世代別に「ゆとり世代」といったように、名称を付けられるケースがあります。
そのなかでも、近年では「Z世代」と呼ばれる世代の人たちが社会に進出し始めました。
Z世代は今までの世代とは違い、デジタルネイティブなだけでなく、さまざまな特徴を持っています。
Z世代の呼び方は聞いたことがあるけど、実際にどんな特徴をもっている世代なのか知らない人は多いかもしれません。
今回はZ世代の特徴や、他の世代との違いについて詳しく解説します。
Z世代とは?定義や年齢
Z世代とは「1990年後半~2000年頃生まれ」の世代のことを言います。
少子化時代に生まれ、子どもの頃からSNSの普及を目の当たりにしている世代です。
デジタルネイティブなだけでなく、SNSを活用したコミュニケーションを円滑に行います。
テレビや雑誌よりも、インターネットを中心とした情報収集がメインです。
具体的に、Z世代とはどんな世代を指しているのか、定義や具体的な年齢について解説します。
Z世代の由来と定義
Z世代の由来は、アメリカで1960年~1970年に生まれた人を指す「ジェネレーションX(Generation X)」から来ています。
そこから派生して、1世代ごとにX、Y、Zといったように、アルファベットで世代を区別する文化が日本で生まれました。
Z世代の年齢
Z世代は「1990年代後半~2000年代」に生まれた世代を指しています。
具体的に、定義された年齢があるわけではありませんが、この世代を一般的にZ世代と呼ぶケースが多いです。
幼いときからSNSと共に生活しているため、デジタルネイティブでテレビ離れが進んでいます。
全く観ないわけではありませんが、主にYouTubeやTikTokなどからコンテンツを楽しむ傾向が強いです。
Z世代の特徴
Z世代の価値観や習慣は、他の世代とは異なる特徴を持っています。
それぞれの特徴を把握すれば、Z世代について理解が深められるでしょう。
Z世代の特徴としては、以下の6つです。
- デジタルリテラシーが高い
- SNSで情報収集する
- 保守的な金銭感覚
- ダイバーシティを重要視する
- 自分らしさを重視する
- 社会課題への関心が高い
Z世代の特徴について、詳しく解説します。
デジタルリテラシーが高い
Z世代は、すでに一般家庭でインターネットが普及している世代なので、デジタルリテラシーが高いです。
個人情報やID、パスワードの取り扱いに関して、慎重になっています。
ネットでは、ウイルスや情報漏洩などのトラブルが多いと理解している世代であるため、防衛意識が高いです。むやみに情報公開したりパスワードを使いまわしたりしないので、安全性に配慮したうえでインターネットを利用します。
SNSで情報収集する
Z世代はInstagrmやSnapchatなどのSNSで情報収集を行います。
Z世代の一つ前の世代である「ミレニアル世代」では、Googleで検索する行為を「ググる」と呼びます。
それに対してZ世代では、Instagramのハッシュタグを利用して情報収集する「タグる」が主流です。
インターネットで情報を取得するよりも、SNSを活用してリアルタイムで情報収集するのが、Z世代の習慣となっています。
保守的な金銭感覚
不況が続いたなかでZ世代は生まれ、成長してきました。
不況の影響を受けて育ったことから、浪費はせずに節約への意識が高いと言われています。
他の世代と比べて、物欲も少なく衝動買いをする傾向も低いです。
物を購入する前に、コストパフォーマンスを考えてから買う必要があるのかを慎重に検討する人が多い傾向です。
そのため、基本的に無駄遣いがほとんどなく、自炊をしてお金を節約したり、物を貯め込んだりしないミニマリストなどが増えています。
ダイバーシティを重要視する
すでにインターネットが普及した状態で生まれたZ世代は、ネット媒体から世界中のニュースを知ることができました。
世界には色々な考えや価値観の人がいると認識しているため、多様な価値観を受け入れられる柔軟性を持っている人が多いです。
教育現場でも、問題に対して一つの解答を求めるのではなく、多様な考え方で正解を求めることに重きを置いています。柔軟性のある考え方ができるようになり、ビジネスや人間関係で円滑なコミュニケーションが取れる人材に成長しやすくなるでしょう。
自分らしさを重視する
Z世代は価値観の多様性を求める傾向が強いため、自分の個性を重視します。
個性を尊重する教育方針が進んでいるため、自分らしさを求める行動が多いです。
好きな物を好きだと言えるのがZ世代の特徴で、ブランドに関係なく、自分が気に入った服を着たりアクセサリーを身につけたりします。
社会課題への関心が高い
Z世代の多くは子どものときに、震災の報道を見ています。
他にも、SDGsの問題についても、教育現場で指導を受けるケースが多いです。
そのため、災害や社会課題への関心が強く、自分自身の行動で課題を解決する意思があります。
他にも、ジェンダーに関する意識も、他の世代と比べて強く、多様性を求める傾向があるでしょう。
Z世代と他の世代との違い
Z世代以外にも、アルファベットで表現される他の世代があります。
Z世代以外の他の世代としては、X世代、Y世代、α世代が特徴的です。
世代 |
生まれた年 |
X世代 |
1960年代~1980年代前半 |
Y世代 |
1980年代~1990年代後半 |
α世代 |
2010年前半~2020年以降 |
具体的に、X世代、Y世代、α世代はどのような特徴を持っている世代なのか、詳しく解説します。
X世代との違い
1960年代~1980年代前半に生まれた人は、「X世代」と呼ばれています。
インターネットが普及し始めたのが成人してからであるため、情報収集はテレビや雑誌、ネットなど、さまざまな媒体を駆使しているのが特徴です。
数多くの社会変化を見てきた世代なので、適応能力が高いといった傾向があります。
独立心も高く、一人で生きていく能力が高い世代です。
Y世代との違い
1980年半ば~1990年代後半に生まれた人は、「Y世代」と呼ばれています。
バブル崩壊や就職氷河期時代など、経済の景気が悪い時代に生きてきた世代です。
景気が悪い時代に生きてきたため、安定志向が強いと言われています。
一つの会社で勤める傾向があり、転職に関してはネガティブな印象を抱いている人も多いです。
α世代との違い
Z世代の後に生まれてきた人は、「α世代」と呼ばれています。
アルファベットで世代を表現していましたが、Zの次がないので「ギリシャ文字」の1番目が「α世代」の由来です。
子ども時代には、すでにインターネットが家庭に普及しており、SNSも当たり前に使っている世代となります。
α世代が成人したときには、Z世代よりも多様性が認められる時代になっていると予想されているようです。
Z世代の働き方の傾向
Z世代は多様性を求める世代ですが、働き方に対してはどのような意識を持っているのでしょうか。
Z世代の働き方の傾向としては、下記の通りです。
- 職業重視の観点はこれまでと変わらない
- 仕事よりもプライベートを重視する傾向がある
- 転職に肯定的である
職業重視の観点はこれまでと変わらない
内閣府が行った『平成30年度版 子供・若者白書(概要版) 特集 就労等に関する若者の意識』の結果では、仕事を選択する際に重要と考える観点は、2011年度と2017年度では変化はほとんどありませんでした。
どちらの年代も、「安定して長く続けられること」「収入が多いこと」に対して、「とても重要」「まあ重要」と回答した人が多かったです。
仕事を選ぶうえでの意識については、Z世代と他の世代とでは、大きな違いはないことがわかりました。
仕事よりもプライベートを重視する傾向がある
仕事とプライベートのどちらを優先するのか質問した結果、2017年のデータでは「仕事よりも家庭・プライベートを優先する」といった回答が63.7%でした。
これは、Z世代が自分らしさを重視する傾向が強いために出た結果だと思われます。
2011年度のデータ結果では、「仕事よりも家庭・プライベートを優先する」と回答した人は、全体で52.9%でした。
2017年のデータと比べて10.8ポイントも下回る結果となっています。
転職に肯定的である
Z世代に対して、転職に対して調査したところ、多くの人が自分に合わない(能力や適正)職場なら、転職しても仕方がないといった意見が大半でした。
むしろ、積極的に転職したほうが良いと回答した人の割合が多かったです。
転職に対して肯定的な意見は、調査結果全体の72.1%という結果でした。反対に転職はすべきではないといった意見は、2割未満です。
Z世代は仕事に対して柔軟な考え方を持っているため、現在の職場にこだわらずに、自分に合う職場を探したほうが健全であるといった意見が多いようです。
Z世代のマーケティング
デジタルネイティブであるZ世代をターゲットにする場合は、マーケティング手法も工夫を施すことが大切です。
Z世代の特徴にマッチしたマーケティング手法を実践すれば、効率よく企業の知名度を向上させられるでしょう。
Z世代へのマーケティング手法として適切なのは、下記の通りです。
- デジタルマーケティング
- SNS活用
- 体験型キャンペーン
- スポンサーシップ
- インフルエンサーマーケティング
Z世代のマーケティングについて、詳しく解説します。
デジタルマーケティング
デジタルネイティブなZ世代におすすめのマーケティング手法は、「デジタルマーケティング」です。
デジタルマーケティングの種類はいくつかありますが、WebサイトやWeb広告などが該当します。
- Webサイト
- Web広告
- ウェビナー
- メール
- アプリ
- 動画
デジタルマーケティングは、一度コンテンツを作成すれば、24時間365日稼働してくれます。
どんな時間帯でも、Z世代の目に止まる可能性があるので、効率よく商品やサービスをPRできます。
Z世代はYouTubeやTikTokなどから情報収集する傾向が強いので、動画との相性は抜群です。
視覚情報から得られる内容は多いので、動画なら文章よりも伝えたい情報が発信しやすくなっています。
また、Z世代を対象とした動画を作成するなら、長時間の動画よりもタイムパフォーマンスの良い、再生時間の短いショート動画のほうがおすすめです。
SNS活用
Z世代はSNSの普及と共に成長している世代であるため、ほとんどの人がInstagramやX(旧Twitter)を利用しています。
情報収集をSNSから行う人も多いため、デジタルマーケティング手法としてSNS活用は欠かせません。
SNSでの発信は顧客が身近に感じやすいので、商品やサービスに対して親しみを持ってもらえます。
企業の知名度向上にも活用できるので、SNSを積極的に利用すれば効率よく企業PRができるでしょう。
コメント機能を利用すれば、顧客とのコミュニケーションにも使えます。
リアルタイムで顧客からの声が届けられるので、情報収集の方法としても優秀です。
体験型キャンペーン
Z世代はモノを利用するよりも、旅行やイベントなどの体験に価値を見出します。
そのため、体験型キャンペーンを発信し、顧客を獲得すれば知名度向上につながる可能性が高いです。
また、実際に体験してもらった様子をSNSで共有してもらえれば、他のユーザーにもアプローチできます。
顧客が体験したいと思わせるようなキャンペーンを実施すれば、Z世代の関心を集め、効率よく企業の宣伝に繋げることが可能です。
スポンサーシップ
Z世代は広告に対して敏感に反応し、ときには嫌悪感を抱く可能性があります。
そのため、広告を出すよりも、スポンサーシップを利用して特定の人に対して、企業をPRするマーケティング手法がおすすめです。
例えば、Z世代に人気のプロゲーマーやYouTubeへのスポンサーシップであれば、企業の知名度を向上させるきっかけになります。
自分が所属しているコミュニティ内の情報であれば、Z世代は信頼する傾向があるので、ブランドイメージ向上に繋がる可能性が高いです。
インフルエンサーマーケティング
Z世代はSNSで話題のインフルエンサーに対して、信頼を置いている傾向が強いです。
インフルエンサーは影響力の大きい人を指しており、SNSのフォロワー数が多い人やYouTubeのチャンネル登録者数が多い人のことです。
興味のあるインフルエンサーが紹介している商品やサービスであれば、Z世代は信頼して利用する可能性があります。
話題になっているインフルエンサーをうまく活用すれば、企業の知名度を一気に向上させられるかもしれません。
まとめ
今回はZ世代とは、どんな特徴を持っている世代なのか詳しくお伝えしてきました。
インターネットが当たり前の時代で成長してきたZ世代は、デジタルネイティブでSNSの活用に長けています。
SNSを活用したデジタルマーケティングを実施すれば、Z世代に商品やサービスを知ってもらえる機会を増やせるかもしれません。特に動画での宣伝効果は高く、タイムパフォーマンスが良いショート動画なら多くのZ世代に自社の商品やサービスを知ってもらえる可能性があります。
今回紹介したZ世代の特徴を参考に、効率よく宣伝できるマーケティング手法を実践してみてください。