ネガティブフィードバックは、相手の成長や目標達成において欠かせないフィードバックです。

 

ただ、直接的なフィードバックに耐性のない相手に行うと、モチベーション低下につながるおそれがあります。

 

そのため、ネガティブフィードバックの伝え方には十分な配慮が必要です。

 

今回は、ネガティブフィードバックの目的や効果的な伝え方について詳しく解説します。

具体的な伝え方も紹介するので、人材育成においてネガティブフィードバックの取り入れ方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。

 

ネガティブフィードバックとは?

ネガティブフィードバックとは、相手の問題点を指摘し、改善を促すフィードバック手法のことです。

 

「営業成績が悪い」「今のままだと昇級は厳しい」といった、相手が耳にしたくない内容を伝えるため、伝え方によってはパワハラに発展する可能性も考えられます。

 

しかし、相手の行動に的確な評価を行うことは、相手の成長や目標達成を後押しすることにもつながります。

 

本来伝えたい思いとは違う受け止め方をされないよう、信頼関係の構築や伝え方に工夫が必要なことは覚えておきましょう。

 

ポジティブフィードバックとの違い

ポジティブフィードバックとは、良い面を中心に評価し、相手のモチベーションを高めて成長につなげるフィードバック手法のことです。

いわゆる「褒めて伸ばす」手法といえます。

 

「プレゼン上手だったよ」「昇進の可能性があるよ」といった、肯定的な言葉をかけることで相手の緊張をほぐすことができるため、ネガティブフィードバックよりも使いやすいでしょう。

 

ただ、相手を傷つけたくないからといってポジティブフィードバックを選択するのは、相手の成長のためにもなりません。

 

褒めるだけでは相手が現在の自分に満足し、成長意欲が低下する可能性があるのです。

 

ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックは、時と場合で使い分けましょう。

 

フィードバックとは?

フィードバックとは、相手の考え方や行動に対して指摘や評価をすることです。

 

問題解決や成長促進を目的としており、改善点を伝えることで軌道修正を促す狙いがあります。

 

どのような言葉をかけてフィードバックするかにより、ネガティブフィードバックとポジティブフィードバックに分けることができるのです。

 

フィードバックに似た意味の用語との違い

ビジネスの場では、フィードバックに似た意味の用語がたくさんあります。

 

それぞれの意味を理解し、人材育成に役立てましょう。

 

マネジメント

マネジメントとは管理や経営を意味する言葉で、組織の目標を達成するために行う組織運営のことです。

 

マネジメントは企業の発展には欠かせず、適切に機能すれば組織の目標達成や従業員の自己実現のサポート、社会貢献につながります。

 

チェックバック

チェックバックとは、さかのぼってチェックするという意味です。

ディレクターやクライアントが、制作物への修正指示を出すために行います。

 

フィードバックとは使用シーンがまったく異なり、チェックバックは一般的に映像業界で使われます。

 

コーチング

コーチングとは、コミュニケーションを通じて目標達成のための気づきを与え、主体的な行動を促す手法です。

 

答えはその人の中にあるというコーチングの原則に基づいて、答えを与えるのではなく答えを創り出すサポートを行います。

 

ビジネスだけでなく、スポーツや芸術などでも活用されています。

 

フィードフォワード

フィードフォワードとは過去や現状の行動にフォーカスするのではなく、将来や未来に視点を向けて具体的な策を考える手法です。

 

後ろ、以前に、という意味をもつ「バック」とは反対に、フィードフォワードの「フォワード」は前へ、将来の、といった意味を持ちます。

 

つまり、過去の行動にもとづき改善すべき点を見つけることがフィードバック、未来志向で変化を促すためのアプローチがフィードフォワードです。

 

ネガティブフィードバックを行う目的

ネガティブフィードバックの目的は、相手の間違いやマイナス面を指摘し、次の課題をクリアにすることです。

 

相手の欠点をはっきり述べることに慣れていない方は、ネガティブフィードバックが難しいと感じるでしょう。

 

以下の表は、従業員のミスに対してネガティブフィードバックを行う目的をまとめたものです。

 

ネガティブフィードバックを行う場面や目的のイメージが上手く持てていない人は、ぜひ参考にしてください。

 

場面

目的

目標達成に

至らなかったとき

未達成の要因となった部分を意識して次回目標達成につなげるため

期限の遅延したとき

プロジェクトやタスクの期限を守れなかった要因を追求し、時間管理や優先順位付けの改善を行うため

誤りや失敗が

発生したとき

再発防止のための学習や行動変更を促すため

職務の遂行における

問題が発生したとき

特定の職務を適切に果たせなかった要因を洗い出し、為し遂げるべき業務内容やレベルを再確認するため

勤務態度の問題が

発生したとき

職場での不適切な行動や態度をあらため、職場の倫理や規範に準拠させるため

チーム内のコミュニケーション

問題が発生したとき

より良いコミュニケーション方法を取り入れてもらうため

チームへの貢献不足が

起きたとき

チームワークや協力の重要性を再認識してもらうため

 

 

ネガティブフィードバックを行うメリット

ネガティブフィードバックのメリットには、「従業員のエンゲージメントの向上」「目標達成への成長促進」があります。

 

それぞれ詳しく紹介します。

 

従業員のエンゲージメントの向上

ネガティブフィードバックは、従業員のエンゲージメントの向上に効果的なフィードバック手法です。

 

エンゲージメントは誓約や約束を意味する言葉で、ビジネスシーンでは組織と個人が一体となり互いの成長に貢献し合う関係を指します。

 

「今よりも成長したい」「スキルアップしたい」と考える従業員にとって、直接指導してくれる上司はありがたいものです。

 

ネガティブフィードバックにより「自分のことを気にかけてくれている」「期待してくれている」といったポジティブ感情が芽生え、意欲的に行動するようになるでしょう。

 

自社への信頼や愛着が高まることが期待できますよ。

 

目標達成への成長促進

ネガティブフィードバックは、相手を叱責するものではありません。

 

目標達成への成長を促すためのフィードバックです。

 

改善すべき点を正確に伝えることで、相手は試練を乗り越えるための策を考えます。

 

問題を打破するための努力を継続し続けることができれば、設定した目標を達成できるようになるでしょう。

この過程で、人は大きく成長します。

 

また、ネガティブフィードバックは、過去を振り返って適度な試練や問題意識を与えるフィードバック手法です。

 

過去の自分よりも成長していると実感すれば、自信をもって仕事に励むことができ、パフォーマンスを向上させることができるでしょう。

 

ネガティブフィードバックの効果的な伝え方と注意点

問題点を指摘するネガティブフィードバックは、使い方を間違えてしまうと相手を傷つけ、やる気を削いでしまう場合があります。

 

相手が指摘内容を理解し受け入れてもらうための、効果的な伝え方と注意点を紹介します。

 

ネガティブフィードバックで失敗したことのある方や、相手の欠点をはっきり述べることに慣れていない方はぜひ参考にしてくださいね。

 

具体的に丁寧に指摘する

ネガティブフィードバックをする際は、具体的かつ丁寧に行いましょう。

 

抽象的な言葉で指摘されると、相手は何が悪かったのか、どのように行動を修正すればよいのかが分かりません。

 

とはいえ、相手を傷つけてはいけないと、回りくどい言い方をしてしまう人もいるでしょう。

もちろん、「馬鹿だ」「誰も期待していない」といった暴言はよくありません。

 

相手の成長を促すためにも、耳に痛い言葉でもきちんと正直に伝え、相手のマイナス面をきちんと指摘しましょう。

 

例えば、「クロージングでもう少し積極的になったほうがいいよ」ではなく、「クロージングで質問しお客様に喋らせるほうがいいよ。例えば○○という質問をする…」と具体的に伝えると良いでしょう。

 

もう少し、積極的に、のような曖昧な表現を避けると、効果的なネガティブフィードバックができますよ。

 

人格を否定したり責任転嫁をしたりしない

おさらいですが、ネガティブフィードバックはビジネスにおける相手の問題点を指摘するものであって、人格を否定するものではありません。

 

「いつもとろいやつだな」「家族にも嫌がられるぞ」といった、プライベートと紐づけてはいけません。

 

これは指摘でも何でもなく、パワハラと捉えらえるおそれがあるので注意しましょう。

 

また、部下の仕事がうまくいかないのは、マネジメント側の責任でもあります。

全ての失敗を相手に押し付けると、相手は自分のことを信用しなくなり、聞く耳を持たなくなるでしょう。

 

上司として責任の一端は自分にもあるという姿勢を示し、一緒に解決方法を検討するために指摘しているのだと言葉にして伝えると効果的でしょう。

 

早期に指摘を行う

ネガティブフィードバックは、相手の行動が気になったその瞬間に行いましょう。

 

というのも、ネガティブフィードバックが遅れてしまうと、相手は自身の行動に関する記憶が薄れた状態で指摘を受けることになります。

つまり、実感が湧きづらく、ネガティブフィードバックの効果を得にくくなるのです。

 

相手の記憶が鮮明なうちにネガティブフィードバックを行いましょう。

そうすれば指摘している部分と改善方法を理解してもらいやすくなりますよ。

 

個別で指摘を行う

ネガティブフィードバックを大勢の人がいる場所で行うと、相手の自尊心を傷つけてしまう可能性が高いといわれています。

 

さらに、必要以上に自分を責めることで、心理的負担が増すおそれもあります。

 

ネガティブフィードバックをする際は、当人同士以外誰もいない個室で、個別に時間を取って行いましょう。

 

ネガティブフィードバックの具体例

ネガティブフィードバックの具体例を3つ紹介します。

 

「自分の日頃から行っているネガティブフィードバックは適切なのか」「具体的にどのようなフィードバックがネガティブフィードバックなのか」などをチェックしたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。

 

客観的な事実ではなく、抽象的なフィードバック

NG例

「全体的に悪くないプレゼン資料だけど、ピンとこないなぁ。もう一度考え直してくれるかな。」

 

「全体的に」「ピンとこない」「考え直してくれ」、これらは抽象的な言葉といえます。

何が悪いのか、なぜピンとこないのか、どのように改善すべきかをきちんと説明しましょう。

 

OK例

「このプレゼン資料、事実の分析から入っているけど、社長の興味関心は結論にあるから、結論を先に示すといいよ。もともと内容として入れ込んでくれている論点や分析結果は、どの順番で説明するといいと思う?」

 

指摘した理由や改善点がきちんと説明できています。

問題点について自ら考えさせるうえでも、ネガティブフィードバックで相手に質問するのは効果的といえるでしょう。

 

感情的なフィードバック

NG例

「何回言っても、あなたは同じ間違いをするよね。大丈夫?私生活でもそうなの?」

 

「大丈夫?」という言葉をかけていますが、前後の文脈からして、馬鹿にしていることが分かります。

 

さらに、「私生活でもそうなの?」と、プライベートを持ち出して指摘することは、パワハラにつながるおそれがあるので注意が必要です。

 

OK例

「90%完成だけど、あと10%手直しする必要があるね。この部分はよく間違えちゃうことが多いから、なぜ間違えるのか、一度原因と改善策を見つける必要がありそうだね。今日の13時から30分間一緒に考えてみようか。」

 

どのくらい完成しているのか、あとどのくらい修正する必要があるのか、具体的な数字で伝えることで、相手は自分が作成したものの評価を理解しやすくなります。

 

また、「一緒に考えてみよう」と提案する際、5〜10分で終わらない可能性が高いなら、ミーティングとして別途時間を設けることがおすすめです。

一緒に席に着き、話をすることで、相手は緊張せずに悩みや疑問点を打ち明けてくれるでしょう。

 

時間がたってから指摘する

NG例

「ここ間違えているね。言わなかったけど、半年前も1ヶ月前も同じミスしたよね。言われなくても分かると思っていたんだけどな。」

 

相手は行動についての記憶がすでに薄れているため、時間が経ってから指摘しても意味がありません。

 

また、「言われなくても分かると思っていたんだけどな」は、上司の愚痴に過ぎません。

口に出すのであれば、適格に指摘し、次の行動を促すアドバイスをしましょう。

 

OK例

「ここ間違えているね。次から同じミスを出さないようにするにはどうしたらいいか、改善策を考えてみよっか。任せるけど、必要なら今日の午後でも一緒に考えるよ。」

 

部下の仕事の責任は上司にあり、部下のモチベーションアップや目標達成に向けて、上司が積極的に動く必要があります。

そのため、「改善策を考えてみよっか」と提案するのは、成長を促すうえで効果的といえます。

 

人によっては、自身の仕事をまずは自分だけで振り返りたい方もいます。

「必要なら今日の午後でも一緒に考えるよ」と提案型にすると良いでしょう。

まとめ

ネガティブフィードバックとは、相手の問題点を指摘し、改善を促すフィードバック手法のことです。

 

従業員のエンゲージメントの向上や、目標達成への成長促進といったメリットがあります。

 

ただ、相手の問題点を指摘するがゆえに、伝え方には注意する必要があります。

人格を否定せず、具体的かつ丁寧に指摘すると、指摘内容を理解し受け入れてもらいやすくなります。

 

この記事を参考にして、ネガティブフィードバックを正しく使ってみてくださいね。

 

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