近年では売り手市場の影響で応募者が集まりにくくなっており、求人募集をしてもなかなか採用ができないという企業も多いです。

 

そんな時には、求職者へ直接アプローチができる「スカウトメール」がオススメです。

 

しかし、スカウトメールを使ってみたいとは思っていても、「どうやって書いたらいいか分からない」「思ったような効果が出ない」といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 

スカウトメールはただやみくもに送っていてもあまり効果は期待できません。

 

ですが、効果的なスカウトメールが作成できれば、今の状況を打破できるかもしれません。

 

今回はスカウトメールの書き方やコツ、採用形態別の例文などをご紹介いたします。

 

ぜひ効果的なスカウトメールの運用にお役立てください。

 

スカウトメールはなぜ利用されているのか?

「スカウトメール」は求人サイトを使って求人募集をしたことがある方なら一度は見かけたことがあると思います。

 

ここでは、スカウトメールとは何か、その仕組みについての解説と、多くの企業で利用されている理由をご説明します。

 

スカウトメールとは?

スカウトメールとは、求人サイトの人材データベースの中から採用要件にフィットした候補者を探し出して直接メールを送り、企業から求職者へアプローチをする機能です

 

従来のように、掲載した求人からの応募を待つ「守りの採用」ではなく、積極的に採用活動を行う「攻めの採用」と言えます。

 

スカウトメールは、下記①~④の流れで行われます。

 

①求職者が求人メディアなどの人材データベースへ経歴(WEB履歴書)を入力

②求人企業がデータベースの中から、スキルや職歴など求める人材を検索して抽出

③マッチする人材を抽出したらスカウトメールを作成し、ターゲットへ送信

④ターゲットから返信が来たらやり取りを行い、応募へ誘導

多くの企業でスカウトメールが利用されている理由は?

スカウトメールが注目される主な理由は、空前の売り手市場によって採用難易度が上がってしまい、今までの求人募集だけでは採用が難しい現状があるためです。

 

厚生労働省の一般職業紹介状況によると、2019年8月の有効求人倍率は1.59倍です。

 

 

上図を見ると、高い水準で推移していることが分かりますね。

 

求人数が求職者数よりも多い状況が続いてしまっているため、応募者を集めるのが難しく、また、1人の求職者を複数社で取り合うような光景も当たり前になっています。

 

この厳しい状況を打破するため、求職者へ積極的にアプローチして応募へ誘導する「スカウトメール」に注目が集まり、多くの企業で利用されているのです。

 

スカウトメールの書き方とコツ

スカウトメールは応募者を確保するために有効な手法ですが、ただ送ればいいというわけではありません。

 

ここでは、スカウトメールの書き方とコツについてご紹介いたします。

 

「誰に・何を・どのように伝えるのか」意識して作成

スカウトメールは、下記の流れに沿って作成しましょう。

 

下記の流れで考えることがスカウトメールでの鉄則になります。

 

・誰に(ターゲット)

・何を(伝えたい内容)

・どのように(本文)

 

「誰に」ターゲットを明確にする

採用ターゲットや目的を明確にすることから始めましょう。

 

20代の未経験者層と経験を積んだ30代の即戦力層では、魅力感じるポイントが違うため、作成すべき内容は大きく異なります。

 

下記のような項目から人物像(ペルソナ)を設定し、ターゲットを明確にしてください。

 

・基本情報(年齢や性別、在住の地域など)

・適合性(志向や性格、価値観など)

・経験(職歴や業務内容など)

・スキル(資格など)

・転職理由

 

例)営業職の募集。人柄・やる気重視のため、経験は問わない。

 

【ペルソナ設定】

・20代半ばの男性/営業未経験

・アパレルショップの店長

・給料やキャリアパスに不満を感じている

・販売力を活かして営業にチャレンジしてみたい

・キャリアアップに必要なスキルを身につけたい

 

ペルソナの設定方法は「採用活動の土台作り!求める人物像の策定方法」にてご紹介していますので、併せてご覧ください。

 

「何を」内容を決める

メッセージを送る相手が決まったら、その人が興味を持ちそうな内容を考えましょう。

 

内容を決める時の重要なポイントは下記2点です。

 

・簡潔な会社紹介

・より求職者に目を引いてもらえるような魅力

 

求職者には他の企業からも多くのスカウトメールが届きます。

 

ターゲットの目に留まってメールが開封されても、すぐに閉じられてしまう可能性もあります。

 

そのため、メールを開いたときに「この会社良さそう!」と思ってもらえるよう、事前に伝えたいことを整理しておきましょう。

 

「自社の魅力が分からない」という方は、求職者が魅力を感じやすいポイントをご覧ください。

 

求職者が魅力を感じやすいポイント

 

【仕事・ポジション】

任せたい仕事/やりがい/裁量が大きい/幹部候補

 

【給与】

前職の給与保証/過去の賞与実績例/高い年収例/インセンティブ/残業代全額支給

 

【休日】

完全週休2日制/年間休日/有給消化率

 

【その他】

フレックス勤務/テレワーク/産休・育休取得実績有/副業OK/残業なし・少なめ/転勤なし/研修制度充実

 

「どのように」本文を考える

誰に何を伝えたいのかを決めたら、それをどのように伝えるのか考えます。

 

本文の冒頭で要件を簡潔にまとめる

候補になかった企業から、急に「うちに来てほしい」というメールが届いても読みませんよね。

 

最後までメールを読んでもらうには、冒頭で「気になるな」「読んでみたいな」と思わせることが重要です。

 

メールの冒頭で「○○の経験が××の仕事に活かせる」など、スカウトしている理由を具体的に伝え、特別感を出しましょう。

 

「履歴書を読んで評価してくれた」と感じれば、返信してもらえる可能性が高まりますよ。

 

簡潔に会社紹介をした上で、入社後の将来像をイメージさせる

冒頭でスカウトした理由を伝えたら、会社紹介をしましょう。

 

「現在どのような活動をしているのか」「今後どのようなビジョンを描いているのか」現在と未来を交えて紹介すると、印象に残ります。

 

また、入社後の将来像をイメージできるため、意欲向上にも繋がります。

 

選考や問い合わせに関する情報を明記する

興味を持ったターゲットが「次にどのようなアクションをすれば良いのか」明記してください。

 

スカウトメールへの返信で良いのか、求人に応募するのか、具体的なアクション方法が分からないと機会損失になってしまいます。

 

最後に、選考や問い合わせに関する情報と署名を忘れず記入します。

 

特別感のある件名を設定する

スカウトメールが開封されなければ、当然相手から返信は来ません。

 

求職者には大量にスカウトメールが送られてくるため、よくある件名では他のメールに埋もれてしまいます。

 

件名は、興味を引くためにターゲットに合わせて作成する必要があります。

 

下記2点を意識すると、特別感のある件名を設定できますよ。

 

ターゲットに合わせたポジティブな条件を盛り込む

ターゲットの強みを反映させる

 

自分に有益な情報と履歴書を見て判断していると感じるような件名は、興味を引きやすくなるため、開封される可能性が高くなります。

 

良いスカウトメールと悪いスカウトメールの違いとは

良いスカウトメールと悪いスカウトメール違いを知って、精度の高いスカウトメールを作成しましょう。

 

良いスカウトメール

・特別感がある

・応募者が希望する条件にマッチしている

・経営者など役職者からのオファー

・スカウトした理由が明確に分かる

・アクション方法が分かりやすい

 

良いスカウトメールは、ターゲットを意識して簡潔に分かりやすく書かれたメールです。

 

悪いスカウトメール

・明らかな定型文

・会社紹介が長い

・応募者のメリットが不明

・その会社で働いているイメージができない

・アクション方法が分からない

 

一方悪いスカウトメールは、ターゲットを意識せず、伝えたい内容もよく分からないメールです。

 

誰に何を伝えたいのかを意識して、分かりやすいメールを作ることが重要と言えますね。

 

 

悪いスカウトメールの例文

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・件名

【未経験者歓迎】毎年120%成長の企業で営業にチャレンジしませんか?

 

・本文

はじめまして。○○社の採用担当の▲▲です。

 

弊社は、○○という事業を主軸に多くのサービスを提供しています。毎年増収しており、年間成長率は120%という成長著しい企業です。

 

今回は、事業拡大に伴い営業を募集することになりました。

 

特別なスキルは必要ありません、未経験でもやる気のある方は大歓迎です!

 

ご興味のある方はぜひご応募ください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

よく見かけるスカウトメールですが、件名も本文もありきたりで特別感がありません。

 

また、会社自慢のような情報から始まり、会社に入るメリットも書かれていないため、一方的なコミュニケーションのように感じられますね。

 

ターゲットの存在を忘れず、相手を意識して作成することが重要です。

 

 

良いスカウトメールの例文

では、下記のペルソナ設定をもとに、良いスカウトメールの例文を見ていきましょう。

 

【誰に(ターゲット)】

・20代半ば/男性

・アパレルの店長をしている

・給料やキャリアパスに不満を感じている

・販売の経験を活かして営業に転職したい

・研修制度が整った会社を希望

 

【何を(伝えたい内容)】

・研修制度が整っているため、未経験でもOK

・スキルよりも人柄を重視している

 

【どのように(本文)】

・営業未経験で入社した人が活躍していることを伝える

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・件名

【充実の研修制度で営業未経験でも安心!】○○様の経歴を拝見いたしました。一度お話しさせて頂けませんか?

 

・本文

○○ ○○様

 

初めまして。株式会社▲▲採用担当の●●と申します。

 

○○様のプロフィールを拝見し、△△社の店長経験から培った能力を弊社の営業職に発揮していただけると思い、ご連絡いたしました。

 

弊社は、「××」という商品を企業様向けに販売しております。昨年、××を利用した医療分野の商品開発「★★」に成功し、注目を集めている企業です。

 

○○様には、「★★」事業部の営業職として、法人様への商品紹介や提案をお願いしたいと思っております。

 

営業経験がないのはご不安かと思いますが、充実した研修制度をご提供しているため、存分にご活躍頂ける環境です。

事実、昨年入社した営業未経験の社員5名全員が、入社1ヶ月以内に成果を出しています。

 

社歴の浅いメンバーは先輩社員がしっかりフォローいたしますので、ご安心ください。

 

現在、弊社では一致団結して新商品の普及に向けた取り組みを行っております。

具体的な業務内容や企業情報については、弊社ホームページをご覧いただけますと幸いです。

 

<https:~>

 

○○様の経験を活かせる環境ですので、まずは一度お話しさせて頂けないでしょうか?

それでは、○○様からのお返事を心よりお待ち申し上げております。

 

————————————

株式会社▲▲

採用担当●●

e-mail:

tel:

————————————

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あなた」ではなく、必ず送る人の名前を書きましょう。

 

スカウトメールを送った理由を冒頭で説明すると、特別感が出てターゲットの興味を引けます。

 

会社紹介は簡潔にし、興味を持ったらすぐに調べられるようURLを貼っておくと親切です。

 

また、ターゲットのメリットとなる点を具体的な数字で説明すると、説得力が増します。

 

カジュアル面談を応募前に入れ、気負わずアクションできるよう誘導してください。

 

ターゲットの不安や希望などを考えてしっかりと寄り添い、威圧的な文にならないよう意識することが大切です。

 

採用形態別!スカウトメールの例文

新卒や中途、役職によっても、求職者が興味を持つポイントは変わります。

 

ここでは、採用形態ごとのスカウトメールの例文をご紹介します。

 

新卒・未経験者採用向けスカウトメールの例文

新卒・未経験者へのスカウトメールを作成する際は、下記のポイントに留意して書きましょう

 

<新卒・未経験者が興味を持つポイント>

・どういう企業なのか

・スカウトしたい職種/仕事の内容

・今までの経験(学歴/アルバイト経験など)をどのように活かせるのか

・入社して身に付くこと

・研修制度

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・件名

【充実の研修制度】○○様の経歴を拝見いたしました。マーケティングのスキルを身につけませんか?

 

・本文

○○ ○○様

 

初めまして。株式会社▲▲採用担当の●●と申します。

 

○○様が**大学にて—-を専攻されているのをWEB履歴書で拝見し、学んできた成果を弊社のマーケティングに発揮できるのではないかと思い、ご連絡いたしました。

 

弊社は、××を手掛けている会社です。

日常生活でもお馴染みの★★を扱っており、昨年は中国にも拠点を設け、グローバルに事業展開しています。

 

今回、事業拡大のため20名の新卒、第二新卒採用を行っております。

○○様には市場調査や消費者動向調査、宣伝などを担当して頂きたいと思っております。

 

○○様のTOEIC・・・点も大いに活かして頂けると思いますので、是非ご検討ください。

 

社会人として第一歩を踏み出すことに大きな不安を感じていることと思いますが、勉強会や充実した研修制度、メンター制度などに力を入れております。

 

先輩社員もしっかりとサポートいたしますので、ご安心ください。

 

仕事内容や会社の詳細は下記URLからご確認頂けます。

<https:~>

 

ぜひ、一度弊社のメンバーにお会い頂き、ざっくばらんにお話しできればと思います。

お忙しい時期かとは存じますが、○○様からのお返事を心よりお待ち申し上げております。

 

————————————

株式会社▲▲

採用担当●●

e-mail:

tel:

————————————

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

中途採用向けスカウトメールの例文

転職者へのスカウトメールを作成する際は、下記のポイントに留意して書きましょう。

 

<転職者が興味を持つポイント>

・前職の経験をどのように活かせるか

・提供している商品やサービスについて

・スキルアップや研修制度など、求職者へのメリット

・給与イメージ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・件名

【前職の給与保証】○○様の経歴を拝見いたしました。ECサイトのWebエンジニアのご案内

 

・本文

○○ ○○様

 

初めまして。株式会社▲▲採用担当の●●と申します。

 

○○様の△△社でのエンジニア経験から、弊社が運営するファッション通販サイト「××」のWebエンジニアをご案内したく、ご連絡させて頂きました。

 

弊社は「××」というファッション通販サイトを運営しており、若手デザイナーの商品も数多く取り扱う注目度の高い企業です。

会員登録者数も年々増加し、000万人のお客様に親しまれています。

 

○○様には、新サービスの開発に向けたシステム設計や開発などをお願いしたいと考えております。

 

JavaやPHPなどの言語スキルを活用できる環境が整っており、すぐにご活躍頂けると思います。

 

Web技術に関する○○様の知識探求には、感服いたしました。

更なるレベルアップができるよう、弊社ではスキルアップ手当や勉強会などもご用意しております。

 

これまで培ってこられた○○様のスキルやご経験をさらに磨ける環境をご用意しておりますので、ご検討頂けますと幸いです。

 

<求人掲載内容>

【弊社の特徴】

・若手デザイナー商品を多数取り揃えるなどチャレンジングな社風です。

・フレックス勤務など柔軟な働き方ができます。

・スキルアップ手当有、全額会社負担いたします。

 

【給与】
・月給○○万円~

※前職給与を保証した上で、能力・経験を考慮いたします。

 

【求人広告URL】

http:~

 

少しでもご興味をお持ち頂けましたら、一度お会いできる機会を頂けますと幸いです。

ご質問だけでも構いませんので、お気軽にご連絡ください。

 

○○様からのお返事を心よりお待ち申し上げております。

————————————

株式会社▲▲

採用担当●●

e-mail:

tel:

————————————

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

管理職採用向けスカウトメールの例文

キャリア人材向けのスカウトメールを作成する際は、下記のポイントに留意して書きましょう。

 

<キャリア人材が興味を持つポイント>

・入社後のポジション

・仕事内容

・管理するチーム構成や人数

・年収イメージ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・件名

【面談確約オファー】ファッション通販サイト××を手掛けるWebディレクター

 

・本文

○○ ○○様

 

初めまして。株式会社▲▲採用担当の●●と申します。

○○様の△△社での優れたご経験が目に留まり、弊社が運営するECサイト「××」のWebディレクターをご案内したく、ご連絡させて頂きました。

 

弊社は「××」というファッション通販サイトを運営しており、若手デザイナーの商品も数多く取り扱う注目度の高い企業です。

会員登録者数も年々増加し、000万人のお客様に親しまれています。

 

Webに関する幅広い知識とマネージメント経験をお持ちの○○様には、新サービスの担当ディレクターとしてご活躍頂きたいと考えております。

 

チーム構成は下記の通り、バランスの取れた運営体制です。

プロデューサー1名/ディレクター2名/開発担当4名/デザイナー3名/営業企画2名/その他5名の計17名

これまで培ってこられた○○様のスキルやご経験を活かして、「××」を盛り上げて頂きたいと思います。

 

【求人広告提示給与】

初年度年収○○○万円~

※前職の経験を考慮いたします

 

【求人広告URL】

http:~

 

少しでもご興味をお持ち頂けましたら、情報交換の場として一度お会いしたいと考えております。

ご不明点などがございましたら、お気軽にご連絡ください。

 

それでは、○○様からのお返事を心よりお待ち申し上げております。

————————————

株式会社▲▲

採用担当●●

e-mail:

tel:

————————————

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ターゲットに合わせたスカウトメールで応募へ繋げる

求める人材に直接アプローチできるスカウトメールは、応募を待つだけでは人が集まらなくなった近年、注目度の高い採用手法です。

 

しかし、せっかくスカウトメールを作っても、開封されなければ意味がありません。

 

大量に届くメールの中から開封し、最後まで読んでもらうには、ターゲットに合わせた内容を書くことが重要です。

 

効果的なスカウトメールになるよう、ご紹介した内容を参考に作成してみてくださいね。

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