況に関する申出書

URL 雇用調整助成金 |厚生労働省

 

外国人技能実習生は、休業のみが対象となります。

 

ただし、外国人技能実習生を休業させる場合は、雇用調整助成金の申請前に必ず所管の団体へ相談して下さい。

 

外国人技能実習生の雇用主は、技能実習計画に基づいて技能を修得させなくてはならないため、実習を習得できないと不正行為に該当する場合があります。

 

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

ハローワークや職業紹介事業者等の紹介により、一定期間試行雇用した場合に支給される助成金です。

 

求職者の適性や業務遂行が可能かを見極め、早期就職・雇用機会の創出を目的としています。

 

支給額

支給対象者1人につき月額4万円×最長3ヶ月

(対象者が母子家庭または父子家庭の親の場合:月額5万円)

条件

紹介日の前日~2年以内に、2回以上離職・転職を繰り返している人

紹介日前において離職している期間が1年を超えている人

妊娠・出産・育児を理由として離職し、紹介日前において1年を超えて安定した職業に就いていない人

紹介日において、ニートやフリーター等で55歳未満である人

紹介日において就職支援に当たって特別な配慮が必要な人(生活保護受給者・日雇労働者など)

ハローワーク・紹介事業者等に提出された求人に対し、ハローワーク・紹介事業者等の紹介で雇い入れること

原則3ヶ月のトライアル雇用をすること

1週間の所定労働時間は、原則通常の労働者と同程度であること

申請方法

1. ハローワークへ計画書を提出

トライアル雇用開始日から2週間以内に、紹介したハローワークへ「実施計画書」を提出

2. ハローワークまたは労働局へ申請

トライアル雇用終了日の翌日から2ヶ月以内に、事業所管轄のハローワークまたは労働局へ「支給申請書」を提出

必要書類

トライアル雇用実施計画書

結果報告書兼支給申請書

URL トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)|厚生労働省

 

 

キャリアアップ助成金

非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを行った事業主に支給される助成金です。

 

キャリアアップ助成金には、

  1. 正社員化コース
  2. 賃金規定等改定コース
  3. 健康診断制度コース
  4. 賃金規定等共通化コース
  5. 諸手当制度共通化コース
  6. 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  7. 短時間労働者労働時間延長コース

の7コースがあります。

 

支給額

コース・該当条件によって異なる

14,250円~720,000円

条件

コースによって異なる

 

【全コース共通条件(事業主)】

l  雇用保険適用事業所の事業主であること

l  事業所ごとにキャリアアップ管理者を置いていること

l  事業所ごとに対象労働者に対して、キャリアアップ計画を作成・管轄労働局長から認定を受けていること

l  対象労働者の労働条件・勤務状況・賃金の支払い状況などを明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにできること

l  キャリアアップ計画期間内に、キャリアアップに取り組んでいること

申請方法

【正社員化コース】

1.      キャリアアップ計画の作成・提出

雇用保険適用事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置し、労働組合の意見を聞き「キャリアアップ計画」を作成。

各コース実施日の前日までに事業所を管轄する都道府県労働局へ提出

2.      就業規則等改定

3.      就業規則等に基づく正社員等へ転換

4.      転換後6ヶ月の賃金支払い

※転換前よりも5%以上増額している必要がある

5.      助成金申請

6ヶ月の賃金支払い完了後、2ヶ月以内に申請

 

【処遇改善関係コース】

1.      キャリアアップ計画の作成・提出

正社員化コース同様、キャリアアップ計画の作成と提出を行う

2.      就業規則の改定など、取り組みを実施する

3.      取り組み後、6ヶ月の賃金支払い

※健康診断制度コース…取り組み実施日を含む月の分の支払い

4.      助成金申請

6ヶ月の賃金支払い完了後、2ヶ月以内に申請

必要書類

コースによって異なる

l  キャリアアップ計画書

l  支給要件確認申立書 他

URL キャリアアップ助成金|厚生労働省

正社員化コースの場合、永住権を取得した人が対象となるため「技能実習生」「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格を持つ人は適用されません。

 

正社員化コース以外については、条件を満たせば原則、助成金が支給されます。

 

人材開発支援助成金(特定訓練コース)

雇用する労働者のキャリア形成を促進するため、職業訓練などを受講させる際に掛かる費用の一部を助成する制度です。

 

特定訓練コースは、OFF-JTやOJTを組み合わせて行う訓練に対して助成されます。

 

支給額

【OFF-JT】

賃金助成:1人1時間当たり760円(380円)

経費助成:対象経費の45%(30%)

 

<経費助成の上限額>

10時間~100時間未満:15万円(10万円)

100時間~200時間未満:30万円(20万円)

200時間以上:50万円(30万円)

 

【OJT】

実施助成:1人1時間当たり665円(380円)

※カッコ内は中小企業以外

条件

申請事業主に雇用される雇用保険被保険者であること

※有期契約労働者、短時間労働者および派遣労働者を除く

実訓練時間の8割以上を受講した者であること

※雇用型訓練の場合、OFF-JT・OJTそれぞれ8割以上

訓練計画届提出時に添付する「訓練別の対象者一覧」(訓練様式第4号)で 届け出られている者であること

申請方法

1. 訓練実施計画の作成・提出

訓練開始日の1ヶ月前までに「訓練実施計画届」を事業所管轄の労働局へ提出

2. 支給申請

訓練終了日の翌日から2ヶ月以内に「支給申請書」を事業所管轄の労働局へ提出

※訓練に掛かった費用を支給申請までに全て支払っている必要がある

必要書類

訓練実施計画届

年間職業能力開発計画

訓練別の対象者一覧

支給要件確認申立書

支給申請書

OFF-JT実施状況報告書

OJT実施状況報告書 他

URL 人材開発支援助成金|厚生労働省

 

 

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

人材確保等支援助成金とは、職場定着や作業効率向上など、労働環境改善を目的とした助成金です。

 

「外国労働者就労環境整備助成コース」は、外国人特有の事情に配慮したうえで、就労環境整備に掛かった経費の一部が助成されます。

 

対象となる経費は、

  1. 通訳費用
  2. 翻訳機器の導入費(上限10万円)
  3. 弁護士・社会労務士などへの委託費用
  4. 多言語の社内標識類の設置・改修費用

です。

 

支給額

支給対象経費の1/2(上限額:57万円)

生産要件を満たす場合は2/3(上限額:72万円)

条件

外国人労働者を雇用する事業主であること

外国人労働者に対する就労環境整備措置(1・2の措置に加え、3~5のいずれかを選択)を新たに導入し、外国人労働者全員に実施すること

 1. 雇用労務責任者の選任

 2. 就業規則等の社内規程の多言語化

 3. 苦情・相談体制の整備

 4. 一時帰国のための休暇制度

 5. 社内マニュアル・標識類等の多言語化

就労環境整備計画期間終了後の一定期間経過後における外国人労働者の離職率が10%以下であること

申請方法

1. 就労環境整備計画の作成・提出

本社を管轄する労働局へ提出

2. 就労環境整備措置の導入・実施(3ヶ月~1年)

3. 支給申請

算定期間(計画期間終了後1年)終了後、2ヶ月以内に本社を管轄する労働局へ提出

必要書類

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境助成コース)支給申請書

事業所確認票

事業所における外国人労働者名簿 他

URL 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)|厚生労働省

※上記で紹介した各助成金の詳細に関しては「事業主の方のための雇用関係助成金|厚生労働省」でご確認ください。

 

外国人雇用に関する助成金申請の注意点

ここでは、助成金を申請する際の注意点についてご紹介いたします。

 

在留カードを確認する

外国人雇用において、最も注意すべき点は「不法就労」です。

 

不法就労が発覚した場合、企業側も罪に問われてしまうため、採用時に在留資格や在留期限を確認した上で定期的に確認・指導を行いましょう。

 

助成金の基本条件を満たしていること

受給条件は申請する助成金ごとに異なりますが、雇用関係助成金に共通する条件があります。

 

下記の条件を満たしていない場合、原則として助成金を受け取ることはできません。

 

助成金の基本条件

  1. 雇用保険の適用事業主であること
  2. 従業員を1名以上雇用していること(三親等以内を除く)
  3. 過去3年間不正受給をしていないこと
  4. 過去1年間に労働関係の法令違反をしていないこと
  5. 6ヶ月以内に事業主の都合による解雇をしていないこと
  6. 労働保険料を滞納していないこと(申請日翌日から2ヶ月以内に納付した事業主を除く)
  7. 支給申請日・支給決定日時点で倒産していないこと
  8. 風営法関係の事業主ではないこと
  9. 暴力団との関わりがないこと

参考:厚生労働省「各雇用関係助成金に共通の要件等

 

計画を立てる

助成金を申請するには、「いつ・誰に・どういった施策を講じるのか」といった、明確な計画書が必要となります。

 

助成金によっては、労働組合との話し合いが必要となる場合もあるため、しっかりと計画を立ててから計画書を作成・申請しましょう。

 

外国人雇用に活用できる支援制度・団体

助成金・補助金以外にも、外国人雇用に活用できる支援制度や団体があります。

 

外国人雇用管理アドバイザー制度

外国人労働者の雇用管理に関する相談が無料でできる窓口です。

 

外国人労働者を雇用する際の注意点や雇用管理面での改善アドバイス、コミュニケーション上のトラブル解決などを行っています。

 

相談申し込みは、ハローワークにて受け付けています。

 

参考:厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー

 

国際人材協力機構(JITCO)

JITCOとは、国際経済社会の発展に貢献することを目的とし、技能実習生や特定技能外国人などの受け入れ促進を図っている公益財団法人です。

 

技能実習制度の支援機関として、出入国在留管理局へ提出する各種書類のチェックや取り次ぎ支援などを行っています。

 

参考:公益財団法人 国際人材協力機構

 

外国人を雇用するメリット

外国人雇用に活用できる助成金や支援制度についてご紹介してきました。

 

ここでは、外国人労働者を雇用するメリットについて触れていきます。

 

若い労働力の確保

少子高齢化が進む日本では、若年層の雇用が難しくなってきています。

 

一方、海外では多くの人が職探しをしているため、日本語習得のサポートや多言語対応など、日本語力が低くても働ける環境を整備すれば、若い労働力を確保できます。

 

意欲的な人材を確保できる

他国で働くにはその国の言語や文化の理解が必要です。また、適応するための努力も必要です。

 

このように、海外で働くには勤勉性や柔軟性が求められるため、外国人労働者を雇用すると意欲的な人材の確保に繋がります。

 

海外進出時の戦力になる

海外進出の予定がある場合、その国出身の外国人を雇用することができれば、文化や商習慣をレクチャーしてもらうことができます。

 

また、交渉やスタッフの指導など、現地の人と接する場に同席してもらうことで、円滑なコミュニケーションが実現するでしょう。

 

新たな価値創造に繋がる

日本人と異なる文化・価値観を持つ外国人を雇用すると、新たな課題の発見やアイデアが生まれることもあります。

 

今までとは違ったアイデアが出てくれば、既存社員の刺激になるだけでなく、新たな価値の創造にも繋がります。

助成金を活用して外国人の雇用を促進

日本には雇用関係の助成金が多数用意されており、条件を満たした上で申請すれば、原則誰でも受け取ることができます。

 

それらを上手く活用すれば、外国人を雇用する費用や能力向上のための経費を抑えることが可能です。

 

また、外国人の雇用支援を行う制度・団体もあります。

 

今後さらに需要が増す外国人労働者の受け入れに向け、今から取り組まれてみてはいかがでしょうか。

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