昨今、TwitterやFacebook、LINE、Instagramなど数多くのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が存在しています。
その中でも、ビジネスに特化したSNS『Linkedin(リンクトイン)』をご存じでしょうか。
採用市場が厳しい現在、Linkedinを活用したソーシャルリクルーティングが注目を集めています。
今回は、Linkedinを使った具体的な採用方法や事例などをご紹介していきます。
Linkedin(リンクトイン)とは?
Linkedinとは、シリコンバレー発の、ビジネス特化型ソーシャル・ネットワーキング・サービスです。
Linkedinに登録したユーザーは職場の同僚や取引先相手など社内外を問わず、ビジネス上で繋がりを持った人と「いいね!」や「コメント」などで交流できるようになっています。
Facebookと同じように実名でアカウント開設を行いますが、学歴や勤務先、職種、保有資格といったビジネスに関する内容のみをプロフィールとして公開しており、『プライベートの情報や投稿がない』というのが特徴です。
Linkedinは全世界で5.9億人超のユーザーが登録しており、アメリカでは人口のおよそ40%がアカウントを保有しています。
一方、日本のユーザー数は200万人程度とさほど多くはありませんが、徐々に利用者数は増加しており、Linkedinを使った採用活動が注目されています。
Linkedinは日本人の採用には不向き?
「日本人ユーザーの少ないLinkedinは、採用活動に不向きなのでは?」という声をよく耳にします。
しかし、Linkedinには英語力や豊富なキャリアを持っているユーザーが多く、求人サイトではなかなか巡り合えないハイクラスな人材が多いのです。
数は少ないですが、質の高い人材との出会いの場として利用することができるため、優秀な日本人の採用にはもってこいのサービスであると言えるでしょう。
さらに、Linkedinユーザーの約8割は積極的に転職活動を行っていない潜在層であるため、求人サイトでは出会えない人材に巡り合えるかもしれません。
また、企業はユーザーの中から、自社が求める条件にあった人材を検索してスカウトメールを送ることができます。
すぐ採用にならなくても繋がりを持っておくことで、タレントプールとしての活用も可能です。
Linkedin(リンクトイン)を使った採用方法
Linkedinは学歴や職歴、スキルなどのプロフィールを公開しているため、企業は自社の求める人材を検索して直接アプローチできます。
Linkedinを使った採用方法にはいくつか種類があるので、それぞれについてご紹介していきます。
会社ページに求人掲載する(有料/無料)
会社ページとは、会社概要や商品紹介など自社に関する投稿を行うページのことです。このページに求人情報を掲載することができます。
無料版
無料版は基本的な会社情報と、「求人募集をしている」という事実のみの発信となるため、ユーザーが詳細情報を得ることはできません。
また、直接応募することもできないため、無料版を利用する場合は、採用サイトのリンクを貼るなど応募までの導線を用意する必要があります。
有料版
無料版の機能の他にも写真付きの会社紹介やフォトギャラリー、社員紹介やブログなどを掲載できるため、会社の雰囲気をより詳細に伝えることができます。
さらに、有料版ではLinkdinから直接求人に応募することもできるため、無料版と比較すると応募率がぐっと高くなります。
求人広告の掲載(有料)
ホーム画面の広告やLinkedinからのメール内広告など、さまざまな種類の広告を有料で掲載することができます。
スポンサード広告を使うと、企業の求人条件にマッチしていると判断されたユーザーへ広告が配信されるため、積極的に転職活動を行っていない転職潜在層にもアピールすることができます。
InMail(有料)
InMail(スカウトメール)とは自社とつながりがないユーザーと連絡を取ることができる機能で、検索機能によって発見したユーザーにも送ることができます。
メールの内容もユーザーごとに変更できるため、ターゲットに合わせた訴求によって、採用率が向上します。
しかし、ユーザーごとに文章を変更するのは、手間と時間がかかってしまいます。
求人広告と併用して、効率よく採用活動を行っていきましょう。
Linkedin(リンクトイン)を使った採用のコツ
定期的に情報更新する
転職を考えている人は、会社ページなどを見て、企業の情報を収集する可能性が高いため、会社ページや、採用担当者のページを定期的に更新しましょう。
中途半端な状態で放置しておくと、せっかくユーザーが訪れても十分に興味を引き出すことができないばかりか、イメージダウンする可能性もあります。
採用ターゲットを意識した投稿内容
ユーザーの興味を引くためには魅力的な写真や情報を投稿する必要があります。
どれだけ魅力的な会社でも、それが伝わらなければ意味がありません。
採用活動を成功させるには、採用ターゲットを意識した投稿内容にすることが重要です。
ニッチな職種の求人に注意
Linkedinの日本人ユーザーは、まだまだ少ない状況です。
限られたユーザーの中にニッチな職種の求人を出しても、ターゲットとなる母集団を形成するのは難しいです。
Linkedinでの採用活動を検討する際は、採用ターゲットとなる層がどの程度いるのかを事前に確認する必要があるでしょう。
Linkedinを使った採用事例
メルカリ
メルカリでは、2015年ごろからLinkedinを利用して、ダイレクトリクルーティングを行っています。
Linkedinを通して採用ターゲットとなる人材へ、『ミートアップ』の案内を送る方法で利用しています。
ミートアップとは同職種の人たちと飲食をしながら交流できる場のことを指し、自社のファンを作って採用に繋げる目的があります。
パナソニック
パナソニックでは、採用活動と企業の情報発信にLinkedinを活用しています。
Linkdinからグローバルな転職市場に身を置く転職潜在層にもアプローチすることで、全世界から優秀な人材を獲得しています。
北米のキャリア採用は8割がLinkedin経由となっており、他の地域でも採用効果が出ています。
また、Linkedin上で、パナソニックのさまざまな情報を発信していくことで、フォロワーを増やすことにも成功しています。
まとめ
今回はLinkedinについてご紹介してきました。
日本では登録しているユーザーは多くありませんが、世界的には非常にポピュラーなビジネス特化型のSNSです。
Linkedinには、グローバルな転職市場に身を置く優秀な人材も多く登録しているため、求人サイトでは巡り合えないような人材にも出会える可能性があります。
転職潜在層へもアプローチができるため、質の高い人材データベースとして、Linkedinを採用活動に利用されてみてはいかがでしょうか。