新入社員が入社して数ヶ月が経ち、新社会人として働く方たちも職場の雰囲気に慣れ始めてきたころではないかと思います。

 

やる気に満ち溢れている方ばかりなら良いのですが、中には疲れた顔でやる気のなさそうな方もいるのではないでしょうか。

 

近年では5月病だけではなく6月病という表記も目にする機会が増えてきました。

 

今回は、そんな5月病になってしまった新入社員の対策について紹介していきます。

 

5月病になりやすい人の特徴

そもそも5月病は、環境の変化に心が追い付かないことから起きます。

 

特に、新卒社員は学生時代から生活リズムや責任の重さに対する変化に適応しようと努力します。

 

4月は無我夢中で駆け抜けるのですが、ふと冷静になるのが慣れてきた5月や6月。

 

そこで、自分の現状を悲観的に捉えてしまい、5月病になってしまうのです。

 

どんな人が5月病になりやすいのか

・真面目で責任感がある人

・我慢強い人

・融通が利かない人

・理想が高い人

 

決して不真面目で責任感がないから5月病になるのではありません。

 

真面目で責任感があって忍耐力がある人の方がストレスを抱えやすく、様々な要因をきっかけに5月病が発症してしまいます。

 

また、理想が高い人も大きな挫折や失敗を味わったときに発症してしまいます。

 

ここで気を付けていただきたいのは、5月病は気持ちの問題ではなく軽いうつ病と呼ばれ、適応障害の一種とされているということです。

 

適切に対処しないと新入社員を余計に追い込み、早期退職へと繋がってしまいます。

 

対策1:冷静になって相手の立場を考える

まず前提に置かなければならないのは、「部下も苦しんでいる」ということです。

 

感情的に怒ったりする気持ちも分かりますが、長い目でじっくりと指導することを心掛けましょう。

 

人間は感情的になると、脳の一部である大脳辺縁系が活発になり、合理的な判断ができなくなると医学的に証明されています。

 

上司が感情的になると部下も感情的になるので、正しいことを指摘したとしても反発し、意見を聞いてもらえなくなります。

 

一度メンタルが悪循環に陥ってしまうと、ストレスが雪だるま式に増えていき、周囲の助けに目もくれず、ある日会社に来なくなってしまいます。

 

「自分たちは怒られながら成長してきた」「ダメなことに対して怒って何がいけないの」という気持ちも分かりますが、相手の立場に立って気持ちを理解して接してあげることが大切でしょう。

 

対策2:話を聞いてみる

相手の気持ちを理解するには、話を聞いてみることが重要です。

 

世代の違う新入社員と接するのは難しいと感じる経営者や人事の方もいらっしゃるかもしれませんが、新入社員の方から上司には話しかけにくいものです。

 

無理に流行りの話題に乗る必要はありません。まずは、仕事の話を通じて積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。

 

質問するときに気を付けるポイント

質問する時に、「なぜ」という質問はできるだけ避けましょう。

 

「なぜこうしたの」「なぜやらなかったの」という質問は心理的に圧迫する要因となりかねます。

 

ビジネスの現場では「なぜ」という問いをすることが良しとされていますが、経験の乏しい新入社員に聞いても自信を喪失させる可能性があります。

 

有効になるのが、「どこに」「誰に」「何を」「どのように」という質問を意識的に使っていくことです。

 

営業職なら、「今日はどこに行ってきたの?」「どんな話をしたの?」「担当の方はどんな人?」などの質問は答えやすく、「はい」「いいえ」で終わる質問ではないので会話が進みやすいです。

 

その中で「こういうお客様だったらこんな話をすればいいかもね」など業務的なアドバイスを自然な流れですることができるので、いきなり会話するのが難しい方は、簡単な質問から心掛けてみてはいかがでしょうか。

 

対策3:適度な距離感を保つ

悩んでいる部下を見ると、「効果的なアドバイスをしなければ」と気負いがちですが、適度な距離感を保ちつつ、軽い助言をした方が効果的です。

 

新入社員が考えていること、悩んでいることを全部聞いてあげたうえで、「自分も最初の頃は苦労したよ」と共感してあげたり、小さなアドバイスを2~3個伝えて、「あと2~3ヶ月頑張ってみようか」と背中を押してあげることが有効です。

 

1年と伝えるとプレッシャーに感じてしまうのであえて短い期間を設定することが大切です。

 

もし、病院に通うことになっても決して責めることはせずに、「徐々に体調を直して、また一緒に頑張ろう」と勇気づけてあげることで気持ちが軽くなり、「もう少し頑張ろうかな」という気持ちになってくれるかもしれません。

 

上司が気負い過ぎると相手にプレッシャーをかけるだけでなく、自分も共倒れしてしまうので、適度な距離感を保った接し方をするように心がけていきましょう。

 

まとめ

少子化が進む中で、若年層の労働力の確保が大切になってきます。

 

そんな中で、指導力・育成力がない会社は生き残っていくことが難しくなるでしょう。

 

5月病に関わらずに若い人たちが何を考えているのかを考慮したうえで、個々人に適した接し方を心掛けていくことが今後の会社の成長に繋がります。

 

新入社員に限らずに5月病やうつ病は誰にでも起きる可能性があるので、改めて従業員の向き合い方に関して考え直してみるのはいかがでしょうか。

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