「チャンクダウン」とは、コーチングやマネジメントで使われるコミュニケーションの手法のひとつです。

それ以外にも、商談や社内コミュニケーションなどさまざまなシーンで活用できます。

 

本記事では、チャンクダウンの意味からチャンクダウンのコツまでを詳しく解説しております。

 

チャンクダウンとは?

「チャンクダウン」とはマネジメントやコーチングなどで使われるコミュニケーションの手法のひとつです。漠然とした大きな課題を細分化し、具体的な解決案を考案するために使用します。チャンクは「塊」を意味しています。

 

チャンクダウンを使うことで、大きな課題を小さな課題として捉えられるので具体的なアクションに落とし込みやすくなります。

 

チャンキングとは

複数の物事や課題を塊として捉え、目的や意味を明確にし、理解しやすくする思考法のひとつです。チャンキングを活用することで、大きな課題も簡潔に整理できます。

 

チャンクダウンとチャンクアップの違い

チャンクダウンとチャンクアップの違いは塊を細分化するか広い視野で見るかの違いがあります。チャンクアップは塊を小分けにするように課題を細分化し、チャンクアップは塊を広い視野で捉え、課題を根本から捉えることをいいます。

 

チャンクダウンとチャンクアップを部下のマネジメントに活用することで、行動の明確化や目的の再確認ができ、部下の育成につながります。

 

チャンクダウンとスライドアウトの違い

スライドアウトはチャンクを横方向に広い視野で見ることで、同レベルの選択肢を増やす思考法です。

本質的な問題を見出すより、新たな視点やアイデアを得る思考法になります。

 

目的に応じてチャンクダウンとスライドアウトを活用することによって、複雑な課題でも最短で解決へと導くことが可能です。

 

チャンクダウンを行うメリット

チャンクダウンをうまく活用することによって複雑な問題や大きな問題でも具体的な対策を考案できます。

ここでは、チャンクダウンを行うメリットを3つ解説します。

 

課題の根本的な原因が明らかになる

チャンクダウンを行うことで、問題を解決する目的や意義が明確になり、適切な対策を立てられます。

 

取るべき行動が明確になるため、組織全体のパフォーマンスや対策を実行するメンバーのモチベーションの向上にもつながります。

 

また、チャンクダウンによって目的や意義が明確になっているため、同様な問題が発生したときに再発するリスクの対策ともなりえます。

 

取り組みへの心理的ハードルが下がる

チャンクダウンを活用することで、大きな問題に取り組みやすくなります。

 

問題を細分化することで具体的な解決策が分かることにより、心理的ハードルを下げることができます。

 

また、経験が浅い新人などは細分化されたチャンクを解決することで、小さな成功体験を積み重ねることができ、モチベーションの維持にもつながるでしょう。

 

信頼関係の構築につながる

チームで問題に取り組む際に、メンバーの信頼関係は大事です。

 

複雑で大きな問題であっても、チャンクダウンで細分化し問題解決のプロセスを明確にできます。

問題の全体像を捉えることで、新たなチャンクや対策が見つかることもあります。

 

また、チャンクの達成で小さな成功体験を積み重ねることができます。

それにより、メンバー全員が自信や達成感を得られるとともに、目標に向かって協力する状況は信頼関係の構築につながります。

 

チャンクダウンのやり方

ここでは具体例をもとにチャンクダウンのやり方を解説します。ぜひ参考にしてください。

 

具体的な質問

チャンクダウンでは具体性のある質問をすることで、詳細な情報を聞き出します。

5W2Hのような「いつ」「どんな」などオープンクエスチョンが適切です。

 

質問例

チャンクダウンでは具体的な質問をすることで話を進めます。

 

具体的には次のような言葉を用いて質問します。

  1. 何の課題を解決したいのか
  2. 優先順位が高い課題はどれなのか
  3. いつまでに解決したいのか
  4. どのくらいの費用、時間がかかるのか

 

このような具体的な質問を用いて議論を進めることで、行動指針や問題の解決策もみえてきます。

 

問題点の深掘り

オートメーションを用いて相手からの情報を細分化し、具体的な対策に落とし込みます。

 

具体的な対策が決定したら、アクションプランを策定します。アクションプランには、改善の目標や期限、担当者や必要なリソースなどを明記し、進捗や状況を可視化しましょう。

 

実施例

  1. 目標設定:解決したい問題を提示する。「チームの雰囲気を改善する」
  2. チャンクダウンの実施:目標の具体化のためにチャンクダウンを実施する。

            チャンク①「コミュニケーションを増やす」

            チャンク②「メンバーの負担を軽減する」

  1. 決定とアクションプランの策定:提案されたアイデアから効果的な取り組みの選定とアクションプランの策定を行う。

            チャンク①「会議中に質問の時間を別途設ける」「フリーアドレスを導入する」

            チャンク②「効率化ツールを導入する」「個別面談を実施する」

 

チャンクダウンを行うコツ

企業にてチャンクダウンを行うポイントを3つ解説します。

 

内容の選び方を工夫する

チャンクダウンは、複雑で大きな問題を解決するのに効果的な手法となります。

ですが、チームが面倒くさいと感じる内容を優先的にチャンクダウンする方法もあります。

 

例えば目標に掲げているものの手間がかかるため、未着手のまま先延ばしをしている業務が存在するかと思います。このような業務ほど優先的にチャンクダウンを行い、チームメンバーに意識づけを行い優先的に対応することで先延ばしを防ぐことができます。

 

チャンクダウンを行う際は、チーム内で優先順位を立てて行うことで業務の効率化につなげることができます。

 

行動レベルにまで落とし込む

チャンクダウンは少しずつ要素を分解し、実行できるレベルまで具体的に落とし込むことが大切です。

 

その際に役に立つ方法が「マンダラチャート」を活用することです。マンダラチャートを活用することで行動が明確になり、行動が可視化されるのもあり、チームメンバーも業務を進行しやすくなります。

 

 

チャンクの大きさをメンバーのレベルに合わせる

チャンクダウンを行う際は、チームメンバーのスキルや経験に合わせて、チャンクの大きさを設定することが大切です。例えばチームメンバーが中堅社員と新入社員のみであれば、スモールチャンクの大きさが異なります。

 

そのため、スモールチャンクを設定する際はチームメンバーと確認しながら、調整するのが望ましいでしょう。

 

まとめ

「チャンクダウン」とは漠然とした大きな課題を細分化し、具体的な解決案を考案するための手法です。部下の育成だけではなく、プロジェクトの推進や会社の全体の戦略までさまざまな場面で活用できます。

 

課題が具体的に可視化されているため、行動しやすくなり、目的や方針を見失わず課題解決が可能です。

 

「チャンクダウン」を日頃から活用し、個人のみではなく会社としても成功に導けるように上手に利用していきましょう。

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