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■調査結果(1) 「居心地」「自分らしさ」を求める傾向

株式会社日本能率協会マネジメントセンターは、2016~2017年に入社した若手社員207名、上司・先輩社員207名に対して、若手社員の働き方と指導者の接し方に関するアンケート調査を行いました。

 

ここでは、希望する働き方についての回答から、若手と上司・先輩の間で明確な差が生まれたものをピックアップしています。

 

(1)自分の能力が発揮できる

若手/20.3% : 上司・先輩/25.1%

 

(2)よい結果を出す

若手/8.7% : 上司・先輩/15.5%

 

(3)お金を多く稼ぎ、よい生活を送りたい

若手/15.5% : 上司・先輩/12.1%

 

(4)自分らしい生活を送る

若手/15.5% : 上司・先輩/8.2%

 

(5)仕事環境の心地よさ

若手/17.9% : 上司・先輩/8.7%

 

上司・先輩が自分の成果や仕事における自己実現を重視する反面、若手は職場における居心地のよさや私生活を重視する傾向があります。

 

 

■調査結果(2) 労働意識の二極化

上記の結果だけ見ると、若手社員の就労意欲が失われているように見えますが、次に示すアンケート結果を見ると、一概にそうとも言い切れないようです。

 

以下の内容は、若手社員に単一回答を求めた結果の一例です。

 

Q1:「働き方」についてどちらを好みますか。

【A】時間・場所・契約にしばられない、柔軟かつ多様な働き方……48.3%

【B】オフィス勤務で特定の会社との雇用関係がある働き方……51.7%

 

Q2:働き方改革が進む中での「上司・先輩との関わり方」について、どのように感じますか。

【A】在宅勤務などが増え、直接的なコミュニケーション機会が減ると困る……50.7%

【B】メールやネット会議などができれば、上司や先輩が近くにいる必要はない……49.3%

 

Q3:自分自身が成長することについて、どのように考えますか。

【A】一時的に業務の負担や労働時間が増えても挑戦したい……48.3%

【B】無理のない範囲で業務に取り組みたい……51.7%

 

すべてほぼ半々に分かれており、働き方や成長意欲、希望する指導スタイルなど、いずれの点でも若手社員の意識は二極化が顕著になっています。

個人レベルでの労働意識はむしろ多様化が進んでいるようです。

 

 

■接し方のポイント(1) 若者への歩み寄りを

ここからは、若手社員と接する上で具体的に心がけるべきことについてお話ししましょう。

 

最初にすべきことは、信頼関係を築くことです。

基本的なことですが、「一般常識に欠ける」「仕事に対して消極的」「プレッシャーに弱い」といった理由で苛立ちを募らせ、コミュニケーションが疎かになってしまうと、若手社員の成長は止まってしまいます。

 

「この先輩・上司は自分の意見を受け入れてくれる」という信頼関係を築くことができれば、向こうも心を開き、本音で現状の不安や疑問点を語ってくれるようになります。

歩み寄りを図ることが、若手の活躍を促す最初のステップです。

 

前項で述べた通り、労働意識が多様化している状況を踏まえて、様々な価値観を受け入れることも重要になってくるでしょう。

企業ごとに求める人物像はあると思いますが、すべてを画一化してしまっては若手のモチベーションを奪う結果になりかねません。

仕事への充実感や自己投資に重きを置くという傾向を念頭に置きつつ、若手社員が仕事に何を求めているのかを正しく把握する必要があります。

 

 

■接し方のポイント(2) 褒めて自信をつけさせる

入社時に若手社員が持っている自信は、往々にして失敗した経験に裏付けされていない「根拠の乏しい自信」です。

こうした自信はわずかなトラブルや障害によって簡単に崩壊してしまいます。

 

弱々しい自信を、褒めることによって「本物の自信」に変えてあげるのが上司・先輩の務めです。

低い目標設定でも達成したら必ず褒め、失敗したときは責めずに原因と改善案を一緒に考えてあげましょう。

 

自信が芽生えてきたら、考えさせる範囲を広げていき、自ら意思決定できるよう促しましょう。

自分で考え、行動したことに責任を持てるようになれば、あとは自分の力で成長していくことできます。

 

若手のサポートに必要な姿勢は「根気強さ」です。

当然だと思っていたことすらわかっていない若手社員にストレスを抱えることもあるかもしれません。

 

そんなときは、「若者たちは、自分たちの時代では考えられない言動をするものだ」と割り切って接するようにしましょう。

信頼関係をスムーズに築くことができ、さらにストレスを感じることなく日々の仕事に向き合えるようになります。

 

 

■まとめ

「なんでそんなことまでしなきゃならないんだ」とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、時代の変化に伴って、「企業戦士」や「モーレツ社員」といった言葉は過去のものとなり、多様な価値観や働き方が受け入れられるようになってきています。

 

そうした変化を受け入れ、若手社員一人ひとりに合った柔軟な対応を心がけることこそ、若手の成長、延いては企業の発展につながっていくのです。

ここでお伝えした内容が、若手社員との接し方に頭を悩ませている方々の助けとなれば幸いです。

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