Instagramは主要なSNSの中でも写真や短い動画といったビジュアルに特化しており、若者が多く利用しているため、採用活動に最適なSNSです。
増加傾向にあるSNS採用において、Instagramは多くの企業から注目されています。
そこでこの記事では、Instagramの特徴や採用活動に活用するメリット・デメリット、運用のポイントについて詳しく解説します。
企業事例やおすすめの運用代行サービスもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
Instagramとは
Instagramとは、写真や動画を投稿できる無料のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)です。
写真や動画をスマートフォン上で簡単に加工・編集して投稿できる手軽さから、国内外問わず多くの人が利用しています。
写真下のキャプション(説明文)部分に「ハッシュタグ(#)」つきのキーワードを投稿すると、ユーザーに見つけてもらいやすくなります。
Instagramは2010年にスマートフォン向けアプリとして登場して以来、順調にユーザー数を増やし続け2019年には全世界で10億人、日本国内では3,300万人を突破しました。
また、総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、10代~20代は約7割、30代では5割以上がInstagramを利用しています。
就職・転職のメインターゲットが多く利用していることから、採用活動にInstagramを活用する企業が増えています。
Instagramが採用に適している理由
インターネットとスマートフォンの普及に伴い、SNSは身近な存在になりました。
若手世代はよりリアルな情報を追い求めるため、広告よりも口コミを信頼する傾向が強いです。
そのため、情報収集や欲しいものを探すとき、Googleのような検索エンジンよりも、InstagramなどのSNSを使う人が増えています。
引用:株式会社ディスコ「キャリタス就職2022学生モニター調査結果」
株式会社ディスコの行った調査によると、就活に関する情報の入手先は就職情報サイト96.3%と最も多く、SNSは18.8%に留まっています。
少なく感じるかもしれませんが、前年度から利用率が上昇しているのは12項目中「採用サイト」「就職イベント」「SNS」「新聞・書籍・雑誌」の4項目のみです。
中でもSNSは前年度よりも大幅に増加していることから、SNSによる情報収集が活発化していることが分かります。
引用:株式会社ディスコ「キャリタス就職2022学生モニター調査結果」
次に就職活動で利用するSNSを見てみると、
- LINE(47.9%)
- YouTube(31.6%)
- Twitter(36.8%)
- Instagram(19.0%)
- Facebook(4.9%)
となっています。
Instagramの有用性
YouTubeやTwitterの方が学生にリーチできそうな印象を受けますが、なぜInstagramが注目されているのでしょうか。
Twitterは短文でのリアルタイム発信に強みがある一方で、投稿面積が小さいため、ユーザーの目に留まりづらいです。
また、YouTubeは動画投稿で求職者の企業理解を促せますが、YouTube自体に加工・編集機能はついていないため、コンテンツ制作に工数がかかります。
Instagramは、写真や動画の投稿がメインなので投稿画面が大きく、目に留まりやすいです。
短尺動画でインタビューやオフィスの風景を投稿すれば、社員の人柄や社風、職場の雰囲気も伝わりやすくなるでしょう。
撮影した写真や動画は、アプリ内の機能で簡単に加工・編集できるため、手間もかかりません。
コンテンツに合ったハッシュタグをつけて投稿すれば、より多くの求職者に情報を届けられます。
Instagram採用のメリット
ここでは、Instagram採用を行う具体的なメリットをご紹介します。
視覚的に企業の魅力をアピールできる
Instagramは写真や動画の共有をメインとした、ビジュアルに特化したSNSです。
オフィスの風景やインタビュー動画、社内イベントの様子などを投稿すれば、視覚的に企業の魅力を伝えられます。
こうしたリアルな情報は求職者からの需要が高いため、興味や関心を引くこともできるでしょう。
ミスマッチ防止につながる
Instagramは写真や動画で日常の一部をシェアできます。
職場の雰囲気や社風、社員の人柄といった、テキストでは伝わりづらい情報をスムーズに伝達できるため、ミスマッチ防止につながります。
また、「コメント」や「ライブ配信」24時間で投稿が消える「ストーリーズ」を活用すれば、求職者との気軽なやり取りも可能です。
親近感を持ってもらえるだけでなく、応募に誘導することもできるでしょう。
コスト削減につながる
無料で利用できるInstagramを通して採用できた場合、外部に支払うコストはかかりません。
Instagramは就職・転職のメインターゲットである若年層が数多く利用しています。
多くのユーザーにシェアされれば、将来就職・転職活動を行う「潜在層」にも情報を届けられるため、運用方法次第では大幅に採用コストを削減できます。
簡単に更新できる
Instagramはアプリをダウンロードしてアカウントさえ作れば、すぐに利用できます。
写真や動画の加工・編集機能もアプリに標準装備されているので、素材を用意すればスマートフォン一つで簡単に投稿できます。
ホームページなどでコンテンツを投稿するよりも、少ない工数で済むため効率的です。
Instagram採用のデメリット
Instagram採用を行う際、どういった点に注意をするべきなのか、デメリットを見ていきましょう。
更新し続ける必要がある
Instagramだけでなく、SNSは成果が出るまでに時間がかかるものです。
フォロワーが少なければ拡散されにくいですし、そもそもフォロワーを獲得するには有益な情報を定期的に発信し続けなくてはなりません。
とはいえ、求職者が興味を持ちそうなコンテンツの企画や素材の用意、投稿文の作成には手間がかかります。
複数名もしくは専任の担当をつけるなど、継続的に運用できる体制を整える必要があります。
企業イメージを低下させることもある
SNSは情報伝達に優れる反面、炎上や誤解を生むリスクもあります。
たとえ本人にそのつもりがなくても、“不適切な投稿”として瞬く間に広まりバッシングを受けるケースは珍しくありません。
誤解や炎上は企業のイメージダウンにつながるため、写真や動画、文章はしっかり確認してから投稿しましょう。
ネットリテラシーの教育はもちろん、投稿前のダブルチェックなどトラブル回避の施策を講じる必要があります。
ターゲット層がズレると効果が薄くなる
どんなに素晴らしい投稿をしても、採用ターゲット層とInstagramのユーザー層がマッチしていなければ効果は出ません。
また、投稿時につけるハッシュタグも適切なキーワードに設定しないと見つけてもらえません。
Instagramは若者が情報収集として用いることを理解した上でペルソナを作り上げ、訴求効果の高い投稿内容やキーワードを検討することが重要です。
Instagram採用を行うポイント
では、Instagram採用を行う上にあたって押さえておきたいポイントについてご紹介します。
ペルソナを設定する
自社がどういう人材を求めているのかが分からない状態でInstagramを行っても、成果は出ません。
ターゲットに合わせた一貫性のある投稿が重要となるため、まずは自社がどういう人材を求めているのかを明確にすることが重要です。
採用したい具体的な人物像(ペルソナ)を作り上げることで、「どういう情報をどの時間帯に発信するべきか」「どんなハッシュタグで検索しそうか」が見えてきます。
採用活動を行う上で欠かせない工程なので、必ず行いましょう。
ペルソナの設定には、
- 基本情報(年齢・性別・居住地 他)
- 経歴(学歴・職歴・年収 他)
- 人間関係(家族構成・恋人の有無 他)
- 行動特性(価値観・性格 他)
- 将来のビジョン
などを設定します。
経営陣や現場の社員からヒアリングした上で、要件を洗い出しましょう。
ただし、理想が高くなりすぎて現実離れしないよう「MUST(必須条件)」「WANT(希望条件)」「NEGATIVE(不要条件)」に仕分けてください。
作成したペルソナは経営陣や現場社員からフィードバックをもらい、微調整していくと認識のズレを防止できます。
要件の洗い出しは、社内のハイパフォーマーを参考にするのもおすすめです。
運用方法を決めて定期更新する
Instagramで成果を上げるには、有益な情報を定期的に更新し続けなければならないため、本格的に行うなら、あらかじめ運用方法を決めておく必要があります。
例えば、
- 更新スケジュール(曜日・時間帯)
- 社内の年間スケジュールと合わせたコンテンツの企画
- 運用担当者
- チェック体制
- マニュアル(投稿内容の方向性・返信ルール)
などを明確にしておきましょう。
運用マニュアルは特に重要です。
「政治・宗教・国際問題に関する話題」「批判的な内容」「ユーザーへの反論」といった採用活動とは関係のない投稿・返信は厳禁など、しっかりとルールを作ってください。
また、更新頻度が少ないと効果が出づらくなるため、最低でも2日~3日に1回は投稿しましょう。
教育の実施
Instagramに限らず、SNSには炎上リスクがつきものです。
本来の意図とは全く別の伝わり方をしてしまうケースもあるため、完全に炎上リスクを排除することはできません。
しかし、運用者のネットリテラシーやモラルの低さが原因で炎上が起こることも多いため、炎上リスクを減らすためにもSNSリテラシーに関する教育は実施しましょう。
会社の雰囲気が分かるような投稿をする
Instagramを採用に活用する際は、会社の雰囲気が伝わる投稿を心がけましょう。
社員の人柄や社風、職場の雰囲気といった情報は求職者の関心が高いです。
特に若者はリアルな情報を求めているため、Instagramで日常の様子をシェアすれば、企業理解も促進されるでしょう。
ただし、大げさな内容を投稿したり、本来の姿とは異なるものを作り出したりするのは、ミスマッチにつながるためNGです。
ありのままの姿を伝えてミスマッチを防止しましょう。
オフィスや社内イベントの様子、社員紹介、短尺のインタビュー動画などがおすすめです。
ハッシュタグを活用する
Instagramは「ハッシュタグ(#)+キーワード」で関連情報を検索できます。
そのため、露出を増やすには画像下のキャプション部分に「#○○」のように、キーワードを入れることが重要です。
1つの投稿に30個までハッシュタグをつけることができるため、できる限り多くつけましょう。
とはいえ、ユーザーから検索されるハッシュタグでないと意味がありません。
例えば、
グローバル人材…「#recruit 」「#jobsearch 」「#career 」
日本人がターゲットの新卒採用…「#2023新卒 」「#新卒採用 」
のように、ターゲットを意識して刺さるハッシュタグをつけることがポイントです。
「地名+採用」も検索されやすいため「#渋谷採用 」など、募集地域も積極的に盛り込みましょう。
また、キーワードの最後に半角スペースをつけると、どこまでハッシュタグのキーワードなのかをInstagramに認識させられます。
プロフィールは分かりやすく
投稿内容はもちろんも重要ですが、「何のアカウントなのか」「何を目的としているのか」が分からなければ、なかなかフォロワーは増えません。
プロフィールには、
- 会社名
- 運用目的
- 企業のURL
- 所在地
- 採用部署の連絡先
を載せましょう。
知名度の低い企業であれば、1~2文程度の簡潔な企業紹介をしておくのがおすすめです。
多くの情報を載せるときは、箇条書きにすると分かりやすくなります。
動画を活用する
Instagram採用を行うなら、「リール(TikTokのような短尺動画)」や「ストーリーズ(24時間限定の投稿機能)」も積極的に活用しましょう。
人は静止画よりも動画に興味を示しやすく、情報もスムーズに受け取れるため、集客につながります。
Instagramに動画を投稿すれば、社員の人柄や職場の雰囲気もより伝わりやすくなりますし、親近感も与えられるでしょう。
24時間限定のストーリーズを活用すれば、エンゲージメントの高い求職者向けコンテンツを制作することも可能です。
また、ストーリーズはハイライト機能でプロフィールページに表示し続けられるため、反響の高い投稿だけ残しておくこともできます。
Instagram採用の企業事例
他社ではどのように運用しているのか、企業事例をご紹介します。
株式会社ONE
「社員インタビュー」「座談会」「入社の決め手」「よくある質問」など、企業理解を促すコンテンツが豊富に揃っています。
コーディネートやオフィスの紹介もされており、職場の雰囲気を掴みやすい作りです。
株式会社サイバーエージェント
「内定者紹介」「社員の1日紹介」「オフィス紹介」など、職場の雰囲気が伝わるコンテンツが多いです。
「面接の質問集」「内定者への質問」「内定者が先行で意識していたこと」といった、就活生にとって有益な情報も数多く投稿されています。
株式会社アダストリア
「職種ごとの仕事内容紹介」「社員紹介」「入社の決め手」などを中心に投稿されています。
インスタライブも開催しており、リアルタイムで直接交流できる機会も設けているようです。
Instagram運用代行サービス3選
最後に、Instagramの運用代行サービスを3つご紹介します。
株式会社ONE
人材事業に長年携わってきたONEでは、採用に関する知見やノウハウを活かした「採用Instagramの運用支援サービス」も提供しています。
「運用が上手くいかず、アドバイスが欲しい」という企業から「すべて任せたい」という企業まで、ニーズに合わせて以下4つのプランから選べます。
プラン名 | 内容 |
契約期間 費用 |
寄り添い運用代行プラン | コンテンツ企画/画像加工/キャプション修正/ハッシュタグ選定/月次レポート/定例ミーティング |
契約期間:6カ月~ 初期費用:10万円 月額:10万円 |
お手軽アドバイスプラン | 月次レポート/定例ミーティング |
契約期間:6カ月~ 初期費用:10万円 月額:3万円 |
簡単スタートプラン | アカウントの立ち上げ~最低限必要な投稿まで |
契約期間:なし 初期費用:10万円 |
まるっと代行プラン | 寄り添い運用代行の内容に加え、撮影+キャプション執筆 |
契約期間:6カ月~ 初期費用:10万円 月額:30万円 |
ソーシャルワイヤー株式会社(ファインドモデル)
インフルエンサーマーケティング事業を行うファインドモデルでは、Instagramの企業アカウント運用代行サービスを提供しています。
アカウントのコンセプト設計やコンテンツプランニング、画像・動画の作成、投稿、レポート作成を行っています。
こうしたアカウント運用に加え、インスタグラマーのキャスティングやSNS広告運用までまとめて任せられるのが特徴です。
「ライト」「スタンダード」「プレミアム」の3種類があり、企業の状況に合わせた適切なプランを選択できます。
契約期間:6カ月~
費用:ライトプラン月額10万円/スタンダードプラン月額20万円~/プレミアムプラン月額30万円~
株式会社バケット
インターネット販促支援事業を行うバケットは、2008年からソーシャルメディアの運用代行・実行支援サービスを行い、企業アカウントは約200に上ります。
戦略策定やアカウント開設、運用マニュアル、投稿管理など、フェーズごとに料金が設定されており、必要な業務のみを委託できます。
契約期間:不明
費用:【導入支援】戦略策定(初回)20万円/SNSアカウント開設(初回)15万円/運用マニュアル・運用ガイドライン作成20万円
【運用支援】アカウント管理・投稿管理月額30万円/ユーザーサポート月額15万円/モニタリングレポート月額10万円 など
Instagramで若年層にリーチ
SNSの普及に伴い、求職者の行動にも変化が起きています。
就職・転職のメインターゲットである若年層は、Googleなどの検索エンジンよりも、InstagramのようなSNSでリアルな情報を探す傾向にあります。
今後はさらにSNSでの情報収集が活発になると考えられるため、早めにInstagramの運用を開始して求職者にアプローチしましょう。
本格的な運用には工数がかかるため、人的リソースが足りない場合はご紹介したような「Instagram運用代行サービス」を利用するのがおすすめです。