企業の三大資産の一つである“人材”。
人の集合体である企業にとって、優秀な人材を獲得することは重要なミッションです。
しかし、「優秀な人材」とはどういった人物なのか、具体的に説明するとなると難しいですよね。
この記事では、優秀な人材の特徴や優秀な人材を確保するために企業が行うべきこと、面接での注意点、優秀な人材が辞める企業の特徴などについてご紹介しています。
優秀な人材の特徴
優秀な人材は、企業や仕事内容によって異なるため、どのような人物かを定義することは難しいですが、優秀な人材と言われる人に共通する特徴はあります。
自己認知力が高い
自己認知力の高い方は会社での役割や、やるべきことを把握し、仕事の本質を理解できるため、チームワークよく柔軟に仕事を遂行できます。
また、自身の強み・弱みを把握することで、強みを伸ばしたり、足りていない部分を改善したりと成長することができます。
内省できる
誰でもミスはしてしまうものですが、失敗後の対応に優秀な人材か、そうでないかの差が出ます。
ミスを他人のせいにするのは楽ですが、誰かのせいにする癖がついてしまうと、内省できなくなります。
優秀な人材は事実を受け止め、ミスの原因となった点や、改善方法について考え、自分自身に何が足りないのかを考えていくため、成長し続けられるのです。
優秀な人材を確保するには
優秀な人材を確保するには、自社の求める人物像を明確にしなくてはなりません。
その上で、求める人物像を意識した企業の魅力をアピールしましょう。
求める人物像の明確化
自社がどのような人材を求めているのか明確にしないと、入社してから「思っていたのと違った」というミスマッチを招きます。
自社の社風や業務内容などに照らし合わせ、どのような経験や能力、性格特性、価値観を持っている人材が欲しいのかを可視化することで、ミスマッチ防止になります。
採用ブランディングで候補者へアピール
採用ブランディングとは、自社の価値を高めることで求職者を引き付けることです。
求職者のほとんどは複数の企業へ応募しているため、他社との差別化を図る必要があります。
他社と差別化できる強みをリストアップし、求める人物像へ訴求できる自社の魅力を洗い出すことが、採用ブランディングへと繋がります。
スピーディーな対応
先述したように、求職者は複数の企業に応募しているため、レスポンスの早さは採用活動に大きな影響を与えます。
特に、中途採用は既に退職されている方もいるため、レスポンスの早さが重要です。
対応が遅いと面接日程調整の返信率も低下するので、一日以内に返信するなど、対応スピードを意識して対応しましょう。
面接選考で注意したいこと
面接選考は、企業が応募者を見極めるための重要な工程ですが、応募者も企業を見極めています。
優秀な人材は複数社から内定をもらっていることも少なくありません。
応募者から選ばれるためには、自社の魅力をアピールし、入社志望度を上げることも面接の役割です。
リラックスできる環境
応募者の緊張度合いが高いと、人物像を正しく把握することができません。
面接に訪れる応募者は緊張しているので、面接官はアイスブレイクなどでリラックスできる環境を整えましょう。
また、『ストレス状況下でどのような対応をするか』判断する目的で行われる圧迫面接は、応募者が良い対応をしても、辞退されては意味がないので、良い手法ではないと考えられます。
会社の代表であることを意識する
多くの場合、応募者にとって面接官は初めて企業の社員と接する人物です。
面接官の対応次第で企業の印象が大きく左右するため、身だしなみを整えて不快感を与えないことが重要です。
また、アイコンタクトや適度な相槌などを意識しつつ、応募者の話をしっかり聞くことで、誠実な印象を与えられます。
面接官は自身が企業の代表であることを理解し、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるような対応を心がけましょう。
優秀な人材が辞める企業の特徴
人事評価制度が整っていない
年功序列のような制度の場合、頑張って成果を出しても昇進までに時間が掛かります。
上の世代が多いと、それだけキャリアアップに時間が掛かることから、モチベーションが低下する原因になりかねません。
特に若い世代は転職に抵抗のない方が多いため、「正当な評価をされない会社」と感じると、離れていってしまいます。
成長できる機会がない
優秀な人はキャリアアップやスキルアップを目指すタイプが多いので、「これ以上成長機会を望めない」と感じると価値を見いだせなくなり、転職を考えるようになります。
裁量権が少ない
優秀な人は自主的に考えて行動するため、逐一上司の判断を仰がなくてはならない職場では、息苦しさを感じます。
そのため、年齢や社歴に関係なく、能力を評価して裁量権を与えてくれる企業に転職を考えることも。
タスクが集中する
業務遂行スピードは個人差があるため、優秀な人は早く仕事が終わるので、他の人の仕事が回ってくることもあります。
結果的に優秀な人の仕事量が増えてしまい、負担が増加することになるため、仕事の割り振りや教育評価に課題があるのかもしれません。
優秀な学生獲得に繋がる「グレードスキップ制度」
2018年度の新卒採用で、ソフトバンク・テクノロジーは『グレードスキップ制度』を導入しました。
グレードスキップ制度とは、能力に応じて適正なポジションと報酬を与えるという制度です。
年功序列制ではないため、優秀な若手社員がチャレンジしやすい環境が整っています。
グレートスキップ制度は導入したばかりですが、2018年の新卒では前年よりも2.4倍の採用が実現し、早くも効果が見えています。
これほどの成果が出せたのは、もともと策定されていた『ミッショングレード制度』が社員に受け入れられていたからと考えられます。
ミッショングレード制度というのは、会社が定義した役割に対する成果を、半期に一度評価する制度です。
本人の能力に応じてグレードが上がっていくため、優秀な社員は年齢に関係なく役職に就くことができるのです。
同社では、若手が活躍できる制度が導入され、その基盤が整っていたからこそ、新卒採用でもスムーズに導入できたと推測されます。
優秀な人材にとって、能力を適正に評価されるシステムは非常に魅力的であり、離職率低下にも繋がります。
導入を検討される場合は、既存社員に不公平感を与えないよう、まずは社内に適用し、社員全員がしっかりと理解することが重要です。
まとめ
今回は、優秀な人材の特徴や面接での注意点、優秀な人材が辞める企業の特徴などについてご紹介してきました。
女性や外国人、高年齢者など労働者の幅が広がった現在、多様な価値観を受け入れないと優秀な人材は集まってきません。
優秀な人は、自己認知力や上昇志向の高い人が多いため、チャレンジできる風土や、成長できる環境の企業に魅力を感じます。
能力に応じた人事評価制度や、柔軟な働き方を認めるなど、労働環境の整備をすることで企業の価値を高められます。
社員満足度の向上と求職者へのアピールに繋がるため、優秀な人材を獲得したいとお考えの企業様は、自社の労働環境を今一度見直してみてはいかがでしょうか。