『イクメン』という言葉が世間をにぎわしている今、育児休暇を取得する男性社員が少しずつながら、増え始めています。

 

しかし「一人の貴重な人材が一時的であれ抜けるのは…」という抵抗感がある企業も多いはず。

 

そこで今回は、『育休を取得するメリットは何か』、そして実際に男性社員の育児休暇取得を進めている企業は『どういった取り組みをしているのか』を紹介していきます。

 

男性社員の育児休暇取得状況

本題に入る前に、まずは世の中の男性社員の育児休暇取得状況から見ていきましょう。

 

厚生労働省によると、平成27年度の男性の育児休暇取得率は2.65%。

 

一方で内閣府の調査では、子どものいる男性のうち「30%」が、「1カ月以上の育休を取りたかった」と答えています。

 

つまり、取りたくても取れない、取りづらいのが実情です。

 

これらを踏まえると、育休取得率を高めるためには、雇い主である企業側の努力も必要不可欠と言えます。

※政府としては「2020年までに育休取得率を13%へ引き上げる」という目標を掲げています。

 

男性社員による育児休暇取得を前向きに受け入れるべく、次項ではその制度を活用するメリットをいくつかご紹介していきます。

 

企業側のメリット

企業側のメリットは主に

  1. 生産性UP
  2. 士気向上
  3. 企業イメージ向上

の3つです。

 

それぞれについて解説していきます。

 

生産性UP

1つ目のメリットは『仕事の効率化に対する意識が高まり、会社全体の生産性UPにも繋がる』ことです。

 

男性・女性にかかわらず誰かが育休を取ると、必然的にその穴を他のメンバー同士で埋め合っていかなければなりません。

 

今まで以上に情報の共有化を進め、お互いの連携を強化するきっかけにもなります。

 

士気向上

2つ目のメリットは『社員の仕事に対する士気が高まる』ということです。

 

男性が育休を取得すれば、家庭生活も安定し、結果として仕事にもプラスの影響が出ます。

 

企業イメージ向上

3つ目のメリットは『企業イメージが向上する』ことです。

 

アメリカでは男性の育休取得を推進することで企業のイメージが向上し、「入社希望者が増加した」という効果が実証されています。

 

それは従業員全体の質を高めることにも繋がります。

 

とはいえ、限られた人員の中で「どうやって育休取得を進めていけばよいのか」はイメージしづらいものです。

 

その参考として次項では、実際に男性の育休取得を進めている企業の取り組みを紹介していきます。

 

男性の育休制度を設けている事例

では、ここからは実際に男性の育休制度を設けている事例をご紹介していきます。

 

事例1:株式会社メルカリ

育児休暇を取得した男性社員の割合は該当者の9割以上にも及ぶ株式会社メルカリ。

 

一般の社員だけではなく、取締役社長兼COOの小泉文明氏が2ヵ月の育児休業を取得したことでも話題になりました。

 

同社では誰かが抜けても、柔軟性を持ってプロジェクトのメンバーを再構成できるよう、日頃から体制づくりに取り組んでいます。

 

例えば、全社員のスケジュールをWeb上で共有していたり、チャットを使ってリアルタイムに人の動きがわかるようにして連携を強化しています。

 

もちろん、ツールを活用するだけでは育休の取得率を高めることはできません。

 

加えて、育休を取得することで「どういった効果があるのか?」という価値を企業ごとに見出していく必要があります。

 

同社としては『育児や介護に携わることで、人として成長することができる』、『採用コストを考えれば、復帰してもらうメリットの方が圧倒的に大きく、理にかなっている』という考えがあります。

 

事例2:大同生命保険株式会社

厚生労働省が推進している「イクメンプロジェクト」では、2013年から毎年、男性の仕事と育児の両立を積極的に推奨している企業を認定する「イクメン企業アワード」を発表しています。

 

「2015年イクメン企業アワード大賞」に選ばれたのが大同生命保険株式会社。

 

同社では男性職員の配偶者が出産した場合、その旨を人事総務部から当事者の上司に個別連絡を行うようにしています。

 

その際、育児休暇の取得を上司の側から促すよう声がけし、会社全体で男性職員の育休取得を促すムードづくりをしているのです。

 

実際に社員が育児休暇を取得することへのイメージを持ちやすくするために『仕事と家庭の両立を支援するハンドブック』を提供するなどの取り組みも行っています。

 

その他「仕事のスリム化運動」といって社内の会議は原則45分以内に、会議・電話・メールに関しても細かいルールを設定し、会社全体での業務の効率化を図りました。

 

その結果、2013年度では33.3%だった男性職員の育休取得率が、2014年度には驚異の100%を達成しています。

 

男性の育休制度

『いつ誰が育休を取得しても大丈夫』という体制にするためには、日頃からメンバー同士の連携強化や業務の効率化を進めていかなければなりません。

 

そして何より、会社を上げて『育休を取得しやすいムードづくり』をすることが大事になってきます。

 

簡単なことではありません今の採用市場は売り手市場。

 

企業努力を怠ると、働く社員や求職者に選ばれる企業として残ることは、一段と難しくなってくるのではないでしょうか。

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