さまざまな企業がビジネスの幅を広げる工夫として「越境学習」を取り入れ始めています。

 

越境学習とは出向や大学院入学など、勤務場所以外での経験や学習を行うことです。

 

従業員が新しい知見を得るきっかけになるため、ビジネス拡大へのチャンスにつながります。

 

想像豊かな人材に成長する手法として注目されはじめており、育成のために導入する企業が増えているのが現状です。

 

今回は越境学習とは、具体的にどのような手法なのか詳しい内容と、導入するメリット・デメリットについて解説します。

 

越境学習とは

越境学習とは、所属している企業や組織以外の場所で体験したり学習したりすることを指しています。

 

いつも業務を行っている環境から離れて学ぶことで、今までにない発想で自己啓発を行うことを目的としているケースが多いです。

 

越境学習の手法はさまざまあり、企業が求める人材育成のイメージから、適切な手法を選ぶ必要があります。

 

新たな環境で刺激を受ければ、創造性を高め、企業や人材の成長につながるきっかけになるでしょう。

 

越境学習が注目されている背景

越境学習が注目され出したのは、2020年に新型コロナウイルスが流行したことがきっかけです。

 

新型コロナウイルスによって、多様な働き方を企業が人材から求められ、4つの不安定要素が高まりました。

 

  1. 変動性(Volatility)
  2. 不確実(Uncertainty)
  3. 複雑性(Complexity)
  4. 曖昧性(Ambiguity)

 

頭文字をとって「VUCA」と呼ばれており、今まで安定していたキャリアが不安化した時代を指しています。

 

優秀な人材が企業を辞めるきっかけとなり、企業としても損失が大きくなってしまうリスクが生じてしまいました。

 

実際に厚生労働省が公開している「雇用動向調査結果の概況」では、入職・離職の推移では、新型コロナウイルスが流行した時期に入職・離職が低下しています。

 

出典:令和4年雇用動向調査結果の概況

 

社会が変化したと同時に、人材も仕事や働き方に変化を求めるようになりました。

 

その結果、離職率が増加しはじめ、企業の生産性が低下するリスクが高まっています。

 

企業は人材が働きやすい環境をつくり出すため、越境学習を導入し、社内満足を高める施策として導入し始めたのです。

 

越境学習のメリット

社内満足度を高め、安定した働き方を維持する「越境学習」ですが、導入するメリットとはどんなことが考えられるのでしょうか。

 

越境学習を導入するメリットとしては、下記の通りです。

 

  1. 越境者の成長につながる
  2. 企業変革の原動力となる
  3. 人的ネットワークが形成される

 

越境学習を企業が導入するメリットについて、詳しく解説します。

 

 越境者の成長につながる

今までの職場を離れ、新しい環境に人材を異動させることで仕事に対する価値観やスキルなどを再認識させるきっかけになります。

 

自分が培ってきた経験やスキルによって活躍できたり失敗したりすることで、越境者の成長につながるきっかけとなるでしょう。

 

ひとつの環境下で働くよりも、人材にとって良い刺激となり、離職率を低下させる効果も期待できます。

 

企業変革の原動力となる

越境者が別の環境で、新しい業務や文化に触れることで、今までにない発想を企業に持ち帰ることができます。

 

その結果、外部からの刺激による企業変革の原動力となり、企業成長につながる可能性が高いです。

 

内部では得られない経験や知識を人材が持ち込めば、新しいプロジェクトやプロジェクトの効率化を図るきっかけになります。

 

人的ネットワークが形成される

越境者が外部の人間とかかわることで、社内業務だけでは得られない人的ネットワークが形成できます。

 

普段は会うことがない人とかかわるきっかけとなるため、企業や人材にとって、かけがえのない財産となる可能性があるでしょう。

 

外部の人間と一緒に仕事をすれば、違う観点から業務のアドバイスが受けられるので、スキルや能力向上のきっかけになります。

 

また、人的ネットワークが広がれば、別業種の人と話ができるので、多方面での活躍が期待できる人材に成長できるかもしれません。

 

越境学習のデメリット

越境学習は出向や大学院入学など、外部の人とかかわることで新しい知見や経験を得るきっかけになります。

 

さまざまなメリットがありますが、なかにはデメリットに感じる部分もあるようです。

 

越境学習のデメリットとしては、下記の通りとなります。

 

  1. 効果を感じるのに時間がかかる
  2. 企業の負担が増加する

 

越境学習のデメリットについて、詳しく解説します。

 

効果を感じるのに時間がかかる

越境学習は導入してから、効果が実感できるまで時間がかかる傾向にあります。

 

実際、出向や大学院入学を経てから自社に知識や経験を持ち込むまで、かなりの時間が必要になるでしょう。

 

効果が発揮されるまで、継続的な支援が企業側に求められます。

 

越境学習を導入してから効果が期待できるまで、気長に待つことが重要です。

 

企業の負担が増加する

越境学習を企業が行うためには、さまざまな費用や手続きが必要になります。

 

エージェントやサービス提供事業者などの費用や手続きがかかるため、導入するための負担は大きくなるでしょう。

 

十分に予算と時間に余裕を持たせたうえで、適切な管理コストで導入を検討しなくてはいけません。

 

また、越境学習のために出向や大学院入学を行った後は、ある程度の管理が必要になります。

 

越境学習を行っている人材に任せっきりにするのではなく、定期的に連絡や進捗状況を確認するなどの対応が求められるでしょう。

 

越境学習の代表的な手法

越境学習のメリットやデメリットについて解説してきましたが、実際にどのような手法があるのでしょうか。越境学習の代表的な手法としては、下記の通りです。

 

  1. ワーケーション
  2. レンタル移籍
  3. プロボノ

 

越境学習の代表的な手法について、詳しく解説します。

 

ワーケーション

ワーケーションとは、「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた、新しい働き方を指しています。

 

一般的には休暇中に、旅行先で仕事をするといった働き方をイメージするケースが多いです。

 

しかし、ワーケーションの幅は広く、地域貢献しながら出会いや体験を経て、気付きや学習を行うといったプログラムを構成している企業があります。

 

企業によってワーケーションの導入方法は異なるので、どのような手法が行われているのか事前に確認しておくことが大切です。

 

レンタル移籍

レンタル移籍とは、現在従事している仕事や職種とは、全く違う企業で働く手法を指しています。

 

今までにない業務を行うことで、人材の働き方を刺激し、新しい知見やスキルを得るといったことが目的です。

 

自社にない体験や業務を経て、人材はノウハウを吸収する機会が得られます。

 

新しい発想を生み出すきっかけになるので、知見やノウハウを持ち帰ったときには自社の成長につなげられるでしょう。

 

プロボノ

プロボノとは「pro bono publico(公共善のために)」の略語で、職業や仕事で培われたスキルや能力を活かして行うボランティア活動のことです。

 

アメリカではじめられた活動で、企業がプロボノ活動を行うことでCSR(企業の社会的責任)が遂行できます。

 

CSRが遂行できれば、社会的信用の獲得につなげることが可能です。

 

越境学習の効果を高めるコツ

越境学習の効果をより高めるためには、ただ実行するだけではいけません。

 

学習の効果を高めるコツを把握し、実践的に意味のある学習にする必要があります。

 

越境学習の効果を高めるコツとしては、下記の通りです。

 

  1. 学習したことを社内共有する
  2. 振り返りやフィードバックを行う
  3. 振り返りやフィードバックを行う

 

越境学習の効果を高めるコツについて、詳しく解説します。

 

学習したことを社内共有する

越境学習の効果を高めるためには、学習したことを社内で共有する必要があります。

 

新しい知見やノウハウを社内で共有すれば、企業全体が成長するきっかけになるでしょう。

 

従業員一人で情報をとどめてしまうと、越境学習の効果が発揮されにくいです。

 

越境学習を行った後は、社内全体に情報共有できるように報告書の義務化などを行っておきましょう。

 

振り返りやフィードバックを行う

越境学習を行うときは、ただ機械的に実施するだけでは効率よく学習できない可能性があります。

 

より効率よく学習を進めるなら、定期的に振り返りやフィードバックを行うことが大切です。

 

定期的な振り返りやフィードバックは、学習した内容を言語化して記憶に定着させる効果が期待できます。

 

越境学習で得た経験や知見を業務に活かすためには、質の高い学習が重要になるでしょう。

 

定期的な振り返りやフィードバックを行うために、研修や報告会を実施し、意味のある学習にすることが重要です。

 

従業員全体が積極的に学習できる環境をつくりあげる意識が大切になってきます。

 

越境学習を社内に呼び込む

越境学習のために他の企業に人材を出向させるだけでなく、他企業の社員を社内に呼び込むことも重要です。

 

社内に他企業の人材を呼び込むことで、企業に新しい風を吹かせるきっかけになります。

 

他の企業で行っていることや、知見、ノウハウなどを吸収できる可能性があるので、企業にとって

良い刺激を与えることが可能です。

 

越境学習をうまく利用して企業を大きくするためにも、他者との違いをしっかりフィードバックしてもらいましょう。

 

越境学習の実施事例

越境学習が企業や働いている人材にとって重要な要素といっても、どのように実施すれば良いのかわからない人も多いでしょう。

 

そのような方のために、下記の越境学習の実施事例について紹介します。

 

  1. ワーケーションの事例
  2. レンタル工務店の事例
  3. インドで新規事業を立ち上げた事例

 

越境学習の実施事例について、詳しく解説します。

 

ワーケーションの事例

屋内で業務を行うことが多いシステムエンジニアの場合、かかわる人材は一定であるため、閉塞感を抱きやすいでしょう。

 

そのため、地域コミュニティで活動している農業法人で、農作業の基本を学びお米や野菜作りを行うといった屋外での作業に参加するワーケーションの手法があります。

 

異業種の人とかかわることで、新しい知見が得られるだけでなく、屋外で楽しい農業体験を行うことが可能です。

 

レンタル工務店の事例

ある工務店では、手先が器用で優秀な人材がいました。

 

しかし、施工管理業務といったリーダーシップの取り方がわからず、なかなか成長できないと困っていた事例があります。

 

そのようなときに、別の企業で旅館をリニューアルするプロジェクトが発足したため、手先が器用な社員をレンタル移籍させることにしました。

 

旅館リニューアルの設計から施工管理まで一任されることで、社員はリーダーシップを得ることができました。

 

知識や経験を経て、社員が今まで以上に成長できたようです。

 

インドで新規事業を立ち上げた事例

越境学習を経て、社会課題の見方の解像度が上がり、インドで新規事業を立ち上げた事例があります。

 

誰に対してどんなことを行う必要があるのか、越境学習を経験したことで明確に見えるようになりました。

 

目指す方向性が決まれば、自然とアクセルを踏み出すことができ結果を生み出すことができます。

 

越境学習で得た経験は、自ら課題を設定して行動するための行動指針になったようです。

 

まとめ

越境学習は、他企業への出向などを経験し、現状では得られない経験や知見を吸収するための学習です。

 

多くの企業が取り入れを導入しており、うまく活用できれば企業や人材育成に大きく貢献できます。

 

企業変革の原動力になる可能性がありますが、効果が実感できるまで、かなりの時間を要するのがデメリットです。

 

越境学習を取り入れる際は、何を目的に導入し、どんな結果を得たいのか明確にしておきましょう。

 

今回紹介した越境学習のメリットやデメリット、実施事例を参考に導入すべきなのか検討してみてください。

 

 

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