人事・採用担当者におすすめの資格11選! 資格取得でスキルアップ・キャリアアップ

人事の仕事は、採用や人員配置、制度改革など多岐にわたるため、幅広い知識・スキルが求められます。

 

では、人事・採用担当者としての価値を高めるには、どういった資格を取得すれば良いのでしょうか。

 

この記事では、スキルアップやキャリアアップに役立つ、人事・採用担当者におすすめの資格をご紹介します。

 

なお、本記事で紹介する資格の情報につきましては、公式の情報も必ずご確認ください。

 

人事の仕事内容

人事は、

  1. 採用
  2. 人員配置
  3. 教育・研修
  4. 人事考課
  5. 制度・労働環境の整備
  6. 労務管理

といったヒトに関する業務を担う仕事です。

 

人事の業務範囲は幅広く、どこまで担当するかは企業によって異なります。

 

例えば、採用から労務管理まで一括して人事が担当する企業もあれば、採用業務でも新卒・中途で担当者を分ける企業もあります。

 

一般的には、企業規模の大きな企業ほど、担当業務を細分化する傾向が強いです。

 

資格と実務経験どちらが重要?

人事業務を遂行するには、さまざまな能力やスキルが必要となります。

 

とはいえ資格を取得したからといって、業務遂行に必要な能力・スキルが身につくわけではなく、実際の業務から習得していくケースほとんどです。

 

また人事は医師や弁護士のように、有資格者しかできない仕事ではありません。

 

転職時に資格取得が加点対象となることはあっても、採用の決定打になることはなく人事職の実務経験やその経験を自社で活かせるかどうかが重視されます。

 

したがって、資格と実務経験では、実務経験の方が重要と言えるでしょう。

 

ただし、資格取得のための勉強をすれば必然的に知識が増えるため、業務に活かせます。

 

どういった知識を身につける必要があるのかを見極めた上で、資格の勉強をしましょう。

 

これからの人事・採用担当者に求められる役割と資格

従来の人事は、人材採用や労務管理といったオペレーション業務が中心で、人や制度を管理・維持するための保守的な役割が強く求められていました。

 

しかし、変化の激しいVUCA時代に突入し、ビジネス環境も複雑化したことで、経営戦略や事業計画にもとづいた人事戦略の必要性が高まっています。

 

経営者や事業責任者の戦略的パートナーとしての役割が求められるようになったため、人事・総務関連の資格はもちろん、MBAなどのビジネスに関する資格も役立つでしょう。

 

また、採用業務では、母集団の流入経路拡大(求人広告・採用HP・SNSなど)やHRTechの台頭により、マーケティングやアナリティクスの知識も必要になってきています。

 

 

人事・採用担当者におすすめの資格11選

では、具体的にどういった資格が役立つのか、人事・採用担当者におすすめの資格をご紹介します。

 

1.人事総務検定

人事・総務の業務に必要な知識や実務を体系的に学べる検定です。

 

雇用や退職の手続き、給与計算、労務管理、人事評価、安全衛生など、多岐にわたる知識を総合的に身につけられるため業務の幅を広げられるでしょう。

 

3級に受験資格はありませんが、2級・1級は『人事総務スキルアップ検定協会』への登録者かつ、1つ下の級に合格している必要があります。

受検資格

3級:特になし

2級:人事総務スキルアップ検定協会の登録者/3級合格者

1級:人事総務スキルアップ検定協会の登録者/2級合格者

受験料

3級:5,090円

2級:7,640円

1級:11,000円

合格率 非公開
URL http://jinjisoumukentei.akibare.ne.jp/

 

2.キャリアコンサルタント試験

労働者のキャリア形成を支援するキャリアコンサルタントは、国家資格です。

 

学科と実技の両方に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録されると「キャリアコンサルタント」と名乗れるようになります。

 

従業員の適性にもとづいたキャリアプランの明確化や必要な知識・資格の取得、仕事選択のアドバイスといった、社内人材のキャリア形成支援に役立つでしょう。

 

また、キャリアコンサルタントの資格を保有するには、5年ごとに更新する必要があります。 

受検資格

・厚生労働大臣認定の講習課程を修了している

・労働者の職業選択、職業生活設計または、職業能力開発および向上のいずれかに関する相談を3年以上の経験している

・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または、実技試験に合格している

の条件のうち、いずれかに該当するもの

受験料 8,900円
合格率

学科:63.0%

実技:63.3%
(第19回キャリアコンサルタント試験)

URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consultant01.html

 

 

3.メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定は、労働者の心の健康を守るのに役立つ資格です。

 

厚労省の『メンタルヘルス指針』にもとづいた検定試験で、

 

Ⅲ種(セルフケアコース)…一般社員対象

Ⅱ種(ラインケアコース)…管理職対象

Ⅰ種(マスターコース)…人事労務管理や経営幹部対象

 

の3コースが設定されています。

 

難易度はコースによって異なりますが、いずれも受験資格はないので、自分のレベルに合わせて受検していくと良いでしょう。

受検資格 特になし
受験料

Ⅲ種:5,280円

Ⅱ種:7,480円

Ⅰ種:11,550円

合格率

Ⅲ種:71.2%

Ⅱ種:46.4%

Ⅰ種:19.8%
(第31回メンタルヘルス・マネジメント検定)

URL https://www.mental-health.ne.jp/

 

4.ビジネス・キャリア検定

ビジネス・キャリア検定は、厚生労働省の定める職業能力評価基準もとづいた公的資格試験で、事務系職種に必要な知識の習得と実務能力の評価を目的としています。

 

「人事・人材開発・労務管理」「経理・財務管理」「営業・マーケティング」など、8分野44試験の中から、自分の職種に合った試験が受検可能です。

 

試験等級と主な受検対象者は、

 

BASIC級…学生・内定者・新入社員

3級…実務経験3年程度

2級…実務経験5年程度

1級…実務経験10年以上

 

となっており、上位ほど難易度が高くなります。

 

受検資格 特になし
受験料

BASIC級:3,300円

3級:6,200円

2級:7,700円

1級:11,000円

合格率

【BASIC級】

非公開

【3級】

人事・人材開発:60%

労務管理:51%

【2級】

人事・人材開発:65%

労務管理:41%

【1級】
人事・人材開発・労務管理:10%

(令和3年度前期ビジネス・キャリア検定試験)

URL https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/business/

 

5.産業カウンセラー試験

産業カウンセラーは、職場の人間関係やストレスなどに悩む人のカウンセリング・ケアを行うメンタルヘルスの専門家です。

 

健康経営への注目が高まっている近年、メンタルヘルス対策に注力する企業が増えています。

受検資格

・成年に達しており、協会が行う産業カウンセリングの学識および技能を修得する講座を修了している

・4年制大学において、心理学または心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれかの名称を冠する専攻(課程)を修了し、必要単位を取得している

などの条件のうち、いずれかに該当するもの

受験料

学科:10,800円

実技:21,600円

合格率

学科:67.8%

実技:67.3%

(2021年度(2022年1月)の試験結果)

URL https://www.counselor.or.jp/

 

6.採用コンサルタント資格

採用コンサルタント資格は、人事業務の中でも人材採用に焦点を当てた資格です。

 

採用活動に関する法律・事務知識、採用スキームの構築に役立つ知識など、採用業務に欠かせない知識を体系的に学べます。

 

採用コンサルタント資格は、すべてプログラムを修了し認定試験に通過すると取得できます。

受検資格 実務経験2年以上かつ、成年に達していること
受講料 95,000円
合格率 非公開
URL https://www.sogokeiei.or.jp/s_consultant/index.html

 

7.衛生管理者

衛生管理者は、労働安全衛生法にもとづく国家資格です。

 

衛生管理者になると、労働者の危険や健康障害防止措置、労働者への健康・衛生教育といった仕事ができるため、人事職に大いに役立てられるでしょう。

 

衛生管理者には、

 

第一種…有害業務を含む全業種に対応

第二種…有害業務と関連のない業種のみ

 

の2種類があります。

 

受検資格

・短期大学を含む大学・高等専門学校を卒業しており、労働衛生の実務経験が1年以上ある

・高等学校卒業または中等教育学校を卒業しており、労働衛生の実務経験が3年以上ある

・労働衛生の実務経験が10年以上ある

などの条件のうち、いずれかに該当するもの

受検料 6,800円
合格率

第一種衛生管理:43.8%

第二種衛生管理:52.8%

(2020年度実施)

URL https://www.exam.or.jp/index.htm

 

8.社会保険労務士試験

社会保険労務士試験は、社会労務士法にもとづいた国家資格です。

 

労働保険や社会保険に関する手続きや就業規則の作成など、労務全般の知識を身につけられます。

受検資格 学歴・実務経験・試験合格によって異なる
受検料 15,000円
合格率

7.9%

(第53回社会保険労務士試験)

URL https://www.sharosi-siken.or.jp/

 

9.外国人雇用管理主任者

外国人雇用管理主任者は、外国人雇用に関するトータルサポートができる人材の育成を目的とした資格です。

 

在留資格の基礎知識や外国人労働者の採用計画、労務管理ルール、助成金など、外国人の雇用にあたって必要となる知識全般を身につけられます。

 

外国人の雇用増加が見込まれる今後、需要はさらに高まるでしょう。

受検資格 特になし
受検料 8,500円
合格率 非公開
URL https://eacf.jp/

 

10. Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)

GAIQは、Google提供のデータ解析ツール『Googleアナリティクス』の知識や技能を証明する認定資格です。

 

導入や設定、管理、分析、レポーティングなど、Googleアナリティクスの運用に必要な知識を習得できます。

 

有効期限は、試験合格後12か月間となっており、GAIQを保有し続けるには期限後に再受検して合格する必要があります。

受検資格 Googleアカウントのみ
受検料 無料
合格率 非公開
URL https://support.google.com/analytics/?hl=ja#topic=10737980

 

11.MBA

専門大学院の学位課程を修了すると経営管理修士、大学院の修士課程を修了した場合は経営学修士の学位が与えられ、MBAホルダーとなります。

 

経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報や法律、経営学など、企業経営に必要な実践的な知識を身につけられるため、HRBPを目指す人におすすめの資格です。

 

ただし、高等教育機関で学位を取得しなくてはならないため、多大なコストと時間がかかります。

 

必要な知識を見極めて資格を取得

多岐にわたる人事業務は、企業によって担当範囲が異なります。

 

そのため、人事担当者としての価値を高めるには、将来のキャリアパスを明確にし、必要となる資格を取得することが重要です。

 

また、人事に求められる役割も変化してきているため、人事としてワンランク上のキャリアを目指すならMBAなどの資格取得を検討する必要もあるでしょう。

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