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■ストレスチェック制度とは?

ストレスチェック制度は、企業側が労働者の精神の健康状態をチェックしメンタルヘルスケアに役立てるための新たな取り組みとして、「労働安全衛生法」の改正により従業員50名以上の事業所で毎年1回実施することが義務づけられています。

 

実施の流れは、ストレスに関する質問票(選択回答)に記入してもらったものを集計・分析し、ストレスがどのような状態にあるのかを調べるというシンプルな検査。

 

検査結果は実施者から直接社員本人に届けられます。

 

実施対象となるのは1年以上雇用されているすべての従業員(※1)となるため、社内で衛生委員会を開催し、あらかじめ実施体制や方法などを社内規程に定めておくことが必要です。

 

また、整備した規程は「なぜこれを行うのか」といったストレスチェックの意義とともに社員へしっかり周知しましょう。

 

(※1)…労働時間が通常の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外

 

 

■検査実施において企業に生じる義務

実際にストレスチェックを行うのは、医師や保健師です。

 

検査結果については、検査を実施した医師・保健師から直接社員本人に通知され、本人の同意なく企業に提供することは禁止されています。

 

さらに検査結果で高いストレスを感じていると評価された社員から申出があった場合は、医師による面談・指導を行います。

 

この時、申出をした社員をこの理由で不利益に取扱うことは禁止です。

 

企業側で行わなければいけないことは、この先です。

 

面接を行った医師から指導の結果や意見を聴き、深刻度や必要に応じて臨床心理士などの専門家と連携しながら、改善策を考えていくことが求められます。

 

医師からの意見聴取は、面接から遅くとも1か月以内に行うことが望ましいです。

 

また、担当医師が行った面接指導の内容は記録として残し、事業所で5年間の保管が義務づけられています。

 

記録として残すものは、以下の5つです。

 

①実施年月日
⓶社員の氏名
③担当医師の氏名
④社員の勤務状況、ストレスの状況、その他の心身の状況
⑤就業上の措置に関する医師の意見

 

また、ストレスチェック制度の実施についてはプライバシーの保護として個人情報の守秘義務を守ることはもちろん、労働基準監督署への実施状況の報告が義務づけられています。

 

この報告を怠った場合は、法規に基づき罰則の対象となります。

 

 

■従業員が50人未満の事業所ではどうする?

制度が義務化されていない50人未満の事業所でも、積極的に導入することはメンタルヘルス対策の一環として望ましいことです。

 

特に、長時間労働や業務負荷が高くストレスがかかりやすい会社や、義務化の対象となる本社がある会社の支店・営業所などは導入を検討した方が良いでしょう。

 

制度導入に関する費用を助成する制度がいくつかありますので、支給条件に応じて利用するのがお勧めです。

 

では、実際の導入にあたって企業側が行うべきことや気を付けなければいけないのはどんなことでしょうか。

 

まずは、取組みの中心となる担当者を決めましょう。

 

小規模事業所では衛生管理者等の選任及び衛生委員会等が義務化されていないため、中心となって推進する担当者が必要です。

 

もちろん1人で担当するのではなく周囲の協力体制をつくることが大事です。

 

また、個人のプライバシーを扱うため充分な配慮が求められます。

 

診断書の提出ルート、面談の申し出は誰に伝えられるのか…などをはっきりさせることは社員への安心感に繋がります。

 

社内に専門知識を持つ人がいない場合は、地域産業保健センターやメンタルヘルス対策支援センター等の外部支援の活用も1つの手段です。

 

<導入ポイントまとめ>

◆中心となる「メンタルヘルス推進担当者」等を決める
◆担当者だけに負担がかからないように相談できる体制を作る
◆プライバシーへの配慮に関する決まりを作成する

 

 

■ストレスチェック制度のメリット

◆社員へのメリットは…

個人情報が守られた環境で従業員が自身の心の状態を知り、心身のセルフケアに取り組むことができます。

 

セルフケアだけで改善が難しい場合は、医師の面接指導を受けることができ、必要があればストレスの要因を軽減するよう医師の意見を会社側へ届けることができます。

 

このようなメリットは、ストレスチェックを実施する際にあらかじめ社員に伝えておくと良いでしょう。

 

◆企業(事業者)へのメリットは…

企業が社員一人ひとりのメンタルの状態を把握できるだけじゃなく、それまで気づかなかった職場の問題が顕在化され、早く把握できることにも役立ちます。

 

働きやすい職場にするための改善策を検討する機会を得られ、下記3つの効果が期待できます。

 

①社員のメンタルが深刻な状態になる前に認識できる可能性が高まる
⓶現状把握により職場改善の具体的な対策が練りやすくなる
③職場改善策を実行することにより、社員のストレスが軽減され労働生産性の向上、業績アップに繋がる

 

 

■まとめ

社員の健康やメンタルの不調を未然に防ぐために、ストレスチェックを実施することは非常に重要です。

ストレスチェック制度の活用によって、社員にとっては自身のストレス状態を把握でき、セルフケアもできます。
企業にとっては社員のメンタルが深刻化する前に気づくことができるのはもちろん、今まで見えなかった職場の問題・課題が見つかり、環境改善に向けて取り組むことができます。

 

年に1度の義務感で実施するのではなく、ストレスチェック制度を有効に機能させていくことが大事です。
メンタルヘルス対策が充実し、社員が心身ともに健康で安心して長く仕事を続けていくことができる職場づくりに向けて、より良い制度運営を目指しましょう。

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